テクノロジーやマーケティング、トレンド、カルチャーなどのニュースをMonthlyで紹介する本シリーズ。2024年11月に社内で話題になったTOPICをダイジェストします。Weeklyで更新を予定していきます。
- Z世代の変化する政治思想
- 2024年暗号通貨の現状レポートから見るweb3の現在地
- OpenAI、新しい人工知能エージェント「Operator 」を準備中
- Amazonの自動運転車「Zoox」がサンフランシスコでサービス展開
- ビットコインの時価総額が1兆6000億ドルを超え、新記録を樹立
- Y Combinator、次期バッチの有望領域を発表
- 「大変そう」だと思われている職種は、「報道を見て」「なんとなく」など”印象”によるものが多い
- グローバルコンテンツで日本のコンテンツが稼ぎ頭になっている
- ポッドキャストがトランプ氏を勝利に導いた!アメリカ大統領選から見る政治プロモーションの変化
- 「ナルト」や「僕のヒーローアカデミア」はNetflixやAmazon Prime Videoの収益貢献のトップランカー
- OpenAIへの企業支出がSalesforceやその他のエンタープライズアプリを脅かす
- YouTubeでクリエイターからブランドに配信リクエストを送れるようになった
- 【2024後半】デザイナー視点から見るwebデザインのトレンド
Z世代の変化する政治思想
Gen Z’s Changing Political Ideology
直近のアメリカ大統領選挙の結果を受けて、アメリカのZ世代の保守化が進んでいるということがレポートされていました。
- 大統領選挙でドナルド トランプが圧倒的な勝利を収め、若い有権者の支持が大幅に増加した
- 2024年10月現在、アメリカのが政治的穏健派と自認する29%は、米国の成人の平均31%とほぼ同じであり、2021年1月と比較して8%上昇している
- リベラルを自認するZ世代で成人の割合は41%から27%に減少、自称保守派の割合は16%から23%に増加
- Z世代のリベラル離れの要因はインターネットと経済、2021年1月から2024年10月の間に、経済問題を最大の懸念事項として挙げたZ世代の成人の割合は31%から42%に増加しており、アメリカの成人全体の割合よりも4パーセントポイント高い
- 大統領選挙でインフルエンサーは重要な役割を果たしたが、インフルエンサーを「かなり」または「ある程度」信頼していると答えたZ世代とミレニアル世代の割合が、2023年から2024年の間に5パーセント減少しており、悪影響を引き起こしている可能性がある
アメリカ大統領選挙において移民問題や中絶問題など課題は色々ありましたが、若者にとって最大の問題は経済だったということは興味深いです。
この傾向は日本でも同様に、「普通がいい」、「安定したい」という若者が多かったり、「昇進したくない」が8割と言われたり、出世欲がない若者の増加、少子高齢化などに現れているのではないかと感じました。これは必ずしも若者の責任ではなく、既得権益によりイノベーションが進まなかった日本の失われた30年が作り出した社会構造であり、その代償なのではないかと思いました。
2024年暗号通貨の現状レポートから見るweb3の現在地
State of Crypto Report 2024: New data on swing states, stablecoins, AI, builder energy, and more
Andreessen Horowitz (アンドリーセン・ホロウィッツ、a16z)が発表した2024年暗号通貨の現状をレポートしていました。
7つの重要なポイント
- 暗号通貨の活動と利用が過去最高を記録
- 仮想通貨は米国選挙を前に重要な政治問題となっている
- ステーブルコインは製品市場に適合している
- インフラの改善により容量が増加し、取引コストが大幅に削減されました
- DeFiは依然として人気があり、成長を続けている
- 暗号はAIの最も差し迫った課題のいくつかを解決する可能性がある
- よりスケーラブルなインフラストラクチャにより、新しいオンチェーンアプリケーションが実現しました
1.暗号通貨の活動と利用が過去最高を記録
- 2024年9月には、2億2000万のアドレスが少なくとも1回はブロックチェーンとやり取りしており、この数字は2023年末から3倍以上に増加
- 主にSolanaのアクティビティが増加しており 、約 1 億のアクティブ アドレスを占めています。これに続いて、NEAR (3,100 万のアクティブ アドレス)、Coinbase の人気 L2 ネットワーク Base (2,200 万)、Tron (1,400 万)、Bitcoin (1,100 万)となっている
- Ethereumは依然としてビルダー全体の関心の20.8%を占め、最大のシェアを獲得しており、SolanaとBaseがそれに続く。その後には、Polygon(7.9%)、Optimism(6.7%)、Arbitrum(6.2%)、Avalanche(4.2%)、Bitcoin(4.2%)
- 世界中の月間アクティブ暗号通貨ユーザー数が3,000万~6,000万人であると推定。(2024年6月にCrypto.comが推定した世界の暗号通貨所有者数6億1,700万人のうち、わずか5~10%)
2.仮想通貨は米国選挙を前に重要な政治問題となっている
- BitcoinとEthereumの上場投資信託 (ETP) の上場により、仮想通貨を保有するアメリカ人の数は増える可能性がある
- BitcoinとEthereumの ETP を合わせると、すでに 650 億ドルのオンチェーン保有高になっている
3.ステーブルコインは製品市場に適合している
- スマートフォンの普及とブロックチェーンの暗号化によって可能になったドル建てステーブルコインの普及は、人類がこれまでに実施した金融エンパワーメントの最大の実験になる可能性
- Ethereumでは、人気のある米ドルペッグステーブルコインであるUSDCを含む取引のガス料金は、2021年の平均12ドルから今月は平均1ドルに下がった。CoinbaseのL2ネットワークBaseでUSDCを送信するには、平均1セント未満
4.インフラの改善により容量が増加し、取引コストが大幅に削減されました
- ブロックチェーンは 4 年前と比べて 1 秒あたり 50 倍以上のトランザクションを処理できるようになった
5.DeFiは依然として人気があり、成長を続けている
- 分散型金融 (DeFi) は、1 日のアクティブ アドレスの 34% を占め、最も多くの暗号通貨使用量を占める。2020 年夏の DeFi の登場以来、分散型取引所 (DEX) は、スポット暗号通貨取引活動の 10% を占めるようになった
6.暗号はAIの最も差し迫った課題のいくつかを解決する可能性がある
- chatgpt.com の訪問者とトップの暗号通貨 Web サイトの訪問者の間に大きな重複がある
- Builder Energy ダッシュボードによると、仮想通貨プロジェクトの約 3 分の 1 (34%) が、構築しているカテゴリに関係なく AI を使用していると回答。1 年前の 27% から増加している
- 応用 AI 技術の最も人気のあるカテゴリは、ブロックチェーン インフラストラクチャ プロジェクト。
7.よりスケーラブルなインフラストラクチャにより、新しいオンチェーンアプリケーションが実現しました
- 2024年には暗号プロジェクトの10.3%がソーシャル関連になると予測
- 米国では違法であるにもかかわらず、仮想通貨ベースの予測市場が注目を集めており、予測市場全般に勢いが増している
BitcoinとEthereumの ETP の突然の承認と上場、および重要な超党派の暗号通貨法案の可決など、政策上の画期的な出来事が2024年のハイライトです。仮想通貨は業界としてそして技術としても、この 1 年間で議論の余地のない進歩を遂げてきました。
「ChatGPT が証明したように、業界全体を変革するには、たった 1 つの画期的な製品で十分」と締めくくられており、アプリケーションレイヤーでどんなイノベーションが今後起こるのかは注視が必要です。
個人としてはAIとブロックチェーンはより一体となった技術になっていく、という未来の見通しが期待できるレポートでした。
OpenAI、新しい人工知能エージェント「Operator 」を準備中
OpenAI Nears Launch of AI Agent Tool to Automate Tasks for Users
OpenAIは、コードネーム 「Operator」と呼ばれる新しい人工知能エージェントを発表する準備を進めているようです。計画されているリリースは、エージェント、または最小限の監視でユーザーのためにマルチステップタスクを完了することができるAIソフトウェアに向けた、より広範な業界のプッシュの一部です。
- Anthropicも、ユーザーのコンピューター上で起こっていることをリアルタイムで処理し、ユーザーの代わりに行動を起こすことができるエージェントを発表していた
- Microsoftも、最近、電子メールの送信や、メールに記載された内容を読み取るためのエージェント・ツールのセットを発表
- OpenAIはエージェント関連の研究プロジェクトに取り組んでおり、リリースされるものはウェブブラウザでタスクを実行する汎用ツールになるだろうということ
- OpenAIのSam Altmanは、RedditのAsk Me Anythingセッションで、エージェントへの移行を示唆して「次の大きなブレークスルーのように感じられるのはエージェントだと思う」と述べいている
生成AIの開発競争は激化し、チャットベースからよりAIエージェントによる実行フェーズへと今後新しい段階に入っていくことがわかります。
Amazonの自動運転車「Zoox」がサンフランシスコでサービス展開
The Zoox robotaxi rolls into SanFrancisco
2017年から試験運行していたAmazonの自動運転車「Zoox」が、サンフランシスコの路上でドライバーを乗せて走行するサービスを開始しました。
- ロボタクシーの初期テストはサンフランシスコのSoMa地区という特定のエリアで実施される
- 2025年にはラスベガスで展開する予定
- 向けて大きな進歩を遂げています
2024年8月にはWaymoが同じサンフランシスコにて自動運転タクシーを開始しており、2025年には自動運転が標準化される地域が増えそうです。
ビットコインの時価総額が1兆6000億ドルを超え、新記録を樹立
https://coinmarketcap.com/academy/article/pro-crypto-wave-sends-bitcoin-soaring-past-dollar82k
Bitcoinは2024年11月11日にこれまでの記録を更新し、時価総額は現在1兆6000億ドルを超えています。2009年に数セントで取引が始まったこのコインにとって歴史的な瞬間となりました。
ドナルド・トランプがビットコインや仮想通貨に対して、ポジティブであり機関投資と新たな政治的楽観主義の波に乗った背景があります。
Y Combinator、次期バッチの有望領域を発表
https://www.ycombinator.com/rfs-build
Y Combinatorは11月に始まる次期バッチの特に有望だと考えている事業領域を発表しました。
- 政府の業務を自動化する AI ソフトウェアを構築
- 安全でいられる権利を保障するための、不審な活動や危機に瀕した人物を特定したり、人命を救い出したり、コミュニティと警察の連携を改善するツール、法執行機関がより効果的かつ公平に職務を遂行するための公安テクノロジー
- SpaceX や Tesla などのように、アメリカでの自動化された製造システム
- 企業を対象とし、ステーブルコインの保持と管理を支援するアイデアや、開発者が簡単に統合できるステーブルコイン2.0
- LLM を使用してチップ設計を改善
- Stripe などのプロバイダーやステーブルコインなどの新しいコアテクノロジーのインフラストラクチャ上に構築された新世代の金融テクノロジー
- 宇宙企業の成功率は他の企業と比べて低くはなく、むしろ高いかもしれない
- 計算コストが高いエンジニアツールにAI モデルを組み込みより速く、より優れた方法で設計および構築
- 人間が仕事を遂行する必要がある、100 万人の労働者を雇用するような事業
AI は歴史上どのテクノロジーよりも速いスピードで、スタートアップを立ち上げるビルダーの仕事の仕方を変えており、ビルダーにとって歴史上最高の時だと感じます。
全体的にAI をどのように事業に実装していくかというフェーズに入っていると思われます。
「大変そう」だと思われている職種は、「報道を見て」「なんとなく」など”印象”によるものが多い
「大変そうだと思われている職種」1位は?実経験よりも【印象】が大きく影響することが判明
求人情報サイトを運営する株式会社ウィルオブ・ワークが実施した職種に対するイメージ調査結果から、【大変そうだと思われている職種】の理由の多くはメディアからのイメージや先入観によることがわかりました。
調査結果から以下のようなインサイトが得られたということです。
- 「大変そう」だと思われている職種は、「報道を見て」「なんとなく」など”印象”によるものが多い
- 該当職種に従事している人が身近にいると、職種の「やりがい」について理解しやすい
- 「大変そうな仕事」と「日頃感謝したくなる仕事」には相関性がある
今回の調査を通じて、【大変そうだと思われている職種】ほど「応援、感謝したい」「社会の中で必要とされている」と感じているというのは興味深いと思いました。
株式会社ウィルオブ・ワークでは「#あなたの仕事にありがとう」と題して、上記を実現するためのプロジェクトを開始し、第一弾介護のお仕事に従事される方を取り上げたドキュメンタリー映像を公開することにより、実際に従事する方の姿を知ってもらうことで、その職種のイメージが変わるきっかけを提供したいと考えているということです。
大変そうな仕事が社会を支えている側面があります。先入観を持ちやすい時代の中でこれから職を探そうとしている人に対して、知られていないことを発信する重要性を感じました。
グローバルコンテンツで日本のコンテンツが稼ぎ頭になっている
Streaming’s Next Big Bet: Global Content That Speaks to Zoomers
グローバルコンテンツにおいて日本のアニメ と非英語コンテンツは、15 ~ 24 歳の視聴者の関心を引き付けています。
- NARUTO は米国のNetflixとHuluで最も人気の日本語シリーズであり、 僕のヒーローアカデミア はAmazonプライムビデオやNetflix、Hulu、Peacockで最も人気の日本語シリーズとなっている
- 第2四半期だけで、 NARUTO はNetflixとHuluのUCAN収益合計で2,100万ドル以上を貢献したと推定され、僕のヒーローアカデミアは はAmazonプライムビデオやNetflix、Hulu、Peacockで1,500万ドル近くの収益貢献を占めると言われる
- 日本のアニメ と非英語コンテンツは、まだイカゲームのようにアメリカの視聴者数の上限に達していないが、世界規模で若い消費者のブランドロイヤルティを築くのに重要になっている
- 2024年第1四半期のマンガ映画化作品の世界的普及率上位10市場は、日本、米国、中国、フランス、ブラジル、カナダ、ロシア、オランダ、英国、ドイツとなっている
- 日本の番組の視聴者の70%以上、韓国の番組の視聴者の60%以上は30歳未満の人々で構成されている
- Z世代の42%が毎週アニメを視聴している
ストリーミングサービスはより収益力を強めておりプラットフォームとして成熟期に入っていると思われます。その中で日本のアニメコンテンツが大きい収益源になっているというデータは興味深いです。
日本のコンテンツが世界で広まっていることに対する肯定感はあるものの、その収益の還元先として日本がイニシアチブを取れていないことは、かつての収益力だった製造業などが力を失っている日本において、新しい産業を作り出すという側面で重要な課題です。
ポッドキャストがトランプ氏を勝利に導いた!アメリカ大統領選から見る政治プロモーションの変化
多くのメディアが、Joe Roganのポッドキャストがトランプ氏を勝利に導いたと、伝えています。
「The Joe Rogan Experience」は米国で最も人気のあるポッドキャストのひとつであり、3時間にわたるポッドキャストでトランプ氏は自身の見解についてリスナーに語り続けました。YouTubeで4,700万回以上の再生回数を記録しており、このPodcastはより多くの未決定の有権者を動かしたと考えられ、今回の選挙の重要な転換点と言われています。
一方でハリス氏はCharli XCXを始め、多くのアーティストやハリウッド俳優からメンションされ、TikTok、YouTube Shortsなどのショートフォーム中心にSNSでは多く露出していたものの、現状のアメリカに不満を感じている市民たちを説得することはできなかったようです。ちなみにハリス氏にも、「The Joe Rogan Experience」への出演の打診があったようですが、断ったようです。
時間制限がなく十分に自分の考えを伝えられるポッドキャストは、プロモーションというより政策面ついてじっくりユーザーに伝えらることができる媒体です。アメリカではポッドキャストは従来のメディアよりも重要なポジションになってきていることがわかります。
この流れは政治コミュニケーションが変化している兆しである可能性があります。
アメリカ大統領選挙の報道において主なプラットフォームはYouTubeだった
- 選挙当日、選挙を中継するライブストリーミングの視聴時間はおよそ8,400万時間
- 選挙日のストリーミングの視聴者数はピーク時に 914 万人超え、一日の平均視聴者数は350 万人
- 主なプラットフォームはYouTube、選挙関連放送全体の総視聴時間の80%以上、2位はRumble(13.1%)、Twitch(4.7%)、Kick(1.6%)
2024年の米国大統領選挙をさまざまなプラットフォームでライブ放送を配信しましたが、その中で最も視聴された放送はYouTubeのFox News(ピーク視聴者数は114万人超)、2位はNBSニュース(61.6万人)と、トップの放送がすべて YouTube で行われていたということです。YouTubeはTV ネットワークがコンテンツをオンラインでストリーミングするための第一の選択肢になっていることがわかります。
批判的でも言及されることが重要
選挙運動中、トランプ氏はTwitchチャットでの言及数で一貫してハリス氏を上回っていたというデータは興味深いです。
- 共和党候補の言及数は70%だったのに対し、民主党候補はわずか30%だった
- 討論会中、トランプ氏はTwitchで74,300件以上のメッセージで言及されたが、ハリス氏は約33,300件にとどまった
- 選挙当日、トランプ氏の言及数は104,000件に跳ね上がり、ハリス氏の言及数は41,600件にまで上昇した
- トランプ氏は暗殺未遂事件後の7月の期間、Twitchチャットでのトランプ氏の言及数は1日で159,700件とピークに達した
注目すべきなのは、メッセージは候補者を支持するものでも批判的なものでもどちらでもよい、文脈よりもメンションされることが、人々が「誰を」選択するかにおいて重要だということです。
U.S. Election Results in Live-streaming — over 9 million Peak Viewers; new records for top streamers and platforms
アメリカ大統領選挙においてベッディングサイトのKalshiでは、ハリス氏の勝利に賭けた人は合計で2万8000人、トランプ氏の勝利に賭けた人は4万人だったということです。従来の世論調査よりも、予測市場の方が民意を反映していた、ということも興味深いことだと思いました。
Thousands of election gamblers anticipate betting jackpot after Trump win
アメリカは議会代表を10 年ごとに再配分するが、次期アメリカ選挙の2030年には、共和党寄りの州の選挙人が増え、民主党寄りの場所が減ることが想定されています。
2030 Apportionment Forecast – 2023
- 米国東海岸の投票が締め切られてから24時間で、「カナダへの移住」に関するグーグル検索は1,270%急増
- ニュージーランドへの移住に関する同様の検索は2,000%近く上昇し、オーストラリアへの移住は820%急増。
- グーグルの関係者によると、米国東海岸では水曜日の夜遅く、移住に関するグーグル検索が3カ国すべてで過去最高を記録
- ニュージーランド移民局のウェブサイトには11月7日には約2万5000人の米国人新規ユーザーを記録した
After Trump’s win, many despondent Americans research moving abroad
アメリカがまた新しいフェーズに入ったと思います。第一期政権においてトランプ氏の公約実行率はテスラ株やビットコインの価値が上昇するなど、経済関連での規制緩和が進むことやテクノロジーへの投資の加速が見込まれており期待されています。
一方で移民者の追放、堕胎規制などのアメリカ国内の問題だけではなく、日本にとっては関税引き上げによる影響、中国や中東、ウクライナとロシア、NATOとの関係など、世界がトランプ氏の「アメリカ第一主義」により、どれだけ影響があるのかは注視する必要があります。
「ナルト」や「僕のヒーローアカデミア」はNetflixやAmazon Prime Videoの収益貢献のトップランカー
Streaming’s Next Big Bet: Global Content That Speaks to Zoomers
NetflixやAmazon Primeなど、ストリーミングサービスはより収益力を強めておりプラットフォームとして成熟期に入っていると思われます。その中で日本のアニメコンテンツが大きい収益源になっているというデータが興味深かかったです。日本のアニメと非英語コンテンツは、15〜24歳の視聴者の関心を引き付けているということです。
- 「NARUTO」は米国のNetflixとHuluで最も人気の日本語シリーズであり、 「僕のヒーローアカデミア」はAmazon Prime VideoやNetflix、Hulu、Peacockで最も人気の日本語シリーズとなっている
第2四半期だけで、 NARUTO はNetflixとHuluのUCAN収益合計で2,100万ドル以上を貢献したと推定され、僕のヒーローアカデミアは はAmazonプライムビデオやNetflix、Hulu、Peacockで1,500万ドル近くの収益貢献を占めると言われる - 日本のアニメ と非英語コンテンツは、まだイカゲームのようにアメリカの視聴者数の上限に達していないが、世界規模で若い消費者のブランドロイヤルティを築くのに重要になっている
- 2024年第1四半期のマンガ映画化作品の世界的普及率上位10市場は、日本、米国、中国、フランス、ブラジル、カナダ、ロシア、オランダ、英国、ドイツとなっている
- 日本の番組の視聴者の70%以上、韓国の番組の視聴者の60%以上は30歳未満の人々で構成されている
- Z世代の42%が毎週アニメを視聴している
日本のコンテンツが世界で広まっていることに対する肯定感はあるものの、その収益の還元先として日本がイニシアチブを取れていないことは課題だと感じました。
製造業が力を失っている日本において、コンテンツは強力な収益力につながる産業になり得るものです。一方でイノベーションが加速しない日本においてこのIPコンテンツ(知的財産)をどのように国内の強力な産業にしていくかは、国家レベルで早急にアクションすべき重要な課題だと感じました。
OpenAIへの企業支出がSalesforceやその他のエンタープライズアプリを脅かす
Corporate Spending on OpenAI Threatens Salesforce, Other Enterprise Apps
企業がチャットボットやその他の会話型AIに費やすお金が増えるにつれて、高価なエンタープライズアプリケーションやAI以外のクラウドサービスなどのソフトウェアへの支出を減らそうとしている、というニュースです。
これはクラウドサービスやエンタープライズソフトウェアのアプリケーションレイヤーのプロバイダーにとって、特にエンタープライズで事業成長してきたIT企業にとって脅威になりえます。
AIによる上昇の余地を制限する可能性があります。ミネソタ州ブルーミントンに拠点を置き、暖房および冷房システムを管理するソフトウェアを年間10億ドル以上販売している
C1は暖房および冷房システムを管理するソフトウェアを年間10億ドル以上販売していると言いますが、過去1年間に構築した数百の法人顧客からの問い合わせを処理する顧客サービスチャットボットを含め、会話型AIに会社のIT予算の5%から8%を割り当てていたり、独自の顧客関係管理ソフトウェアも開発しており、両方の製品に年間2,400万ドル以上を費やしていると言います。
Saasのような画一的な規格ではなく、企業のビジネスにより最適化されたソフトウェアをAIネイティブに開発する企業が増えていく可能性が高く、実際にそのような動きが増えてきそうです。
YouTubeでクリエイターからブランドに配信リクエストを送れるようになった
Product Linking: Link YouTube channels or videos and Google Ads accounts
YouTubeでは定期的に動画機能のアップデートをリリースしていますが、今回はクリエイターが動画でより収益化しやすい機能をリリースしました。
今まではクリエイターがブランドの商品についての動画を出した場合、ブランドからクリエイターに声がけをして動画を利用をオファーするプロセスだったのが、YouTube上でクリエイターが広告主にリクエストを送れるようになったことにより、よりアクティブにクリエイターとブランドが動画コンテンツを拡散することが可能になりました。
よりクリエイターエコノミーを加速させる取り組みだなと感じました。
【2024後半】デザイナー視点から見るwebデザインのトレンド
社内で最近のWebデザインのトレンドを振り返りました。やはり特徴的なのはグリッドレイアウトを強調したデザインやラインを可視化してセクションをくっきり見せるデザイン、大胆なフォントと動きを組みわせたデザインがトレンドになっていると思いました。
- 主にターゲットユーザーが若め(10代〜20代、30代前半)のサイトで多用される
- 動きなどを組み合わせることにより没入感や世界観の表現が重要になっている
- あしらいてきな情報量は増やしつつ、それにテキスト情報が埋もれないよう、フォントも大きくしたり太くする傾向にある
- 既成概念にとらわれないカラーリングやフォントにより多様性を表現したり、80-90年代をオマージュしたようなデザインでエイジレス、ジェンダーレスを感じられるようにするトレンドがある
これらのトレンドは企業やブランドの方向性により参考になるとは限りませんが、特に若い世代に対してWebでブランドを体感できるようにすることは、より重要になってきていると感じました。
コロナ禍を経て、ツールなどの普及もあり、全体的にデザインのクオリティが上がり、総じてデザインリテラシーも上がってきているので、ただデザインしたサイトだけではユーザーに体感として記憶されづらくなっています。ユーザーに企業やブランドを体感してもらうためのフックとして「動き、フォント、色」のトレンドを取り入れてくことはブランド認知向上につながります。
トレンドを感じるサイトのいくつかをご紹介します。
PARTZ(パーツ) | ヒカリナが運営するビジネスイラストポータルサイト
FREERUN JOURNAL |くるーず薬局の採用ウェブメディア
ワンダー WANDER|ありそうでない、がある。全国の不動産情報メディア
YETI STANDING(イエティスタンディング)| 札幌市手稲区のコーヒースタンド
※本記事では一部でClaude、ChatGPT、Midjourney、DALL-E3などの生成AIを活用して作成しています。