15分で読めるけれど一生あなたの心に残る本
このキャッチフレーズに惹かれ、ついつい手にとってしまった本。
ジョージ・ソーンダーズ著の「人生で大切なたったひとつのこと」という本です。
ジョージ・ソーンダーズとはアメリカの作家で、これは2013年、アメリカのシラキュース大学の卒業式でジョージ・ソーンダーズが卒業生に向けて語った8分間のスピーチ内容です。
このスピーチから3ヶ月後、全文がニューヨークタイムズのWebサイトに掲載されると、たちまち大きな評判を呼び、書籍化となりました。
わたしが人生でもっとも後悔しているのは、「やさしさがたりなかった」ということです。
彼はスピーチの冒頭、人生の中でもっとも後悔しているのは「やさしさがたりなかったこと」と語り始めます。
この本はやさしさで溢れています。
人がやさしくなるためにはどうすればいいのか、簡単そうに見えて実践するのは難しい。
そもそもなぜ人にやさしくできないのか?
「やさしさ」が人生を変えるための重要な一歩であることが綴られています。
ここからは私が心に響いた言葉を紹介していこうと思います。
ほかのひとが必要とすることより、自分たちが必要とすることを優先させてしまいがちです。
誰もが皆、人にやさしくありたい、やさしい人間でありたい、そう思われたいと願っているはずです。
願っているけどそうなるにはとても難しい。
なぜなら、人は基本的に自分中心に物事を考えてしまうからです。
人より幸せでありたい、人よりお金持ちでありたい、人より良いものを持っていたい、人より良い暮らしがしたい。
欲がない人なんていないと思います。
自分が必要とすることを優先させてしまうから、人へのやさしさが後回しになってしまうのです。
私たちは年とともに、自然に、多少なりとも「やさしいひと」になっていきます。ひとを愛するようになると、自分中心の生き方を方向転換させられます。
年とともに自然とやさしいひとになっていく
面白いなあと思いました。
私の周りにいる人の中で、一番やさしいひとはおばあちゃんとおじいちゃんだと思います。
いつでも私の味方でいてくれ、私に一番やさしくしてくれた人です。
おばあちゃんとおじいちゃんは私よりも何十年という長い人生の中で、たくさんの人を愛してきました。
おばあちゃんとおじいちゃんが恋に落ち、私の両親が生まれ、親になったら子どものためなら自分に何があっても構わないと考える。そのうち孫の私が生まれ、愛するものが増えていく。
年をとるにつれて自分より大切な愛するものが増え、「自分」が小さくなり「愛情」が増えていきます。
多くの人を愛した分、その愛情が自然と人をやさしい人に変えていくのではないでしょうか?
あなたの人生の中で、いちばんに温かい気持ちで、もっとも好ましいひととして覚えているのはだれですか?あなたに対してだれよりもやさしかったひとでしょう、きっと。
やさしい人になるには、たくさんの人を愛することだとこの本を読んで感じました。
誰かが人生の終わりを迎える時、一番温かい記憶として覚えているのが自分であったらそれはとても幸せなことだと思います。
そしてその人はきっと、自分が一番に愛情を注いで一番にやさしくなれた人なのでしょう。
これはまさに薄くて重い本。
あなたのこれからの長い人生、「もっともやさしいひとになること」を、人生の目標のひとつにしてみてはどうでしょう?