仕事観を変えた、秀逸コピーライティング|仲畑貴志さん

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こんにちは、ライター&コーディネーターの花輪です。

少し経歴の紹介をしますと、都内で不動産関連のコピーライターと雑誌編集を経験後、長野にUターンしクラウドットコワーキングの運営とライターを兼務しています。

長野ではコピーライターの業務はあまり行っていませんが、名作コピーには自分の仕事のベースとなっている考え方や言葉がつまっているので、皆さんにご紹介できればと思います。

コピーライター・仲畑貴志さん

今回は大御所コピーライター、仲畑貴志さんのお仕事からご紹介。

早速ですが、クイズです。

コピーライターになったつもりでお考えください。

少しお疲れの働く女性をメインターゲットとした、チョコラBBのCMなのですが、「世の中、○○が多くて疲れません?」の○○には何が入ると思いますか?

是非少し考えてから、下記の動画をご覧ください。

世の中、○○が多くて疲れません?【エーザイ チョコラBB】のコピー

勝手に講評:このコピーのココがすごい!

ポイント1)「バカ」と「お利口」、素晴らしい言葉選び

桃井かおりさんが口にした「バカ」という言葉に、びっくりされた方も多いのではないでしょうか。

実はこのCM、放送直後から「視聴者を馬鹿にするな」という批判が相次ぎ、「世の中、お利口が多くて疲れません?」に差し替えになったエピソードが有ります。

全く逆の意味ですが、皮肉にも同義語に聞こえる言葉選び、素晴らしいです。

ポイント2)「ジャンプ」と「着地」、プロの仕事

クレームをつける「お利口」さんたちに対してもスマートな対応をすることで、

さらに共感が増したようなCMですが、さらに伝説となっているエピソードが有ります。

「お利口」バージョンへの差し替え対応のスピードが早かった事から、元々クレームを想定して、「バカ」・「お利口」両方のパターンをあらかじめ撮っていたのではないか?というものです。

表現のジャンプはするけれど、着地点をしっかりつくっておく、プロの仕事と対応力というのはこういうことではないかと感じました。

ポイント3)“みんなに好かれようとして、みんなに嫌われる。”

上記は中畑さんの著書のタイトルなのですが、「みんなに好かれようとしないこと」の大切さをこのコピーから学びました。

クライアントに迎合したり、関係各所の調整をしていくと、あたりさわりない企画になったりするのですが、本来考えるべきは、“その商品をどう売っていくか?”ということ。

久しぶりにこの動画を見て、仕事に向き合う姿勢として、真摯さや遊び心は忘れてはいけないなあと思いました。

上記にも紹介しましたが、『みんなに好かれようとして、みんなに嫌われる。』は、広告業界以外の方が読んでも仕事のスタンスなど、心に響くものが有りますよ。

また、中畑さんの手がけた広告は本当にたくさんあるので気になる方は是非調べてみてください。

個人的にはパルコの広告が好きです。

「昨日は、何時間生きていましたか。」、「目的があるから、弾丸は速く飛ぶ」などなど。

みんなに好かれようとして、みんなに嫌われる。

この骨董が、アナタです。 (講談社文庫)

次回以降も違う方の「仕事観を変えた、秀逸コピーライティング」をご紹介できればと思います。

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