Instagramをweb3化した時のユーザーメリットを考察してみた

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InstagramをWeb3化構想について

まず、仮想Instagram.web3を説明するにあたって、注意点を説明していきます。

完全に空想や想像の世界なので、資金やキャッシュフロー、エコシステムなどのビジネス面を考慮していません。

また、仕組みの構造化するための技術に対しての問題点も「棚に上げて」話していますので、ご了承ください。

こんなのがあれば、面白いんじゃないかという視点で読んでいただければ幸いです。

InstagramをWeb3にする理由

今回Instagramを仮想Web3.0化にしようと思った理由としては、今年の5月のMeta社のCEO マーク・ザッカーバーグ氏とInstagramのCEO アダム・モッセリ氏がInstagramにNFTの実施テストを行ったことからです。

ザッカーバーグのweb3への一手、インスタグラムがNFTのテスト実施。一部ユーザーはストーリーズで閲覧可能に(Yahoo!Japanニュース)

近い将来、InstagramがWeb3の世界に参入する可能性は高いと思われます。

そこでいち早く、InstagramをWeb3化を想像し構想してみました。

Instagram主な機能

写真・動画投稿

リール動画(全体に検索される)

ストーリー(24時間限定でフォロワーのみに表示)

DM

LIVE配信

Web3の特徴

分散型管理

ユーザー自身がデータを管理

仲介組織の排除

データのNFT化

データに価値を付属し資産にできる

仮想InstagramのWeb3構想

まず、InstagramをWeb3.0化するにあたって、ユーザーが使用することでどのようなメリットがあるのかについて考えました。

今までInstagramで写真や動画を上げていても、その画像や動画などには価値はなく、フォロワーを増やしたり、自身の商品のPRなどのマーケティングの一貫で使用している人が多かったと思います。

Web3.0では、データに価値をもたらす事ができますので、写真や動画に価値を付加するモデルによってユーザーメリットを高めていく構想にします。

コンプライアンスの分散型での管理

Web2では、プラットフォーマーが独自の判断で、ユーザーのアカウントや投稿を削除する権限を持っていました。どんなに他のユーザーが求めている投稿であっても、プラットフォーマーの一存で全て削除されるような仕組みです。

Web3ではそのような集中管理ではなく、ユーザーそれぞれが管理者になるような仕組みとします。

Web3のInstagramでは「ガバナンストークン」という暗号資産を発行します。

ガバナンストークンを保有しているユーザーは以下の役割を得ることができます。

・運営に提案できる

・運営の方針に対しての賛否を投票できる

・ユーザーの投稿やアカウントに対して削除をするか投稿し決定できる

運営に提案できる

運営に対して、新しい企画や機能をガバナンストークン保有者にオープンな状況で提案することができます。

このような機能が他のSNSであったので、機能追加してほしいなどの提案が可能です。

運営の方針に対しての賛否を投票できる

運営がInstagramの大きな方針や機能変更に対してアンケートを実施するので、それに対して投票することができます。

投票数に対して過半数が賛成した場合、その機能が追加されたり、投票数が一番多い提案が採用されたりという仕組みになります。

ユーザーの投稿やアカウントに対して削除をするか投稿し決定できる

ユーザーの投稿やアカウントに不快な思いや不適切な内容が含まれている場合、削除対象として他のガバナンストークン保有者に報告することができます。

報告された投稿またはアカウントはリスト化され、ガバナンストークン保有者は削除したい投稿またはアカウントに投票します。一定数の投票が集まれば削除することが可能です。

投稿した写真・動画を自動でNFT化

投稿した写真や動画にブロックチェーン上で固有のIDを作成し、NFTにできるような機能にします。

一度投稿した写真や動画と同じ写真や動画を再度投稿した場合でも別のIDが割り振られて全く別のNFTになります。

この機能により、誰でも簡単にNFTが作成でき、唯一無二の写真をデジタル上で所有することができます。

写真・動画NFTで稼ぐ(Like to Earn)

NFT化された写真や動画に「いいね」された数だけトークン(例:Instagramトークン)がAirdropされます。投稿方法(通常投稿やストーリーなど)によって獲得できるトークンの割合が変化します。

写真・動画NFTの自動価値評価システム

NFT化された写真や動画の価値を自動的に評価するシステムです。エンゲージメント数によって価値が変わってきます。例えば「いいね」をされた数だけ販売できる価格が高くなったりするシステムです。

これにより、初参入者が自身のNFTの価値を考えることなく販売することができます。一方で、自由に価格設定できないので将来的に価値が高くなろうという作品でも認知されていなければ、安い価格でしか販売することができなくなってしまいます。

また本来マニアックなNFTは、需要が高くなくても高値で売買が成立することがあるが、このシステムを使用した場合、マニアックなNFTの価値は価値が上がりづらいと考えられます。

NFTマーケットプレイス

NFT化された写真や動画を売買することができます。

写真or動画や「いいね数」などで検索でき、自分の探している画像などを簡単に検索できるようになります。

ランキングシステムやカテゴリー分けも可能にします。

NFTの種類

NFTの種類は大きく3種類に分けられます。

  1. 写真 or 画像NFT
  2. 動画NFT
  3. ストーリーNFT

1.写真 or 画像NFT

写真や画像などの通常投稿時に作成されるNFTです。

Like to Earnに関しても基本ベースとなるNFTになります。

誰もが簡単に投稿し、NFT化することのできるものになっています。

2.動画NFT

動画を通常投稿時に作成されるNFTです。

画像と違い、動画は視聴時間が長くなると想定されるので、Like to Earnは通常の1.2倍になるが「自動価値評価システム」では0.8倍になります。Like to Earnで稼ぐのには適しているが、販売には適していません。

3.ストーリーNFT

投稿された写真や動画が24時間限定でフォロワー限定で表示されるNFTです。

見られる範囲が狭く、閲覧時間も限定されているので「Like to Earn」と「自動価値評価システム」は通常の1.5〜2倍になります。

どのNFTシステムを活用し、自身で価値を提供していくのかは戦略次第になります。

企業(Instagram運営会社)の収益予想

Web3.0のInstagramのマネタイズは大きく2つあります。

それは広告収入と取引手数料です。

広告収入

Instagramを運営するメタ社の2022年第1四半期決算で発表した広告売上高は「269億9,800万ドル」でした。(AdverTimesから引用)

その中からInstagramの広告収入は低く見積もっても10%だと仮定し、「26億9,980万ドル」とします。

つまりInstagramだけの広告収入で、26億9,980万ドルがあると想定されます。

しかし、より現実的にするためにInstagramの1年目の広告売上高を予想してみます。

まず1人当たりの広告売上高を計算してみましょう。

2018年ではInstagramのユーザー数が10億人を超えていたということで、今回は10億人というデータを使用します。

売上高(26億9,980万ドル) ÷ ユーザー数(10億人) = 2.70ドル/人

となりました。

Instagramは2010年10月にリリースされ、翌年の9月には約1,000万人以上のユーザーを獲得していました。

単純計算として

2.70ドル/人 × 1,000万人 = 2,700万ドル

となりますので、2,700万ドル以上の売上高を叩き出していることになります。

立ち上げ時ですので、広告主などが少なかった可能性はありますが、1年でこの数字を叩き出すポテンシャルはあるということです。

Web3にすることによって、Web3.0企業からの広告依頼が増えるのでさらなる売上増加が期待されます。

取引手数料

次にマーケットプレイスでの取引手数料です。

こちらはユーザー同士がマーケットプレイスで売買を行った時に発生する取引手数料です。

ではどれだけの取引手数料を獲得できるかというと、有名なAxie InfinityとOpenSeaの2つで想定してみます。

Axie Infinity

まずAxie Infinityの収益モデルを参考に収益を計算しました。(CRYPTO SLAM調べ)

Axie Infinityで取引する際にかかる手数料は「4.25%」です。

リリース時から最も売上が高かった時期を比較してみます。

まずリリース時の2018年3月〜2019年3月までのデータを参考に売上高を計算します。

年間売上高 24,298ドル

月間平均売上高 828ドル

年間総取引高 $571,729
月間平均取引高 $19,472
Axie Infinity売上(手数料4.25%)
年間総売上 $24,298
月間平均売上 $828
Axie Infinity月間取引高 2018/3〜2019/3
日付 取引高
2018/3 $16,274
2018/4 $37,826
2018/5 $48,585
2018/6 $26,872
2018/7 $17,708
2018/8 $43,970
2018/9 $56,978
2018/10 $65,921
2018/11 $46,352
2018/12 $24,653
2019/1 $32,231
2019/2 $25,729
2019/3 $128,630

続いて、Axie Infinityが最も売り上げた2021年2月〜2022年2月までをみていきましょう。

年間売上高 170,250,294ドル

月間平均売上高 11,721,805ドル

年間総取引高 $4,005,886,921
月間平均取引高 $275,807,188
Axie Infinity売上(手数料4.25%)
年間総売上 $170,250,194
月間平均売上 $11,721,805
Axie Infinity月間取引高 2021/2〜2022/2
日付 取引高
2021/2 $1,661,326
2021/3 $5,600,457
2021/4 $4,774,363
2021/5 $27,712,127
2021/6 $122,233,238
2021/7 $666,909,764
2021/8 $848,183,429
2021/9 $518,458,025
2021/10 $545,934,208
2021/11 $753,987,033
2021/12 $301,372,336
2022/1 $126,493,822
2022/2 $82,566,793

上記の期間の対比表はこちらになります。

(2018/3~2019/3)と(2021/2~2022/2)の比較表
2018/3~2019/3 2021/2~2022/2 差額 上昇率(%)
年間総取引高 $571,729 $4,005,886,921 $4,005,315,192 700,662
月間平均取引高 $19,472 $275,807,188 $275,787,715 1,416,405
年間総売上 $24,298 $170,250,194 $170,225,896 700,662
月間平均売上 $828 $11,721,805 $11,720,978 1,416,405

約3年間で年間売上高が「700,662%」上昇していることがわかります。

OpenSea

次にOpesSeaでの収益モデルを参考に計算しました。

こちらのサイトに取引高が記載していましたので、抜粋し計算しています。

▼Dune

https://dune.com/rchen8/opensea

こちらのサイトの一番古い1年間のデータと直近1年間のデータを比較しながら解説していきたいと思います。

まず古い1年間のデータの日付は2018年6月〜2019年6月となっています。

OpenSeaのリリースが2017年12月ですので、リリースから約6ヶ月経過したデータを参考にしています。

年間売上高 89,419ドル

月間平均売上高 5,642ドル

年間総取引高 $3,576,755
月間平均取引高 $225,694
OpenSea売上(手数料2.5%)
年間総売上 $89,419
月間平均売上 $5,642
OpenSea月間取引高(Ethereum) 2018/6〜2019/6
日付 取引高
2018/6 $52
2018/7 $5,418
2018/8 $203,981
2018/9 $41,855
2018/10 $47,121
2018/11 $68,219
2018/12 $106,208
2019/1 $261,214
2019/2 $331,730
2019/3 $649,319
2019/4 $679,321
2019/5 $698,144
2019/6 $484,173

続いて直近1年間のデータの日付は2021年6月〜2022年6月までのデータです。

NFTがブームになった時代なので、かなり売上がアップしています。

年間売上高 790,239,104ドル

月間平均売上高 24,572,161ドル

年間総取引高 $31,609,564,146
月間平均取引高 $982,886,432
OpenSea売上(手数料2.5%)
年間総売上 $790,239,104
月間平均売上 $24,572,161
OpenSea月間取引高(Ethereum) 2021/6〜2022/6
日付 取引高
2021/6 $150,308,148
2021/7 $328,964,751
2021/8 $3,421,850,687
2021/9 $2,991,073,935
2021/10 $2,548,526,282
2021/11 $2,162,564,606
2021/12 $2,559,484,013
2022/1 $4,857,435,382
2022/2 $3,326,430,045
2022/3 $2,483,354,859
2022/4 $3,487,751,260
2022/5 $2,596,399,753
2022/6 $695,420,425

上記の期間の対比表はこちらになります。

(2018/6~2019/6)と(2021/6~2022/6)の比較表
2018/6~2019/6 2021/6~2022/6 差額 上昇率(%)
年間総取引高 $3,576,755 $31,609,564,146 $31,605,987,391 883,750
月間平均取引高 $225,694 $982,886,432 $982,660,738 435,495
年間総売上 $89,419 $790,239,104 $790,149,685 883,750
月間平均売上 $5,642 $24,572,161 $24,566,518 435,495

リリース6ヶ月後の収益から直近1年間の収益では、年間の売上が883,750%上昇していることがわかります。

収益まとめ

広告収入とマーケットプレイスの手数料収入は期間設定やその時代の景気、ブームなどが少し違ってきますので、参考程度に考えてください。

1年目の収益のまとめ表がこちらになります。

広告収入 年間売上高 月間平均売上高
Instagram参考 $27,000,000 $2,250,000
手数料収入
Axie Infinity参考 $24,298 $828
OpenSea参考 $89,419 $5,642

ここ直近の収益はこちらになります。

広告収入 年間売上高 月間平均売上高
Instagram参考 $2,699,800,000 $224,983,333
手数料収入
Axie Infinity参考 $170,250,194 $11,721,805
OpenSea参考 $790,239,104 $24,572,161

一番Web3と関係のあるマーケットプレイスのみに絞って計算していきます。

それぞれのユーザー数は下記となります。

ユーザー数
Axie Infinity 230,000 MAU
OpenSea 200,000 MAU

※正確な情報が少ないためデータは参考値となります。

ここからそれぞれの客単価を計算します。

月間平均売上 ユーザー数(MAU) 客単価
Axie Infinity $11,721,805 230,000 $1.70
OpenSea $24,572,161 200,000 $122.86

客単価の平均値は

($1.70 + $122.86) / 2 = $62.28

となります。

つまりマーケットプレイスでの収益は一人当たり「$62.28」と考えられます。

予想されるユーザー収益

月収約5〜10万の収入があるようにします。それによりユーザーが活発に投稿し、アプリの使用頻度が増えることになります。

まず上記で計算した一人当たりの収益が$62.28で取引手数料が5%だった場合、一人当たりの取引高は約$1,245となります。

仮想Web3のInstagramが1万人のユーザーを囲った場合は、

1万人×$1,245 = $1,245万の取引高が生まれる計算になります。

そこから手数料として5%引かれると

$1,245万 × 95% = $1,183万となります。

この$1,183万をユーザーで分配されることになりますが

全てのユーザーが簡単に利益を得ることはできませんので、全ユーザーの30%が利益を出せるユーザーと仮定しましょう。

$1,183万 ÷ 3000人 = $3,944/人

となります。

たった1万人のユーザーがいるだけで、一人のクリエイターが$3,944稼げる仕組みとなります。

Web3化へのメリット

InstagramをWeb3.0化することによるメリットは以下になります。

・ユーザー自身が簡単にデジタルデータに価値を持たせることができる。

・Instagram内でマネタイズが可能になる。

・ブロックチェーンでの管理なのでハッキングリスクが低くなる

・投稿時期やIDの改ざんができないので盗作や著作権の問題を発見するのが容易になる。

などのメリットが挙げられます。

これからはデジタル上に個人で資産を保有する時代になります。

簡単に写真や動画などを投稿するだけで唯一無二であるNFTを作成できるのは大きなメリットではないでしょうか。

まとめ

最後までお読みいただきありがとうございました。

InstagramのWeb3.0化ということでさまざまなプロジェクトの仕組みを研究し構想しました。

現在実際にあるWeb3.0のソーシャルメディアは「Mirror.xyz」や「HiÐΞ」などがあります。特に「Mirror.xyz」は自身のコンテンツを表紙をつけてNFT化し販売することも可能なのです。

またマーケットプレイスの「COMSA」では、芸人の「音声ギャグ」が167万円で売買されると言うこともありました。このようにすでにどんどんデジタル上に価値が付加され、販売できるようになっています。

今回のInstagramのWeb3.0化は、まだ空想の世界の話ですが、いずれこのような機能や仕組みができるようになると思い、執筆させていただきました。

※本コンテンツは定期的にアップデートする予定です。

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