【2024年7月】Google 検索の内部ドキュメント漏洩、検索ランキングアルゴリズムの実態/インディーズ映画スタジオのA24、評価額35億ドルにetc…

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テクノロジーやマーケティング、トレンド、カルチャーなどのニュースを紹介する本シリーズ。2024年7月に社内で話題になったTOPICをダイジェストします。

Walmartが店頭販売商品ではないサービスの広告枠を販売

Leaked Pitch Deck Shows Walmart Is Pitching In-Store Ads to New Brands

Walmartの広告部門であるウォルマート・コネクトは、金融会社、自動車ブランド、ファストフードレストランなど、Walmartの店頭で商品を販売していないブランドに店内広告の販売を開始しました。

  • 店舗内広告は「次の主要広告市場になる」
  • テレビの壁面広告は店舗ごとに平均 20 のスクリーンで 1 時間あたり 3 回から 12 回放映される
  • セルフチェックアウト広告は毎週1億500万人の買い物客に見られる

Walmartの店頭で商品を販売していないブランドを非エンデミックブランドと言いますが、非エンデミックブランドへの広告枠販売はAmazonも力を入れています。WalmartはWalmartコネクトで2023年に34億ドルの利益を上げましたが、Amazonは2023年に広告で約470億ドルの利益を上げており、リアル店舗という強みを持つWalmartが、広告面でどのように追撃するか注視が必要です。

また利益率が低い日本の小売業界にとっても、新たな収益源として期待されるリテールメディアのロールモデルとしてWalmartの広告戦略は注目です。

OpenAIがAI搭載検索エンジンSearchGPTを発表

SearchGPT Prototype

OpenAI announces SearchGPT, its AI-powered search engine

OpenAIがAI搭載検索エンジンSearchGPTを発表しました。

  • SearchGPT は今のところ「プロトタイプ」
  • 開始時には 10,000 人のテストユーザーのみがアクセスできる
  • 現在はWaitlist待ちになっている
  • サードパーティのパートナーと連携し、直接コンテンツ フィードを使用して検索結果を構築している
  • 最終的に検索機能を ChatGPT に直接統合したい

AI検索はPerplexityが先行していますが、検索エンジン全体にAI機能を急ピッチで組み込んでいるGoogleにとっても脅威となり得るかもしれません。

OpenAIは今年50億ドルの損失を出すかもしれない

Why OpneAI Could Lose $5 Billion This Year

OpenAIは今年50億ドルの損失を出すかもしれません。

  • ChatGPTの運営コストで40億ドル、トレーニングコストでさらに30億ドル、そして1,500人の従業員コストだけでも150億ドルを費やす予定とThe Informationが予想
  • 増資しないと資金が向こう12ヶ月で尽きる可能性
  • OpenAI はすでに7 回の資金調達ラウンドを完了し、110 億ドルを超える資金を調達している

Claudeを運営するAnthropicは2024年のバーンレートが27億ドルになると予想されており、Open AIの運営コストの大きさが分かります。

大人の資本力の戦いが続く生成AI開発。このままAGI開発に移行するのか、ただのAIバブルなのか。少なくとも過去のSam Altmanの発言からはAGIに近い存在をOpenAIが開発している可能性が高いとされており、AppleやMSがOpenAIと提携する理由はそこにあるのかもしれません。

Notion、ユーザー数が 1 億人を突破

Notion CEOのIvanがXでユーザー数が 1 億人を突破発表していました。

  • Notionは2013年にスタートしたが、初期はトラクションがなかった
  • かなり迷って4回ほどNotionを再構築した、その間に創業者の母親から資金調達している
  • 製品のアイデアは良かったが、技術スタックが間違っていた
  • 京都で作り直しをして、2018 年に Notion 2.0をプロダクトハントでリリース
  • 10 億人以上の人々がMicrosoftや Google を使っており、それらは柔軟性が低すぎる、創造性に欠ける
  • Notionは「ソフトウェア用の LEGO」を目指している

Notionは失敗から学び続けて、ユニークなプロダクトとユーザーコミュニティを持つ企業になっています。Notionの組織の美意識の中に、「ソフトウェアが人間の知性を拡張できる」という ビジョンに基づいていること、「ソフトウェアは美しくあり得るし、美しくあるべき」という信念がそのまま企業カルチャーになっていることが印象的です。

しかしそのようなカルチャーを作るのに10 年かかっています。苦しい中でも使命を変えなかったこと、理想に向けた改善をし続けたことは、起業家として学べる点が多くあります。

オフィスの壁の色を30種類の白から選んだことや、グッズを自分たちで作ったというエピソードは、工芸と美に対するクラフトマンシップを感じました。CEOのIvanが京都で生活した経験がプロダクトに反映されているのかなと思いました。

GoogleはChomeブラウザ内でCookieを使用可能継続へ、大きな方向転換

Google Is Keeping Cookies in Chrome After All

GoogleはChromeのサードパーティCookieの非推奨化計画を度々延期し、2025年まで延長していていましたが、Cookie の廃止ではなくユーザーが選択を行える新しいエクスペリエンスを Chrome に導入するようです。

  • プライバシー サンドボックス API は放棄せず、今後も開発と改善を続けていく
  • Chrome のシークレット モードにIP 保護を導入する予定
  • プライバシー サンドボックス API が業界で採用が進むにつれて、全体的なパフォーマンスが向上すると予想

本来の目的であるユーザーのプライバシー保護を実現できるものになるのかは不明です。広告収益が主な収益源のGoogleにとって、Cookie廃止による影響は大きいと判断したのかもしれません。

AI検索へのシフトによる広告収益の減少の予測、スーパーアプリの乱立により検索ボリュームの低下、ブラウザシェア率の低下などあらゆるところで攻めから守りに入るGoogle。CRMのHubspot、クラウドセキュリティのスタートアップWizの買収を相次いで断念しているGoogleは、今後どのようにアップサイドをどう取りに行くかは喫緊の課題です。

Uber が黒字を達成するまでとロボットタクシーの未来

Uber is finally profitable, so what’s next?

Uberは2023年、初の黒字を達成し、直近の四半期も堅調に黒字をキープしています。一方ライバルであるLyftは損失を大幅に縮小しましたが、依然として赤字となっています。

  • Uber が抱える一番のリスクはドライバーが独立請負業者ではなく、従業員として分類されること
  • UberもLyftも運転手に最低賃金を支払い、福利厚生を与えることに同意したが、重要なのは運転手を独立請負業者として分類を維持していること
  • Uberはタクシー業界をひっくり返し、2017年半ばまでに1日の乗車数でニューヨーク市のタクシーを追い抜いた
  • Uberは世界的に重要な企業として生き残るために、裁判や政策との駆け引きは重大なテーマだった
  • 長期的脅威は、自動運転車(AV)の台頭とロボタクシー技術の変化

Uber の収益のうち乗車によるものはわずか 56%。自動運転車はUberにとって潜在的に非常に価値ある市場ですが、いち早く自動運転実験を行っていたが、2020年に自動運転部門を40億ドルで売却しています。

2024年6月にはトヨタにも自動運転技術を提供するAuroraとの業務提携を発表しています。Uber CEOのDara Khosrowshahiは自動運転車でテスラと協力する可能性を示唆していますが、Elon Muskが8月に予定していたテスラ製ロボットタクシーの発表を延期したことから、正式な合意にはまだ時間がかかりそうという予想です。

2009年の創業時、Uberは産業構造を破壊するイノベーションとして登場したが、ずっと赤字であり常に裁判を抱える状態でした。Uber はとにかくサービスを開始し、起こる問題に対してはその時に対応するという方針で、スタートアップの代表格として成長し、訴訟コストと労働者確保、アプリケーションを稼働させる大量の資金を燃やしながら生き残ってきました。

Uberが生き残るために大事だったことは「十分な規模になる」「競合相手より長く生き残る」ことであった、多くの起業家にとっても多くのインスパイアをくれるエピソードだと思いました。

経産省が音楽ビジネスの分析レポートを公開

音楽産業の新たな時代に即したビジネスモデルに関するの報告書

経産省による音楽産業をあらゆる視点から分析したレポートがリリースされました。

  • 世界のコンテンツ市場は227兆円、そのうち音楽市場は8兆円
  • 日本の文化GDPの対GDP比率(1.9%)は他国に比べて低い
  • 国内フェスには訪日外国人も10%いる

レポートの中で印象的だったのが、日本の「多様性」の文化土台の一つにボカロ文化にあるという分析でした。

日本は少子高齢化が進む一方、海外は若い世代の割合が多く、日本の音楽業界全体を強くするには海外展開が不可欠です。日本の音楽はアニメ産業とも密接な関係性があり、グローバルで見てとてもユニークなコンテンツ領域での位置を確立しています。

20年前は大人にとってくだらない遊びに見えていたものが、日本にとって重要な産業になっているのが面白いですし、若い人たちの感性や視点がいつの時代もイノベーションの源泉になっているなと改めて感じました。

シリコンバレーのトップVCや起業家が次々とトランプ元大統領への支援を表明

Silicon Valley’s tech titans line up to donate to Donald Trump

2024年7月13日、Donald Trump前大統領が、演説中に銃撃され、右耳を負傷してから、その直後にElon MuskがTrump前大統領への支持と巨額の支援を表明しました。続いてa16zのMarc AndreessenとBen Horowitz、SequoiaのDoug Leone、PalantirのJoe Lonsdaleなどのシリコンバレーの巨大VCのトップたちが相次いで Trump大統領支援を公言し始めています。

シリコンバレーはアメリカで最もリベラルな地域ですが、Joe BIden大統領の規制や税金に関する姿勢に幻滅した一部のテクノロジー業界のリーダーたちは、政治的に右傾化してきていました。
一方、トランプ前大統領は、言論の自由を守り、暗号通貨業界を支援すると公約し、自由主義志向の起業家やベンチャーキャピタリストの支持を得てきました。

a16zのMarc AndreessenとBen Horowitzは支持する理由として、バイデン政権のクリプトやAI規制、キャピタルゲイン税などの施策に対して不満を語っています。

Trump前大統領が選んだ副大統領候補のJD Vance氏は、PayPal、OpenAIの共同創業者のPeter Thiel氏とVCとして働いていた経験があり、シリコンバレーのつながりが強い人です。ビッグテックに対して取り締まる姿勢を見せており、Googleを分割案などを持っています。Vance氏は仮想通貨の規制に対するより緩やかなアプローチについて主張しています。

J.D. Vance is anti-Big Tech, pro-crypto

10年前はTrump前大統領に否定的なメディアが多かったこともあり完全にアウトローだった存在でした。しかし銃撃後、Trump前大統領が立ち上がり、その拳を突き上げた瞬間は、人々が求めている強いリーダー像を象徴するようなシーンであり、アメリカ人を高揚させるものがあったのだと思います。

個人的には世界が一瞬で意識が変わる瞬間を見て、このように世界は変わっていくんだなと感じた出来事でした。

Netflixの勢い鮮明、「新規会員数」でDisney+やApple TV+を圧倒

This Streaming Service Has Scored Twice As Many New Users As Any Other In 2024

市場調査企業Antennaの最新データによれば、Netflixは2023年年12月末から5月末までの間にアメリカで約264万人の新規加入者を獲得し、2024年に最も成長したストリーミングサービスとなりました。

  • Apple TV+やHulu、Disney+、Starzは今年、いずれも加入者数を減少
  • 2024年1月-5月までに最も多くストリーミングされた番組5本のうちの4本が、Netflixの配信番組。
  • Netflixは2024年第1四半期時点で前年同期比で16%の増加の約2億7000万人になったと発表
  • 売上高は93億7000万ドルで、前年同期比14.8%増

アメリカのストリーミングサービスにおいて新規会員獲得は頭打ちになっていると言われていますが、Netflixはライブコンテンツや独自のIPコンテンツで視聴者を増やし続けています。大量のコンテンツで溢れる中で、独自のIPコンテンツは他社との差別化の必須要因になっています。

Google 検索の内部ドキュメント漏洩、検索ランキングアルゴリズムの実態

Secrets from the Algorithm: Google Search’s Internal Engineering Documentation Has Leaked

Google 検索のコンテンツ ウェアハウス API の内部ドキュメントが誤ってGithubのリポジトリに公開されており、検索エンジン最適化(SEO)の専門家であるMike Kingによってその内容の初期分析が公開されました。

  • 関連コードは2024年3月27日にプッシュされ、2024年5月7日まで公開されていた
  • 文書には2596個のモジュール、1万4014個の属性についての記述がある
  • 一部に古い情報が含まれるものの、ほとんどは2024年3月時点の最新情報であるとMike King氏が確認
  • Googleは漏洩した検索文書が本物であることを認めた

Google confirms the leaked Search documents are real

リークされたドキュメント分析によると、あらゆる部分で今までのGoogleの公式見解と異なる部分があったということです。

  • ドメインオーソリティは存在する
  • 直近13 か月分のクリックデータはWeb 検索結果にとって重要
  • 新しいサイトや信頼度の低いサイトの「サンドボックス」は存在する、この期間中、サイトのランキングは制限される
  • 検索表示にChromeのデータは使われている
  • Googleのランキングシステムは単体システムではなく、マイクロサービスの集合体
  • Pandaアルゴリズムは思ったよりもシンプル、「サイト品質スコア」を維持するには、より多くのクリック、より多様なリンクを獲得する必要
  • Google は著作のメタデータを保存している
  • リンクは依然としてかなり重要
  • PageRankはいまだにすべてのページに適用されている
  • 最新20件のページ更新履歴を保存しており、更新の頻度よりも、内容と品質が重要
  • 短いコンテンツは独創性で評価される、文字数だけがコンテンツ評価に依存しているわけではない
  • 日付は非常に重要、ページの他の場所の日付と競合する日付を URL に入れると、コンテンツのパフォーマンスが低下する可能性
  • ドメイン登録情報は保存されていて、所有権が変更されるとサンドボックス化に使用される場合もある
  • サイト上のページの 50% 以上にビデオが含まれている場合、動画に特化したサイトとして異なる扱いを受ける
  • 人間あるいはAIにラベルされたゴールドスタンダード文書がある
  • リンク先がターゲットと一致しない、ナビゲーションが不十分、UXにユーザーが不満を示している、製品レビュー、ポルノのなどの要素でページランクを下げられる
  • ページタイトルと内容のクエリがどれぐらい一致しているか測定しており、Google はリンクの両側の関連性を求めている

この内部ドキュメントがどれだけ現状の検索アルゴリズムの実態となっているかは不明です。これらの情報は、今までにGoogle内部の専有情報として守られてきました。Google がウェブサイトのランキング付けに関してどのようなシグナルを考慮しているかについて、より明確になったと言えます。またこれにより多くのSEO業者が、今回明らかになった検索アルゴリズムの仕組みをハックして、より検索結果をコントロールしていくビジネスも増えるでしょう。

AI検索が加速する中で、Googleが検索エンジンの覇者として翳りが見えているこのタイミングでの今回の内部ドキュメントの漏洩は、SEO業界ではずっと噂されていたけど、Googleが否定してきたことの矛盾や嘘が露呈しており、Googleの信頼性が低下し、今後のGoogleの発言を信頼することが難しくなったと言えます。

Inside the Google algorithm

newmo、シリーズA 1stクローズで100億円超の資金調達

newmo、シリーズA 1stクローズで100億円超の資金調達を実施

ライドシェア事業への参入を目指すnewmoが資金調達したというプレスリリースです。

  • シリーズAラウンドのファーストクローズで100億円超の資金調達
  • 具体的な投資家名はAラウンドのファイナルクローズ後に公開する

グリー元CFO、メルカリ日本事業を統括していた青柳直樹氏が2024年1月に創業したnewmo株式会社。シードラウンドでメルカリを含む合計14社および個人投資家を引受先とした第三者割当増資で約15億円の資金調達をしていました。

今回はシリーズA途中で100億円超の調達ということで、newmoの累計調達額は120億円となりました。異例の速さと大きな金額の調達をしていますが、直近には大阪の老舗タクシー会社、「未来都」の買収を発表。現在のnewmoグループの保有タクシー車両数は646台で、大阪府内のタクシー事業者では5位の規模になっているとのことです。そして2025年度中にタクシー3000台を目指すとしています。

日本では2024年4月より、一部の地域で限定的に「ライドシェア」が解禁されたものの、かなり限定的でかつタクシー業界に対する配慮が優先されています。

ライドシェアは新たな雇用創出やインバウンド顧客増加による移動課題の解決につながる本来大きな市場だと思います。タクシー業界という日本の利権構造と対峙しながらスタートアップがどのように成長していくかは、大きなチャレンジであり日本のライドシェアの風穴をあけるアクションになるのではないかと考えます。

Z世代とミレニアル世代の消費者は、この夏の旅行や結婚式出席のために借金を抱え、貯蓄をつぎ込む

Sixty-one percent of Gen Z and Millennials reported that summer travel is on their to-do list.  GETTY IMAGES

Younger Americans Are Set to Have a Summer of Fun, No Matter the Financial Costs

アメリカ人の若い世代は経済的安定度に関係なく、楽しい夏を過ごしたいと考えているという調査レポートです。この調査は18歳以上のアメリカ人成人、2,000人以上を対象に実施され、Z世代とミレニアル世代の61%がやりたいことリストに「夏の旅行」が入っていると回答しました。

  • Z 世代の 3 分の 1 とミレニアル世代の 32 パーセントは、この夏はお金を節約するよりも楽しむことに興味がある
  • Z 世代の 38 パーセントとミレニアル世代の 39 パーセントは、経済状況に関係なく夏の旅行が優先事項
  • Z世代の11%とミレニアル世代の8%が4,000ドルの負債を抱えていると予想
  • Z世代とミレニアル世代の44%は、今年は例年と比べて、より多くのお金を旅行計画に費やすつもり

若い世代はパンデミックの数年間を家の中に閉じこもって過ごしました。そして観光やスポーツにおける消費者行動の増加から、家にいることが時間の無駄だと考えており、借金をしてでも、貯金を使い果たしても夏の旅行や結婚式出席などの、思い出作りにお金を使いたいと考えているようです。

これはアメリカの調査データですが、日本では全世代で「旅行/観光」「外食/食事」にお金を使いたい意向が高い一方で、若い世代ほど「貯金」「投資」の意向が高いというリサーチデータがあります。

世代別のお金の使い方に関する調査

日本とアメリカの若い世代の消費傾向には、以下のような興味深い違いが見られます。

  1. 消費優先度の違い:
    • アメリカの若い世代(Z世代とミレニアル世代)は、経済状況に関わらず夏の旅行や体験を優先する傾向が強い。
    • 日本の若い世代は、旅行や外食への関心は高いものの、同時に貯金や投資にも高い関心を示している。
  2. リスク許容度:
    • アメリカの若者は、借金をしてでも、または貯金を使い果たしても夏の旅行などの体験を重視する傾向がある。
    • 日本の若者は、旅行や外食に興味を持ちつつも、将来の経済的安定性も重視している様子が伺える。
  3. 短期的vs長期的視点:
    • アメリカの若者は、パンデミック後の反動もあり、より短期的な満足や体験を重視している。
    • 日本の若者は、現在の楽しみと将来の安定のバランスを取ろうとしている傾向が見られる。
  4. パンデミックの影響:
    • アメリカの若者は、パンデミック期間中の制限への反動が強く、外出や旅行への欲求が高まっている。
    • 日本の若者も旅行や外食への関心は高いが、パンデミックの影響による極端な行動変化は見られない。
  5. 経済観:
    • アメリカの若者は、経済的リスクを取ってでも体験を重視する傾向がある。
    • 日本の若者は、楽しみと経済的安定のバランスを取ろうとする、より慎重な姿勢が見られる。

これらの違いは、文化的背景、経済状況、社会的価値観などの要因が複雑に絡み合って生じていると考えられます。(Claude 3.5 Sonnet)

全米で最も嫌われるブランドだったアバクロの復活

The logo was once central to Abercrombie’s appeal. Photo: Tim Boyle/Getty Images

The problematic mall brand pulled off the most exciting makeover in American retail. How?

Abercrombie & Fitch(アバクロ)のブランド変遷と消費者ニーズの変化を捉えた興味深いケーススタディを分析した記事です。

  • 時代遅れのブランドとされていたアバクロンビーの2023年の売上高は22億ドル、ブランドが席巻していた2010年代を上回っている
  • 株価は過去2年間で最も好調で、成長率はAIチップ大手のNvidiaをも上回っている
  • アバクロはまず新卒者、ミレニアル世代、25歳にターゲットをフォーカスしており、次にファストファッションとラグジュアリーの間にある市場の隙間をターゲットにした
  • ファストファッションよりも良い選択肢を求めながらも、ジーンズに300ドルも使うつもりはない、GapやJ.Crewは落ちぶれ、Zaraは安すぎ、ユニクロはトレンディさに欠け、百貨店には自分たちが必要とするものがないと感じていた若い世代をターゲットにした
  • かつてのアバクロはセックス、特権、富、育ちの良さなど、かつてプレッピーでテストステロン主導のブランドが象徴していたが、実用性に置き換え、TikTokに隣接した生活のためのリーズナブルな価格のブランドになっている
  • リブランディングというよりも、特定の美学に縛られないアンブランディングが実現した

ジェフリー・エプスタイン事件により、排他主義とルッキズムの象徴的なブランドとして嫌われる存在になったアバクロ。Netflixの「ホワイト・ホット: アバクロンビー&フィッチの盛衰」でも全米で最も嫌われるブランドの裏側の深い闇が取り扱われ話題になっていました。

今回の記事の中では、アバクロがかつてのマッチョ感のあるブランドイメージから、「退屈なぐらい平凡」なブランドになることで、過去最高収益を作り出している点は、まさにThe Unbrandingで興味深かったです。現在のブランディングセオリーの真逆のように見えますが、ユーザーのターゲティングをしっかり捉えていることが重要なのだと感じました。

クラウドツールNotion、ポップアップストアをオープン

Notionが体験的なポップアップイベントシリーズCafé Notionをオープン。

クラウドツールとして熱狂的なオンラインコミュニティを持つNotionですが、コミュニティを体感できるイベントとして、Café Notion をベルリンとロンドン、パリで開催しました。

体験的なポップアップイベントシリーズCafé Notionは今後もいろんな国で開催される予定です。業務ツールというと少しビジネス感があり距離を感じるものですが、Notionはユーザーがファンとなりツールをインフルエンスしたり、オンボーディングしたり、人との距離感を感じるツールです。

機能では差別化できない時代になってくる中で、Notionのコミュニティ作りはとても上手だと思います。ソフトウェア企業だけでなく多くの企業にとって参考になる企業だと思います。

AIが殺人ロボットの時代を先導し始める

A.I. Begins Ushering In an Age of Killer Robots

最近までドローンの操縦は人間が行っていましたが、今やドローンがターゲットを追跡するとソフトウェアの誘導により、自動飛行するものを開発しています。

  • 多額の投資、寄付、政府契約の流れにより、ウクライナは自律型ドローンやその他の兵器のシリコンバレーになっている
  • ディープラーニングによりドローンの自律的な行動が可能になった
  • ウクライナの起業家、エンジニア、軍部隊への取材で、自律飛行ドローンによる攻撃がかなり現実的な未来である
  • 兵器は低コスト(数千ドル以下)と、すぐに入手できる
  • 最新の兵器能力がすぐにテロ攻撃に利用されるのではないかと懸念されている
  • 約10社がすでに自律型ドローンを製造している
  • セイカー社はドローンがターゲットに自動ロックできる自社のソフトウェアを搭載したチップ月に1,000個生産しており、夏の終わりまでに月9,000個に拡大する予定

AIがより戦争を複雑化させている様子がわかります。

最近ですとOculus創設者であるPalmer Luckeyが創業したAndurilという企業が、無人機がアメリカ国防総省からウクライナに供給されていることが確認されてたり、オーストラリア海軍や米海軍と新たに大きな契約を結んだと発表がありました。

Who is Palmer Luckey? The founder of Oculus and Anduril

防衛テック企業が軍事産業に進出していることは、より戦争が需要と供給により成立しており、平和を望む声とは別の次元で、より簡単にそして自動化される時代になってきていると感じました。

Uber Eats、“おつかい”頼める新機能「PPP」

Uber Eatsに“おつかい”頼める新機能「PPP」って何? 三方良しの理由とは

Uber Eatsの新機能「ピック・パック・ペイ(PPP)」は、配達パートナーが店内での商品のピックアップから会計、配達までを一貫して行うサービスで、アメリカやオーストラリアなどに続き、日本でもイオン系の中型スーパー「まいばすけっと」の一部店舗で導入されます。

PPPでは商品の選択ミスや欠品時などの対応ができる機能を備えています。

  • Uber Eatsの配達員は、店舗でアプリの案内に沿って商品を探す
  • 商品を購入後、利用者へ届ける

利用者のメリットとして「さまざまな事情で外出できない人にとって、買い物の選択肢が増えること」、スーパーにとっては「スーパー側への負担が少なくなり」、Uber Eatsの配達員にとって「新たな報酬機会となる」など、今後の需要拡大が見込めるサービスになっています。

この流れは兼ねてより消費者の行動変化として、スーパーに消費者が出向いて商品を購入するというインバウンドの流れから、消費者のいるところに商品を届けるというアウトバウンドの流れを加速させるものだと思いました。

AIと生成芸術をテーマにしたRhizomatiksの個展「Rhizomatiks Beyond Perception」が始まる

写真:美術手帖

「Rhizomatiks Beyond Perception」展(KOTARO NUKAGA〈天王洲〉)レポート。生成AI時代、創造の本質とは何か

Rhizomatiksの個展「Rhizomatiks Beyond Perception」が始まり、アートとAIの融合が表現や作品のあり方にどのような新しい可能性をもたらすかという問題提起をしています。

完全なゼロから学習するAIモデルを開発して著作権侵害することなく、自社の作品の静止画17万枚をデータとして画像や映像を生成したということです。

  • 真鍋さんが10万枚のなかから5点を選んだ
  • 何が美しいか、何が人間として美術としての感性を揺さぶるか、AIに対して人間が介入
  • 人間が介入した先でAIによって新しい価値が生まれる
  • 学習の様子や生成の過程、モデルの構造などを可視化、リアルタイムで画像を生成
  • 画像を生成するためには50ステップが必要、1ステップに約1秒がかかり、1枚の画像が完成するには約1分がかかる
  • 映像は、ノイズの状態から始まり、徐々に画像が生成され、画像が完成されると、すぐ消えて次の新しい画像がまた現れる

生成AIで問題になっている著作権の課題を、自社の作品を学習データとして使用する点は新しい試みと言えます。またアート領域においてAIとどのように共創するのかは体験する価値があると感じました。

Amazon、今後10年間でデータセンターに1000億ドル以上を投資

Amazon, Built by Retail, Invests in Its AI Future

Amazonは、今後10年間でデータセンターに1000億ドル以上を投資するとしています。

  • 事業ドメインとしてクラウドコンピューティングと人工知能(AI)インフラを優先する
  • 将来の成長を牽引するAIの重要性と高コストを認識していることを反映

AWSは、Amazonにとって一貫して収益性の高い分野であり、AIは同社のクラウドコンピューティングサービスの需要をさらに高めると期待されています。次の数年間で216の新しいデータセンターを立ち上げるようです。

GAFAMの中でも生成AIにおいて遅れをとっている感のあるAmazonですが、自社の得意領域においてAi活用を加速させていく戦略のようです。

インディーズ映画スタジオのA24、評価額35億ドルに

Thrive Capital Invests in Indie Film Studio A24

アメリカのインディペンデント系映画スタジオA24が、Thrive Capitalが主導する大規模な投資ラウンドで資金調達をして、評価額が2022年から40%増の35億ドルとなったというニュースです。

資金調達の発表は2度目となるが、金額は明らかにされていません。

A24はニューヨークを拠点として、近年注目を浴びる映画スタジオです。2016年のアカデミー賞で「ルーム」で主演女優賞、「エクス・マキナ」で視覚効果賞、「エイミー」で長編ドキュメンタリー賞を受賞してブレイクしました。その後2017年「ムーンライト」はスタジオ初のオスカー作品賞を受賞。2023年のアカデミー賞では「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」が主要6部門を独占しています。

A24の映画は少し変わっていて、クールで、斬新な視点が織り込まれており、例えばLGBTQ、移民、フェミニズムといったテーマを扱い、斬新なビジュアルなどのアートワークを重視したプロモーションにより、若い世代にカルト的な支持者が多いのが特徴です

調達した資金を使って、A24は制作と配給の取り組みを拡大し、ライブシアター、消費者向け製品、音楽に投資する計画があるようです。

大量のコンテンツが溢れる中で、センスの良いクリエイティブで、大手スタジオとは異なる世界観でユニークな市場を創り出している姿勢は、クリエイティブに関わる企業やビジネスにとって注目すべき企業です。

トイザラスが生成AIを使ったCMを制作

Watch the story of a dream come true: The creation of Toys”R”Us and Geoffrey the Giraffe

Why Toys”R”Us used OpenAI’s Sora to create an AI-generated video

トイザらスは、OpenAIの「Sora」を使って、子どものときのトイザらスの創設者である Charles Lazarusと、昔ながらの自転車店を営む彼の父親を描いたAI生成動画を制作し公開しました。

公開後、この動画にポジティブな反応もネガティブな声も寄せられています。少年の顔が変化するなど、生成AIの一貫性の欠如などが認められ、視聴者によっては不気味さを感じる人もいるようです。

しかしトイザらスは、実店舗廃止後の未来を模索し続けており、「目標はブランドを最新化することだ」イザらスのグローバルCMO、Kim Miller Olko氏は述べています。

このような初期の生成AIのビジネス活用の事例が増えることにより、テストして、実践して、学ぶための良い材料となりAI業界が成長していくのだと思います。

Netflixの新しいカルチャーデック

Netflix Culture — The Best Work of Our Lives

Netflixの2009年のカルチャーデックは多くのスタートアップの文化づくりに影響を与えました。

2024年に公開された新たなカルチャーデックは初版のプレゼン形式よりもシンプルで、参考になるかもしれません。

ドリームチーム

 Netflix では、高いパフォーマンスを発揮する人材、つまり自分の仕事で優れた能力を発揮し、さらに協力して働くことでさらに優れた能力を発揮する人材だけを育成することを目指しています。

プロセスよりも人材

従業員が情報を持ち、自分で決定を下す自由があれば、より良い成果が得られます。当社は、このオープン性と自由を糧に活躍する、並外れて責任感のある人材を採用します。

不快なほどエキサイティング

世界を楽しませるには、大胆で野心的である必要があります。つまり、たとえ不快なときでも、次に何が起こるかというワクワク感を受け入れるということです。

素晴らしい、そして常により良いもの

私たちはよく、明日の Netflix と比べて、今の Netflix はひどいと言います。私たちには、何を改善すべきかを理解するための自己認識と、そこに到達するための規律と忍耐力が必要です。

Netflix Culture

最後にサン=テグジュペリの言葉がいつものように引用されています。

船を建造したいなら、木材を集めるために
人々を集めたり、仕事を分担したり、命令したりしてはいけません。

その代わりに、広大で果てしない海への憧れを子供たちに教えましょう

Saint-Exupéry「星の王子様」より

2024年第1四半期現在、約2億6000万世帯が加入しており、視聴者数は5億人以上(1世帯あたり約2人と仮定したとして)を超えるNetflix。

成長に伴い組織は変化し続けなければなりません。そしてより企業にとってカルチャーを社内にも社外にも伝えていくことが大事になっています。Netflixの一貫したカルチャーとそしてより変化するためにルールを簡素にして、より現場に権限委譲している姿勢はとても参考になりました。

https://www.slideshare.net/slideshow/embed_code/key/c1GG82gVngNzLB?startSlide=1

Duolingo はどのようにユーザーを定着させているのか?

The Only App That Always Wins the Battle for Your Attention

Duolingo は、ビジネスにおける究極の目標の1つである、「ユーザーの関心をキープし続ける」ことに成功しているアプリケーションです。WSJのベン・コーエンによると重要なポイントは「連続記録」「通知」だということです。

  • Duolingo の最長アクティブ ユーザー連続記録は、現在 4,100 日を超えている
  • 1 年間の連続記録を持っているユーザーが500 万人いる
  • 3,000 万人を超えるDAU(アクティブユーザー数)
  • 人間には連続記録を求める傾向があり、Duolingoはそれをモチベーションを高める戦術に変えた
  • 連続記録という動機があれば、人々はあらゆる種類の奇妙なことを喜んで行う
  • 1 日の残り時間が 1 時間になると、サイレンの絵文字で警告するなどして携帯電話にポップアップ表示
  • 人間は連続記録を伸ばすこと以上に、連続記録を失ないたくないという欲求がある、通知によりアラートを出す
  • Duolingo 徹底的に A/B テストを行っている。ほんの数語でも、リテンションとエンゲージメントがわずか改善を積み上げ大きな違いを作り出している
  • BirdbrainというAIモデルを開発し、学習内容がユーザーに最適な難易度になるように調整している

毎日3,000万人以上の人々が学習しているというDuolingo。

「学習とTikTokを比べるのは、ブロッコリーとデザートを比べるようなものだ」という例えの通り、SNSやモバイルゲームのような分かりやすく消費される娯楽とは異なり、人が意識的に「学ぶ」という時間を取るのは難しいものです。

「でもユーザーの多くがDuolingoに来るのは娯楽のためではなく、何かを学ぶため」。

学びたいという意欲を多くの人が潜在的には持っているんだなと思いました。そして人間の深層心理にある欲求や本能を理解し、ゲーミフィケーションにより行動意欲を持続させるなどの、本能的欲求を活用した新しい学習スタイルが今後も増えていくのだと思います。

※本記事では一部でClaude、ChatGPT、Midjourney、DALL-E3などの生成AIを活用して作成しています。

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