【2024年8月】TelegramのCEO、フランス当局によって身柄を拘束される/ウォーレン・バフェットがアップル株の約50%を売却etc…

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テクノロジーやマーケティング、トレンド、カルチャーなどのニュースを紹介する本シリーズ。2024年8月に社内で話題になったTOPICをダイジェストします。

Tumblr 、WordPress への移行を進める

Tumblr to move its half a billion blogs to WordPress

2019 年にWordPress.comの親会社Automatticに300 万ドルで買収されたTumblrがいよいよWordpressに移行するプロジェクトが始まるというニュースです。

  • Tumblr のバックエンドを WordPress に移行する予定
  • Tumblrは毎年3000万ドルの赤字
  • Automatticはこのプロジェクトを完了するのにどれくらいの時間がかかるのか、またロードマップも公開していない

プレスリリースによると「これはインターネット史上最大級の技術的移行の一つ」としています。

今回のようにアプリケーションを維持しながあらシステムのアーキテクトを変更することはとてもリスクが伴います。

  • Twitter がバックエンドと基盤となるアーキテクチャの一部を書き直しながら、サイトを初期の機能のまま維持
  • Slack も数年前にアプリのアーキテクチャを新しいコードに移行
  • Myspace がアーキテクチャをMicrosoft のスタックに移行した

Myspace がアーキテクチャをMicrosoft のスタックに移行したことは有名であり、これが Myspace の終焉の一因となった可能性があると言われています。

どのくらいの期間で移行されるか、このビッグプロジェクトの行方が気になりました。

TelegramのCEO、フランス当局によって身柄を拘束される

Telegram CEO’s Detention in France May Be Extended by 24 Hours
TelegramのCEOPavel Durov氏がフランス当局によって身柄を拘束されました。

  • Telegramが犯罪に利用されるのを防ぐ措置を怠った疑い
  • Telegramはデジタルサービス法(DSA)を含む欧州連合(EU)の法律を順守していると主張
  • Pavel Durov氏の逮捕を受け、Telegramと関連する暗号資産(仮想通貨)TONは一時23%下落

日本のWinny事件を想起させる、かなり政治的背景を持った一連のニュースです。Elon Muskなどが、政府の過度な検閲行為だとフランス当局に抗議の声を上げています。

Telegramはドバイに拠点を置き、2013年にロシア連邦最大のSNSであるVK(フコンタクテ)の創設者である、Pavel Durov、Nikolai Durovの兄弟により開発されました。Pavel Durov氏は2014年にVKのCEOから解任され、ロシアを去り、「帰国する計画はない」「現時点ではこの国はインターネットビジネスと両立しない」と述べたとされています。

ロシア通信監督庁は2018年4月、Telegramの使用を禁止。IPアドレスの遮断など封じ込めの取り組みに対して、Telegramは様々な技術的対抗手段を講じてロシア向けサービスを継続し、ロシア政府のネット検閲に抵抗する象徴的存在とみなされました。他の高いメッセンジャーアプリ以上に安全性が高いと主張しており、自社が開発したMTProtoというプロトコルを使用することでやりとりはAES-256で暗号化されていると主張しています。

政府などの検閲に対しても屈しない姿勢やセキュリティの高さから、web3やセキュリティを重視するコミュニティによりよく使用されています。「闇サイト」「闇バイトの求人」における連絡手段としても、Telegramの連絡先が記載されることが多く、本アプリが問題視されることも少なくありません。

プライバシーと検閲性の課題はインターネットの自由な思想と常に議題になる点
メディア上では「悪質なアプリ」というニュース報道があるのは完全に情報操作だと感じました。

Wikipedia「パーヴェル・ドゥーロフ」

SpaceX、スターライナー宇宙船にいるNASAの宇宙飛行士を帰還予定

SpaceX Crew Dragon capsule to return Boeing Starliner crew to Earth

  • NASAは2020年以降12回ほどの有人宇宙飛行ミッションを遂行してきたスペースX社のクルードラゴン宇宙船で宇宙飛行士を帰還させること検討している
  • スターライナーは以前にも、コーディングエラーなど、無数のソフトウェアの問題の症状であることが明らかになっていた
  • クルー9への再配置により、2人の復帰は早くても2025年2月となる。

連邦政府機関は2014年にスペースXのクルードラゴンとボーイングのスターライナーに同時に資金を提供しました。クルードラゴンはすでに4年間運用されているが、一方、スターライナー計画は予算を数億ドル超過し、スケジュールも何年も遅れています。

NASAは「過去にもミスを犯したことがある。情報を開示できる文化がなかったために、スペースシャトル2機を失った」と述べて、ボーイング社とNASAのリスクに対する認識の違いが鮮明です。スターライナー宇宙船が最終的に認証されるかどうかが今後の課題です。

バーラージー・スリニヴァサン、90日間の教育プログラム「Network School」を始める

Balaji Srinivasanはビットコインで得た資金でシンガポールにスクールを作っています。

  • 常に世界中で機会の平等を拡大したいと考えていた
  • 世界のほとんどの人にとって、大学は手頃でもアクセスしやすい場所でもない
  • 次世代を、企業のリーダーとしてだけでなく、地域社会のインスピレーションとなるように育成すること
  • 大学教育の既存のモデルは破綻している、4年間の学位取得に10万ドル以上を支払い、その後は生涯にわたって維持費を一切予算に入れません。これは、新車に10万ドル以上を支払い、維持費を一切予算に入れないようなもの
  • ネットワーク スクールは継続的な教育を目的として、学習を生活に取り入れたいリモートワーカー、エンジニア、クリエイター、デジタルノマドを対象
  • 暗号、AI、ソーシャルメディアから歴史、政治、映画製作まで、あらゆることに触れる
  • 西洋の価値観を称賛するが、同時にアジアが台頭しており、次の世界秩序はインターネット (中立的なコード) を中心に据えた方が適切だと考えている人たちのもの

Balaji SrinivasanはCounsylのCo-Founderであり、a16zの元GP、Coinbaseの元CTOです。2020年にはシンガポールに移住しており、シリコンバレーにおける影響力は絶大です。今後の彼のこのような活動がどのように広がるのか、新しい時代のイノベーターが生まれるのか、注目です。

Starbucksの低迷

Starbucks Has Lost Its Way (Again) And Founder Howard Schultz Knows Why

スターバックスの経営に暗雲が垂れこめています。創業者のHoward Schultzがコメントしていることが取り上げられていました。

  • 直近の2四半期で既存店の売上高と利益は減少している
  • Starbucksの店舗を訪れる人は4%減り、店舗でのオプションに支払う額は前年比で平均3%減少した

Howard Schultzは1987 年に12 軒ほどの小さな地域チェーンだったStarbucksを世界的な大企業に育て、2000年に引退しましたが、2008年のリーマンショック時の経済危機の際に、CEOとして再登板し、年間売上高を100億ドルから230億ドル近くにまで成長させ、2017年に2度目の引退しました。新型コロナのパンデミックに2022年にHoward Schultzは2度目の復帰、ところが2024年、取締役会が突然Howard Schultzを解雇し、2024年8月13日にChipotleの元CEOのBrian Niccolを起用を発表しており、ゴタゴタしています。

Starbucks names Brian Niccol as Chairman and Chief Executive Officer

Howard Schultzはポッドキャスト「Acquired」で行われたインタビューで、Starbucksの歴史を話しながら、同社が「凡庸な方へと」流れていると話し、「第一号店で顧客が互いに交流していることに気づいたときに、スターバックスに可能性を感じた……人と人とのつながりを中心に、人々がお互いに築いている関係を感じることができた……コーヒーがそれをつないでいた」と語っています。

Starbucksはコーヒーというよりサードプレイスとしての居場所としてのイノベーションでした。しかし今やモバイルオーダーやドライブスルーが増え、今やStarbucksではバリューセットも一部で販売しているようで、以前よりも場所の価値が薄れているのかもしれません。

The Fast-Food Fight Over the $5 Meal Deal

そして不況の今は、コーヒーは贅沢品となりつつあり、環境も顧客も変化しています。今後Starbucksがこの経営課題とどのように顧客を知ること、Howard Schultzが語るように数字で現れない消費者への理解の感覚を再び取り戻すことができるのか興味深く思いました。 

アメリカ司法省、Googleの分割を検討

US Considers a Rare Antitrust Move: Breaking Up Google

Googleがインターネット検索・広告市場で反トラスト法(日本の独占禁止法に相当)に違反したとする判決を受け、アメリカ司法省がGoolgeの事業分割を含めたさまざまな是正措置を検討しているようです。

  • 司法省がGoogleの分割計画を推し進めた場合、最も売却の可能性が高いのはAndroid OSとChrome、Adwords
  • その他にもGoogleにより多くのデータを共有するよう強制することや、AI製品で不当な優位に立つことを防ぐ措置などを検討している
  • 1980年代にAT&Tが解体、2000年代にはMicrosoftの分割しようとして失敗した事例がある

Googleにとっては予断を許さない展開になりそうです。

Nike、オリンピックに過去最大の広告費投入

Nike eyes marketing moment at the Olympics, as industry execs sound off on the brand’s challenges

  • 2024年の1月-5月まで、オリンピックがはじまるよりも前に1億4300万ドル(約222億円)近くの資金を広告に出資した
  • Nikeは最近売上が低迷している状況において、消費者のあいだでの位置づけを改善しなければならないという圧力を受けている
  • 通期収益は2023年の512億ドル(約7兆9400億円)から今年は514億ドル(約7兆9700億円)と、わずか1%の増加に留まった
  • Nikeのデジタル売上高は停滞しており、D2C事業に急速かつ多額に投資しすぎたといわれており、経費削減のレイオフを実施した
  • NIkeは今年のオリンピックに出場する数百人のアスリートを後援している

スポーツマーケティングに参入するブランドが増え続けていること、同様なブランドとの競合、経済的な逆風により消費者の消費が減速していることなど、いくつかの要因がありそうです。Nikeは「巨大企業」になったために、商品のイノベーションが減速し、「負けないことを最優先するようになり、勝つための行動を行わなくなってしまった」とある経営幹部は語ったとされています。

選手自体がインフルエンサー化しており、あらゆるD2CブランドがNikeの牙城で競っているのが前回のオリンピックよりもより顕著になっている中で、Nikeのブランド力の起死回生を狙った今回のオリンピックのキャンペーン。

「Winning Isn’t For Everyone(勝利は万⼈のものではない)」

今回のキャンペーンは以前のNikeのアグレッシブさを感じる良いキャンペーンだと感じました。
勝つ者は限られており、一番強い思いを持ったものだけが勝つことができる、勝つことへの執念への賞賛した素晴らしいプロモーションだったと思います。

ウォーレン・バフェットがアップル株の約50%を売却

Warren Buffett’s Berkshire Hathaway halves stake in Apple

フィナンシャル・タイムズによると、バークシャーがアップル株約3億9000万株、つまり保有株の約半分を売却しました。今回のアップル株と他の株の売却により税引き後の実現利益は472億ドルとなり、大きな利益となりました。

  • 5月のバークシャー社の年次総会で「資本配分戦略を大きく変えるような劇的な出来事が起こらない限り、われわれはアップルを最大の投資先としていくだろう」と語っていた
  • アップル株の保有し始めた2016年以降、アップルの株は合計で約800%の利益を上げている
  • バークシャー社の収益は通常、バフェット氏の投資観についての洞察や、米国経済の動向の兆候を知るために精査される

バフェット氏の現金保有高は過去最高の2769億ドル(約40兆5700億円)に増加し、過去最大となったと言われています。今回のバフェット氏の動きは、投資から現金確保を優先した形になり、アメリカ経済の成長への懸念が表れています。

この小さな動きが世界の金融市場を動かしています。

8/5は東京市場で日経平均株価が歴史的な下落幅を記録し、アジアや欧州の主要株価指数も下げるなど世界的な株安で、リスク回避で売り注文が続いています。この状況を引き起こす一旦を担いながら、割安になった長期投資株を買いのチャンスとして備えるバフェットが、「オマハの賢人」と呼ばれることは実に上手い言い方であると思いました。

※本記事では一部でClaude、ChatGPT、Midjourney、DALL-E3などの生成AIを活用して作成しています。

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