Worldcoinとは?AIが生み出した利益を分配するユニバーサル・ベーシックインカムは実現可能か?

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Worldcoinというプロジェクトについて知っていますか?

ChatGPTを開発するOpenAIのCEOであるSam Altmanのプロジェクトということもあり、現在注目されているプロジェクトで、その取り組みも面白かったのでインプットしてみたいと思いました。

私も元Y CombinatorのCEOがやっているプロジェクトぐらいにしか認識していませんでしたが、先日、EthGlobalTokyoにてかなり人を集めていたので、どんなプロジェクトなのかをインプットアウトプットできればと思います。

Worldcoinとは?

Sam Altman

WorldcoinはChatGPTの開発企業OpenAIのCEOでもあるSam Altmanと物理学者Alex Blaniaが2020年に設立した仮想通貨プロジェクトです。2021年に約33億円、2022年3月には約130億円の資金調達をしており、現在、評価額約3,900億円(30億ドル)で最大約158億円(1億2,000万ドル)を調達する計画だという情報が出ています。

WorldcoinはWorldcoinトークンを発行しており、Worldcoin曰く「唯一の個人であることを証明するだけで、人々にグローバルかつ無料で配布される最初のトークン」だということです。

トークンを受け取るためには、眼球のスキャンが必要なようで、銀色のメロンぐらいの大きさの「Orb」と呼ばれるデバイスで眼球の虹彩をスキャンして、虹彩の生体認証により生成されたWorld IDを、デジタルアイデンティティとして活用しようとしています。

虹彩の生体認証のセキュリティは安全か?

Worldcoinが個人データを保存することはなく、Orbでスキャンされた虹彩のデータは、すべて「IrisHash」と呼ばれるデジタルコードに変換されます。虹彩の画像自体はデータベースから削除され、Worldcoinで保持したり管理したりしないので、Sam Altmanによると「このシステムは安全」であるということです。

データ変換されたIrisHashはゼロ知識証明(ZKP)によりプライバシーを保護する形で個人を識別するデータとして使われるということだと個人的には理解しました。

虹彩がデジタルアイデンティティに有効な根拠

虹彩はデジタルアイデンティティとしてかなり優秀と言えます。

人間の虹彩は、遺伝子によって形成されるため、個々の人間に固有のパターンがあります。

一卵性双生児でさえも異なる虹彩パターンを持っています。また虹彩は生涯を通じてほとんど変化しないと言われており、長期間利用が可能です。

そして高速で非接触で認証結果を得られるという利点があり、なおかつ虹彩の複雑なパターンと独自の構造により、偽造が非常に困難ということです。

オンラインでのセキュリティとプライバシーを踏まえると、非常に有用な技術であると言えます。※1

Worldcoinが目指すユニバーサル・ベーシックインカム社会

Sam Altmanは以前に、「ユニバーサル・ベーシックインカム(UBI)の概念に触発されて、世界中の人々に仮想通貨を無料配布するプロジェクトとしてWorldcoinを構想した」と語っています。

仮想通貨技術が世界的に採用されると、社会にも経済にも多くのチャンスを生み出す可能性があるにもかかわらず、BitcoinやEthereumといった主要な仮想通貨の採用が、世界規模で展開されていないことを指摘して、Worldcoinは「公平な通貨」だとして、Worldcoinを地球上のすべての人に配布することで、金融サービスへのアクセスを向上させ、経済的な格差を減らすことが目標だということです。

AIが生み出した利益を分配するユニバーサル・ベーシックインカム

Sam Altmanは、将来において汎用人工知能(AGI)が生み出す利益を世界的なユニバーサル・ベーシックインカム(UBI)の資金にできると考えています。あらゆるものが自動化され、人間が今までしていた仕事をAGIやロボットが代替していく先には、多くの経済的な活動をAGIが行うと考えられます。

AIが生み出した利益を世界で分配するために、地球上のすべての人を認証し、AGIの利益に基づくユニバーサル・ベーシックインカムを与える目的でWorldcoinを配布しようとしているのです。

そのような未来について、「危険な考え方だ」とか「AIのイデオロギーの典型である」と非難をする人たちも多いようですが、個人的には全くあり得ない世界ではないと思いました。

生きるために働く人類を救えるか?

OpenAIでAGIの進化を目の当たりにしているはずのSam Altmanの思考を辿ってみると、Worldcoinが目指す「公平な通貨」の必要性が分かってきます。

ある調査によると、2021年の時点で世界人口の3.9%に当たる3億人が仮想通貨を保有しているということです。リテラシーの問題もありますが、仮想通貨の可能性を考えるとこの普及状況は、公平な金融ネットワークとしてワークしていないと言えます。

一方で、AGIがの夜明けが始まった今、近い将来には既存の仕事が排除され、あらゆる生産がAGIによって行われ、あらゆるモノやサービスのコストが下がります。そしてAGIが新たな富を生み出すようになると、多くの人々の労働する意味が失われていきます。

そうするときに起こり得る「所得」と「セーフティーネット」のバランスに対するリスクを考えると、生活するうえで十分な金額を無条件で支給するベーシックインカムは、今の安定した経済システムを維持するために絶対的に必要ということになります。

生きるために人生の大半を働く時間に費やす人類。有限な人生を誰もが快適に過ごす真の「機会均等」を達成するためにはベーシックインカムのような取り組みが必要であり、だからこそ、いまのうちに理論的な疑問のいくつかに答えを出しておくのがよいとSam Altmanは考えているようです。

Worldcoinは成功するのか?

Worldcoinは苦境に立たされているとされており、資金調達を画策しているようです。プロジェクトとしても大成功しているかというとそうでないかもしれません。

ただSam Altmanに対する期待は高まっていると言えます。

彼はY Combinatorというスタートアップ界隈では知らない人がいない、実績のあるシードアクセラレーターのCEOでありましたし、その他にも先進的なテクノロジーの企業の投資家としても有名です。

そして何よりOpen AIという2022年11月のリリース以降、世界を席巻するChatGPTの開発に大きく関わっており、その可能性とそれに対する課題について深い理解をしている人でもあります。

Sam Altman’s empire

今後、AIは飛躍的に世界を変えていくに違いありません。

そしてSam Altmanが考えるAGIの未来は、ある人にとってはファンタジーかディストピアに思えるかもしれません。しかしSam Altmanはこの数年間、AGIの技術の最先端に立っており、現時点において圧倒的に技術的な優位を示しています。

「人類をを AI から救うには、まずAIを構築する必要がありました」

そんな彼がAGIの開発と並行して進める、Worldcoinプロジェクトは、AGIによってもたらされる社会的、経済的変化に人類全体が対応していくための一つの実験的なアプローチです。

必ず成功するものではないかもしれませんが、このプロジェクトを見守ることにより、AIとの共生社会において、どのように公平な分配と、人類の全員の「機会均等」を実現できるのか、に対するインサイトを深められるかもしれません。

Orb自体が普及していないので、虹彩を捧げるw機会が少ないのは難点ですが、ぜひ機会があれば個人的にプロジェクトに参加したいと思いました。

https://worldcoin.org/

引用、参照記事

He’s played chess with Peter Thiel, sparred with Elon Musk and once, supposedly, stopped a plane crash: Inside Sam Altman’s world, where truth is stranger than fiction

Worldcoin, co-founded by Sam Altman, is betting the next big thing in AI is proving you are human

仮想通貨「Worldcoin」は、ベーシックインカムを実現できるか

OpenAIの創業者、仮想通貨プロジェクトWorldcoinで資金調達へ

「ベーシックインカム」の社会実験が難航中、果たして本当に有効なのか?

MV画像:businessinsider.com

※1 研究データ: Daugman, J. (2004)は、虹彩認証の正確性を検証する研究を行いました。彼の研究では、虹彩認証の偽陽性率(False Accept Rate, FAR)が非常に低く、約1/1,200,000であることが示されています。これは、他の生体認証技術(指紋認証や顔認証)と比較しても優れた性能であることを示しています。

参考文献: Daugman, J. (2004). How iris recognition works. IEEE Transactions on Circuits and Systems for Video Technology, 14(1), 21-30.

※本記事は一部、ChatGPTを使用して記事作成しております。

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