テクノロジーやマーケティング、トレンド、カルチャーなどのニュースをMonthlyで紹介する本シリーズ。2023年6月に社内で話題になったTOPICをダイジェストします。Weeklyで更新を予定していきます。
▼目次
- Meta Twitter対抗のアプリをリリース予定
- InstagramがTikTokの成長率を追い越す?
- IVS 2023 KYOTO 過去最大規模で開催!
- TikTokが米国に自社オンラインストアをオープン
- デジタル庁がデザインシステムを更新しFigmaで公開
- 「Z世代はググらない」は本当か?
- a16z AIが恋人になるための技術/スタートアップについての記事
- ファレル・ウィリアムス ルイ・ヴィトンでの初コレクション
- Figma AIでデザインを実装するDiagramを買収
- OpenAI AIモデル「App Store」のオープンを検討
- アメリカのZ世代が好きなブランド
- Tesla・Twitter CEO イーロン・マスクの最新インタビュー
- Snapchat AIチャットボット「My AI」から得られた洞察
- Netflix ポップアップレストランをオープン予定
- AIでジョン・レノンの声を再現した「The Beatlesの最後のレコード」をリリース予定
- Airbnb CEO ブライアン・チェスキーのインタビュー記事
- 90%の企業が自社製品にジェネレーティブAIを導入予定
- マーク・ザッカーバーグがAppleのVision Proについて社内でコメント
- 消費者はインフルエンサーよりもはるかにUGCから影響を受ける
- Vision Proアプリのガイドラインを公開
- Apple 空間コンピューティングマシンVision Proを発表
- TikTok vs Reels vs Shorts 比較レポート
- 食による韓国ブランドの強化を目指した4,000万ドルのキャンペーン
- NVIDIAがAI製品を多数発表、時価総額1兆ドル超える
- 2023年世界のスタートアップの現状
- 「AIによる人類絶滅リスク」警鐘声明に署名
- ステーブルコイン、日本で年内発行へ
Meta Twitter対抗のアプリをリリース予定
Mark Zuckerberg is ready to fight Elon Musk in a cage match
MetaがTwitterに対抗した“Project 92”というアプリのリリースを予定しているようです。
- プロジェクト名は「Project 92」、アプリの公開名は「Threads」
- Metaは、過去にSnapchat、TikTok、StumbleUpon、Foursquare、BeReal、Clubhouseをコピーした過去がある
- Elon MuskがTwitterを買収した3ヶ月後からコーディングを開始していた
- Instagramからの連携がある
Elon MuskとMark Zuckerbergのケージマッチの話もあり、個人でも格闘技で戦うの可能性もあるようで、ビジネスでも個人でも2人とも常人の域を超えていてすごいなと思うばかりです。
InstagramがTikTokの成長率を追い越す?
Instagram Is Outpacing TikTok For User Growth. Here’s Why
統計調査データを扱うStatista社の調査によると、今後InstagramはTikTokの成長率を追い越すと予想しています。
- Instagram は過去 4 年間で約53%成長
- Instagramには豊富な機能が備わっている
- 今後4年間で、Instagramは17.2% (または2億3,400万人の新規ユーザー) 成長するのに対し、TikTokは17% (または3億2,700万人) 成長すると予測
TikTokの追撃により、しばらくInstagramは様々な対応策を行なってきましたが、Reelsが好調でさらに成長を伸ばしています。Metaはコピーが上手いと揶揄されたり、批判も多くありますが、ユーザーは結局利用しているという点が興味深いと思いました。Metaはデータ分析から、人間の意図と行動のギャップを理解しているのだと思います。
このように着実に変化するMetaですが、GAFAMの中で唯一、Mark Zuckerbergは創業者としてCEOです。リスクテイクすることや、図太く勝つための戦略などは取り入れているところは創業者ならではの強みを感じます。
IVS 2023 KYOTO 過去最大規模で開催!
「IVS 2023 KYOTO / IVS Crypto 2023 KYOTO」がついに今週幕開け~過去最大級のイベント規模、参加申請数9000人突破~
IVS 2023 KYOTO が過去最大規模で開催されました。
- 9,000人以上参加予定
- 招待制を廃止!誰でもチケット購入可!
- セッション数は250以上
- 国内外から700以上のスピーカーが登壇
- 二条城やWORLD KYOTO他、同時開催の約100のサイドイベント
IVSはスタートアップカンファレンスの中でも古参のイベントです。今までは招待制でしたが、今年はチケット制になり、一つのプラットフォームとしてセッション以外にも、サイドイベントや関連イベントなどが行われ、京都市内がスタートアップ一色になり、かなり大規模のイベント内容になりました。この10年でスタートアップや起業家の認知度や評価が上がったことを実感すると共に、地方とのイベントの掛け合わせは、地方にあらゆる風が送り込む、面白い取り組みだなと思いました。
TikTokが米国に自社オンラインストアをオープン
TikTok is opening its own online U.S. store
TikTokがアメリカ国内向けに自社オンラインストアをオープン予定です。
- TikTokは早ければ来月にも米国版アプリでオンライン小売ストアを立ち上げる予定
- 既存のTikTokショップ機能とは異なり、自社で在庫を購入し、物流や顧客サービスなどを行う
- TikTokは物理的な商品を直接販売するという厄介な世界に足を踏み入れているが、そこには十分な理由がある。
- AmazonやSHEINは最初は小売業者から始まり、マーケットプレイスになったがTikTokも同じ変遷を辿るのか?
- 中国版TikTokであるDouyinでの衣料品、バッグ、アクセサリーの売上高は、今年初めにAlibabaのTmallを超えた
- 東南アジアでの急速な成長に賭けて、今年の世界的な電子商取引事業の規模を4倍以上に拡大し、最大200億ドルの売上高を目指すとしている
TikTokはこれからAmazon、SHEIN、TemuなどのECプラットフォームと直接競合することになります。
興味深いのは、アメリカでのECでこれだけの中国企業が強さを見せていることです。現在TemuはSHEINを追い抜き急成長しており、そこにTikTokが参入していくことで、より中国企業同士によるアメリカ国内での競争が激化するのは、アメリカと中国の政治的な対立を考えると、いろんな意味で新しい局面があるなと思いました。
デジタル庁がデザインシステムを更新しFigmaで公開
デジタル庁がデザインシステムを更新しFigmaで公開しています。
「誰一人取り残されない」デジタル社会の実現を掲げているデジタル庁。行政や自治体のウェブサイトの標準化・統一化を目指して、「デザイン原則」や「デザインガイドライン」などのルール、ツール作り、デザインプロセスの整備している取り組みの一環です。その他にも「行政サービスなどに使えるアイコン・イラスト集」や、「ウェブアクセシビリティ導入ガイド」もアップデートされています。
マイナンバーポータルなどの問題もあり、デジタル化していくことには抵抗感がある人もおり、なかなか難しい側面があります。ただ、デジタル化が遅れているとされている日本において、デジタル上のアクセシビリティやリテラシーを高めるためのこのような取り組みはとても大事だなと思いました。
「Z世代はググらない」は本当か?
Z世代はググらない」は本当か?お店検索・口コミに関する消費者向けアンケート調査の結果を口コミコムが公開
株式会社movはが約1,000名を対象に口コミに関する消費者向けアンケート調査を実施してレポートしました。
- お店を検索する際に最も使われるのはGoogle検索、次いでGoogleマップ
- Z世代でもGoogle検索の影響大。SNSの割合も高い
- 飲食店に限ると、Z世代ではGoogleマップが優勢、ただし30代以上ではグルメサイトの方が使われており、「グルメサイト離れ」はまだ起きていない
- Z世代は、口コミを他の世代よりも参考にしている
飲食店を検索する際に使うツールでは、トップはグルメサイト、次いでGoogleマップという結果で「Z世代もググっている」ということです。コロナ禍も過ぎて、飲食店としてグルメサイトやGooleマップの最適化やレビュー対策がマーケティングにおいて優先度が高いと分かる記事でした。
a16z AIが恋人になるための技術/スタートアップについての記事
It’s Not a Computer, It’s a Companion!
アメリカを代表するベンチャーキャピタル会社a16z(Andreessen Horowitz)による、AIが恋人や彼女になるための技術やスタートアップについての記事をご紹介します。
- あるインフルエンサーの仮想ガールフレンドのAIバージョンがリリースから1週間で72,000ドルを稼いだ
- チャットボットは何十年も前から存在してるが、今回は本当に違う。
大規模言語モデル (LLM) が状況を変えた - 米国の成人の38%が「パートナーがいない」状態、完全にオンラインの関係 (友情であれ、恋愛であれ) を築いている
- Replikaは理想のパートナーをデザインし、会話の思い出を保存し、写真を送信して、時間の経過とともに関係が進展する。herという映画があるけど、AIとの関係性は人間以上に強くなる可能性がある
「her/世界でひとつの彼女」という映画では、AIの恋人と真剣に恋に落ち、感情的で繊細なAIに翻弄される男性が描かれていますが、AIとの関係性は人間以上に強くなる可能性があるのかもしれないと思いました。
ファレル・ウィリアムス ルイ・ヴィトンでの初コレクション
Louis Vuitton公式 2024春夏メンズ・ファッションショー
テーマは「LoVe:愛」──ファレル・ウィリアムスが語る、ルイ・ヴィトンでの初コレクション
Pharrell WilliamsがLouis Vuittonのクリエイティブディレクターに就任して初のコレクションを発表しました。発表前のインタビュー記事があったので紹介します。
- ショーのテーマが「LoVe:愛」、Louis Vuittonに掛けている
- ウィリアムス自身が手がけた音楽を起用
- 今年のバレンタインデー、Louis Vuittonがウィリアムスを正式なヴァージル・アブローの後任と発表した日から制作を開始した
- ポストをオファーしてきたのはアレクサンドル・アルノー(ベルナール・アルノー氏の次男、LVMHグループのデジタル戦略成功の鍵を握っていると言われる)
- ズームイン・ズームアウトの視点を持つことが大事
- 最初のコレクションはキーとなる構成要素を確立することを大切にした、ここからLouis Vuittonがどこへ向かうのかを示すものになった
コレクションの発表はソーシャルの反応を見ると好評だった印象です。PharrellはVirgil Ablohの後任として発表された時、驚きや失望とともに、ちゃんとしたデザイナーに任せるべきという批判の声も多くあったそうです。
今回のコレクションにおいては、ストリートラグジュアリーを継承しながら、ファレルのエッセンスを織り込んだコレクションになったと思います。ファッションスクールで勉強していなくても、服を作る技術がなくても、ブランドの過去と未来のコンテクストを編集し、新しいものを創り出す。このニュースからAI時代の新しい価値の出し方のロールモデルとも言えるかもしれないと感じました。
Figma AIでデザインを実装するDiagramを買収
AI: The next chapter in design
FigmaがAIでデザインを実装するDiagramを買収したとリリースしました。
- Diagram FounderのJordanは、Figma上でGPT-3を活用し、簡単なプロンプトでデザインのアイデアを生成するプラグインの短い動画をツイート。これを「Designer」と呼び、Twitterが炎上。
- AIは機能ではなく、中核となる能力であり、人間の仕事を問題解決へとレベルアップさせるプラットフォーム
- デザインはキュレーター的である
- AIはログイン画面の構成要素を考えるよりも、新しいログイン方法を想像する
- デザインはピクセルからパターンへシフトする。つまり角丸の半径のような単調で小さなことに費やす時間を減らし、人間の行動を想像するのがデザインになる、インターフェースを直感的でより人間的な体験へと引き上げてくれる
- AIは、人の意図と行動のギャップをよりシームレスに埋める
Figmaのユーザーの2/3は非デザイナーと言われており、AIをCo-Pilotにしてデザインをデザイン領域の役割に変化をもたらし、より人間中心のインターフェースを考えるフェーズに入っていくことが想定されます。
OpenAI AIモデル「App Store」のオープンを検討
OpenAI Considers Opening AI Model ‘App Store’
OpenAIがAIモデル「App Store」のオープンを検討しているとの記事です。
- ユーザーがカスタマイズしたAIモデルを「アプリストア」のような場所で他の企業に販売できるようにする想定
- 5月にロンドンで開催された開発者との会合で初めてマーケットプレイスの計画を明かしていた
- どんな収益スキームかは不明
すでにあらゆるカスタムされたAIモデルが氾濫してきている状況で、今後もAIフレンドリーなプロダクトやサービスが増えると予測されます。Sam Altmanは「ChatGPT のプラグインは製品市場に適合していないため普及していない」と言及しており、より多くのユースケースを作って、成功事例を作っていくことが必要だと考えているようです。OpenAIと提携しているSalesforceとMicrosoftはすでにチャットボットのマーケットプレイスを持っており、今後Open AIと競合することになります。
アメリカのZ世代が好きなブランド
As Incoming College Students Prepare For School, Here Are The Brands They Think Are Cool
アメリカのZ世代(17-18歳)が好きなブランドの調査結果の記事です。
- 89%は学校の備品の買い物をTarget、Walmart、Amazonで行いたいと回答
- 学校に行く時に履きたい靴ブランドのTOP3は、Nikeが44%、Converseは19%、Vansが8%
- 新しいスマホを購入する場合は回答者の9割がAppleと回答
- ChatGPTの使ったことがある割合は18%だけ、23%はChatGPTを知らないと回答
アメリカのZ世代のデータではありますが、彼らがどのようにブランドを選んだり、評価しているのかが推測ができる興味深いデータでした。
Tesla・Twitter CEO イーロン・マスクの最新インタビュー
Tesla・Twitter CEO Elon Muskの最新インタビューがありましたのでシェアします。
- Twitterは安定している
- 今年中Twitterには決済、動画や音声電話の機能が導入予定
- TwitterのUS広告売上は50%減、ヨーロッパは40%減、アジアはほぼ変わってない
- ゼロからXアプリを開発するのではなくTwitterを買収するこで、3〜5年計画が早まった。
- すでにアメリカ全50州で「送金ライセンス」を取得
Elon MuskはスマートTVへの展開についてコメントしており、これからTwitterは、YouTubeやNetflixのような立ち位置でのメディアへと変化していくと予測しているようです。実際のところTwitterにおける「横」型ビデオの閲覧時間がすでに全体の10%を超えているということで、新しいCEOとしてLinda Yaccarinoが就任して新たな体制で展開するTwitterの戦略に注目です。
Snapchat AIチャットボット「My AI」から得られた洞察
SnapchatがAIチャットボット「My AI」の初期のデータ分析結果を発表していました。
- 1.5億人を超える人々が100億を超えるメッセージをMy AIに送信した
- 500万回の会話がマクドナルドについて、150万回がスターバックスについての会話
- 1,200万回の会話がスキンケアやメイクアップのおすすめを尋ね、1,100万回の会話がヘアケアについてのおすすめを探していた
- 1,600万回の会話がアパレルについて
- 2,500万回の会話がペットのことで、そのうちの1,200万回が犬のこと、750万回が猫のことだった
Snapchatはプライバシーを中心とした方法でコミュニティの関心を理解し、アプリ内でのエクスペリエンスを向上させたいと考えているようです。
レポートでは人がAIとどのような会話をしているかというデータが興味深く思いました。自分のスキンケアやヘアケアなどに関心や悩みが多いことが分かります。このインサイトがどのようにプロダクトに活かされるのか、AIと人の関係性がどのように変化していくのか注視したいと思います。
Netflix ポップアップレストランをオープン予定
Netflix Food Shows Are on the Menu at NETFLIX BITES, Our First-Ever Pop-Up Restaurant
Netflixのオリジナルコンテンツの、料理番組でフューチャーされた食事などを体験できるポップアップレストランをオープン予定と発表しました。
- 「シェフズ・テーブル」や「Is It Cake」などの番組の料理を試食できる
- LAに6月30日オープン予定
Netflixにはオリジナルコンテンツが多数ありますが、それをどのように定着させて、「マーベル」や「スターウォーズ」のような強力なIP(知的所有権)にできるかが課題となっています。IPビジネスにおいてはグッズ販売やライセンス販売がコンテンツによる売り上げよりも大きいビジネスです。Netflixはゲーム事業なども展開し、オリジナルコンテンツのIP化も狙っていると思われます。
Netflixは動画配信領域では、AmazonやAppleを上回り、かつ黒字を達成している状態ですが、成長率の高止まりが懸念材料です。現在、ライバルと言えるのはYoutubeですが、UGC型のYoutubeとは異なりヒットコンテンツを作り続ける必要があるNetflixにとって、同じく力を入れているスポーツ領域のコンテンツを強化と、コンテンツ収益の裾野を広げる今回のような施策が、成長の起爆剤になりそうです。
AIでジョン・レノンの声を再現した「The Beatlesの最後のレコード」をリリース予定
Paul McCartney says AI tools helped rescue John Lennon vocals for ‘last Beatles record’
Paul McCartneyは、AIツールでJohn Lennonのボーカルを抽出し「the Beatlesの最後のレコード」を今年リリース予定するというニュースがありました。
- 低品質のカセット録音から元バンドメイトのJohn Lennonのボーカルを抽出することができた
- John Lennonの声とピアノが入ったカセットからjohnの声を抽出し、AIを使ってそれらを分離
- 「ディープフェイク」ではない
- リリース予定の曲は、1980年にJohn Lennonが亡くなる前にオリジナルで録音した「Now and then」である可能性が高い
The Beatlesのような代表的なバンドがこのような取り組みに挑戦するということには
いろんな意見が起こるかと思いますが、このような新しい試みをトライする姿勢に、ロック魂を感じました。ファンとしては新しい曲が聞けることは嬉しいことです。一方Paul McCartneyは「良い面もあれば、恐ろしい面もあります。それがどこに向かうのか見てみる必要があります。」と述べており、今後同様な事例が増えると思います。
オフィシャルなものを見分けたり、どう権利を保護していくかという点で、法的な仕組みはもちろんブロックチェーンのような構造的に解決方法など、AIを活用したクリエイティブな部分の管理について、本格的に議論しないといけないフェーズになっていると感じました。
Airbnb CEO ブライアン・チェスキーのインタビュー記事
AirbnbのCEO Brian Cheskyのインタビューでは、Airbnbはパンデミックの影響からどのようにビジネスモデルを変化し、組織構造を進化させ、回復し成長につなげていったのか、とても参考になる記事でした。
- 2020年1月パンデミックにより、8週間以内にビジネスの80%を失った
- プロダクトローンチをバラバラにするのではなく、リリースを年に2回に絞った。それによりプロダクトとマーケティングを結びつけることができている
- AIにとって最適なインターフェースはタスクによって異なる
- 重要なのは情報の信頼性であり、情報の検証は今やインターネット上で再解決しなければならない新しい問題だと認識している
- Airbnb内での宿泊予約の20% は 1 か月以上の滞在
- 70% の人が予約を残した後、レビューを残す
- Airbnbの価値観は、テクノロジーと融合したデザインの創造性、そしてコミュニティとつながるという考え方
多く語られていたのが、CEOのBrian CheskyとJony Iveとの強いつながりです。まず2014年、AppleのJony Iveに今のロゴをデザインしてもらったつながりがありました、2020年、彼がAppleを辞めたことを知り、「一緒に仕事をしなければいけない」と考え、声をかけ多くのディスカッションが行われたようです。そしてJony Iveは、1990年代後半のAppleの危機とほぼ同じ規模の危機に直面していたAirbnbに対して、重要なアドバイスをしました。
まず、ミッションで重要な言葉であった「belonging」(一体感)について、Jony Iveは「ただbelongingするということではなく、人とのつながりを含めるべき」というアドバイスをします。そしてJony IveはAirbnb CEOのBrian Cheskyのために本を作りました。そのタイトルは「Beyond Where and When」といい、Airbnbの事業戦略を「いつ」「どこで」から、「誰と」「何に」シフトするべきと言いました。
その気づきから生まれたのが、カテゴリーからの目的地を選ぶ時の体験の変化です。「あなたは何者で、人生に何を望んでいますか? 」というインスピレーションを与える問いに基づき、カテゴリーを再定義したのです。「どこに行きたいか?」という目的地から始まる検索ではなく、「どんなユニークな点があるか?」という体験を探す検索フィルターへ再構築したのです。
そしてAirbnbがコミュニティであるという感覚をJony Iveは気付くのを助けてくれて、「より多くのツールが必要ではなく、より多くのつながりが必要であること」に気づかされたいいます。Airbnbはマーケットプレイスからコミュニティに移行するための方法を考える中で、Airbnb Roomsというサービスにつながりました。
パンデミックの大きな影響を受けた企業の筆頭であるAirbnb。2020年にレイオフ(一時解雇)を発表した時も、難しい決断に至るまでのプロセスや従業員への思いをメッセージを公開し話題になりました。難しい状況を乗り越えて、より強い企業へと成長させたAirbnbのCEO Brian Cheskyのいろんな思考プロセスを追体験できるようなインタビュー記事でした。
Airbnbはテック企業ですが、デザイナー2人が創業者なので、そこが他のスタートアップとは異なり、常に人を中心にサービスや組織文化を作っている印象があります。AppleのデザイナーであるJony Iveとの会話から生まれる、デザイナー視点でのビジネスの捉え方、創造性についてインスピレーションをもらえた記事でした。
90%の企業が自社製品にジェネレーティブAIを導入予定
90% of VC-Backed Companies Plan to Launch Generative AI in their Products, 64% this Year
2023年4月に実施されたAI及びR&D調査についての記事です。この調査では、スタートアップから上場企業のCEOやCTO、COO等から回答を得ており、70%はソフトウェアとテクノロジー業界で、残りは金融、医療、製造、教育、小売などのさまざまな業界となっています。
- 企業の90%が自社製品にジェネレーティブAIを導入予定、64%が年末までにリリース予定
- 30%以上の企業が全体の支出を削減する一方で、80%以上の企業が研究開発に同額以上の支出を計画し、50%近くが研究開発への全体的な投資を増加を計画
- 10%がすでにジェネレーティブAI機能を立ち上げており、19%が今四半期中に立ち上げ予定
- 28%以上が2023年に人員削減している
ここ半年で起こったAIの加速的な開発は、AI研究者でも予測できていなかったようです。今後の動向も予測できないので、常に追加・更新される情報をしっかりキャッチアップして、リテラシーを高めることが必須だと感じます。
マーク・ザッカーバーグがAppleのVision Proについて社内でコメント
Here’s what Mark Zuckerberg thinks about Apple’s Vision Pro
Meta CEOのMark ZuckerbergがAppleのVision Proヘッドセットについて社内でコメントしている記事がありました。
- Vision Proはコンピューティング未来のビジョンかもしれないが、私が望むものではない
- それには、Metaチームが調査して考えていない物理の制約に対する解決策はまだ存在しない(社内で検討されていない新しい技術はなかった)
- Appleとは価値観とビジョンの違いがあった
- Metaはソーシャルを、Appleはコンピューティングの未来を目指している
Appleの発表までMetaはかなりピリピリしていたと言われており、Apple発表の数日前に半年先に発売予定のQuest 3を発表しました。Metaの次期Quest 3ヘッドセットは、Vision Proの3,499ドルの価格に比べて499ドルとターゲットの違いなどもあり、Meta社内には安堵感があったようです。
Metaのメタバースというようなソーシャルなプロダクト、Appleは空間コンピューティングというパーソナルなプロダクト、という各社のビジョンの違いが浮き彫りになりました。今後どのように、仮想現実や拡張現実が社会に実装されていくのか注視していきたと思います。
消費者はインフルエンサーよりもはるかにUGCから影響を受ける
2023年4月にEnTribe社が実施した「インフルエンサー、クリエイター、ブランドによる UGC の使用に対する18歳以上の消費者の意識調査」についての記事があり、実感値が裏付けされたなと感じましたのでシェアします。
- 消費者の81% は、インフルエンサーのおすすめが自分の購入活動に全く影響を与えておらず、場合によってはマイナスの影響を与える可能性さえあると感じている
- 回答者のわずか12%は、インフルエンサーによって宣伝された製品を購入する傾向があると回答
- 62%は、インフルエンサーによって宣伝された製品をオンラインで購入したことがない
- 90%は、ブランドが実際の顧客のコンテンツを共有することを望むと回答
- 86%は、インフルエンサーではなく、ユーザーが作成したコンテンツを公開するブランドを信頼する可能性が高いと回答
インフルエンサーへの広告費の支出が増えていると言われていますが、以前からその効果については多くのブランドが疑問の声をあげていました。今回データとして、その効果性が期待するほど高くはないということがクリアになった調査でした。企業やブランドはユーザーとのコミュニケーションのためのアーキテクトとフローを本気で考えないといけないと感じました。
Vision Proアプリのガイドラインを公開
Vision Proの発売と同時にVisionOSアプリのデザインや開発のガイドラインが公開されました。このガイドラインでは、Vision Proが打ち出すSpatial Computing(空間コンピューティング)から、様々な空間デザインの定義付けがされていました。
その他にも音やディスプレイ体験を体系的にデザインシステム化しています。
Spatial Computingの定義
Spatial Computingはデジタル情報を人間にとって自然な形で扱えるようにする技術で、立体的・空間的に情報を扱えるようにするものです。環境全てがデジタル化したミラーワールド(鏡像世界)のインターフェースをSpatial Computingと言うようです。
参考:ARの真の価値は『空間に力を与えること』 |Spatial Computingが変える人とデジタルの関係性
「メタバース」という言葉の範囲が広く、フワッとしたイメージがどうしてもありましたが、Appleが打ち出してきた「空間コンピューティング」という定義付けにより、人が今後数年、現実と拡張現実、バーチャルをどのように捉えて、過ごしていくのかがくっきりした印象です。リアルタイムにおける現実拡張の体験に加えて、MetaのCEO Mark Zuckerbergも過去に述べていた、過去の出来事を再現する「プレゼンス」というものが体験のコアになるのではないかと思いました。
Apple 空間コンピューティングマシンVision Proを発表
Appleは現地時間6月5日に、WWDCで空間コンピューティングマシンVision Proを発表しました。待ちに待った新製品ということもあり、会場はすごく盛り上がり、高揚感のある雰囲気でした。
Vision Proでは
- メタバースやXRではなく空間コンピューティングと表現
- Augmented Reality (AR) + Virtual Reality (VR)を融合したもの
- コントローラー不要
- 既存のAppleのアプリケーションやデバイスと連携可能
- Optic ID=虹彩認証を導入
- 価格は3,499ドル(日本価格は未発表)
空間コンピューティングという概念がとてもAppleらしいと感じました。
VRというよりはMRデバイスで、他のデバイスとの違いはAR機能にあり、周りの人や空間とつながりながらバーチャル体験が可能な部分です。
かなり高価格帯なので職場向けとして利用されるのかなという印象です。
この製品にはAppleのアプリケーションからハード、チップ、データなどの技術やディズニー+などのコンテンツが盛り込まれています。これは今までのAppleの点を統合させた製品で、まさに点を繋ぐConnecting the Dotsであると感じました。
デバイスがあることで、アイトラッキングから虹彩に至るまでのあらゆる個人データを保持できることは、GoogleやFBにはないAppleの強みだと思います。
TikTok vs Reels vs Shorts 比較レポート
[STUDY] TikTok vs. Reels vs. Shorts: Which Is the Best Short-Form Video Platform?
TikTok、Instagram ReelsとShortsを比較したレポートです。数値をみると、TikTokのコメントはReelsやShortsの約2倍あり、TikTokが最もエンゲージメントが高く、一方Shortsが低いことが分かりました。
エンゲージメント率
- TikTok:5.53%
- Reels :4.36%
- Shorts:3.80%
コメント率
- TikTok:0.09%
- Reels :0.05%
- Shorts:0.05%
月次投稿数・投稿頻度
- TikTok:16.55動画
- Reels :9.44動画
- Shorts:7.67動画
動画視聴率
- TikTok:9.06%
- Reels :13.08%
- Shorts:2.52%
理想な月次投稿頻頻度
- TikTok:15動画
- Reels :10動画
- Shorts:8動画
レポート結果から
- TikTokはエンタメコンテンツに適している
- Instagram Reelsは製品紹介などのより教育的なコンテンツに適している
といえそうです。ショート動画で認知を獲得する流れは今後も広がるので、ブランドの方向性に合わせて、各ソーシャルメディアの特性を活用していく必要があります。
食による韓国ブランドの強化を目指した4,000万ドルのキャンペーン
The $40m bet that made South Korea a food and cultural power
2009年に韓国政府がスタートさせた「韓国料理を世界へ」というキャンペーンについての記事が興味深かったです。このキャンペーンでは、食を通じて韓国ブランドを世界的に強化することを目的にされ、4,000万ドルを投じたとされています。自国ブランドの強化のメリットは「音楽、食べ物、芸術、ダンスなど、文化を通じた感情的で理性を超えたつながり」をつくり出し新しいマーケットを創出できること、さらには外交でのソフトパワーにつながるものです。このキャンペーンから韓国は食だけにとどまらず、その他の韓流カルチャーの世界的成功につながりました。
- 韓国の美容製品の販路拡大(2021年の市場規模は83億ドル)
- Netflix の「イカゲーム」(およびストリーミング サービスによる韓国のスタジオ)への25 億ドルの投資と世界的な大ヒット
- 映画「パラサイト」のオスカー賞の受賞
- BTS と BlackpinkなどのK-POPのグローバルでの成功
- PSYの「江南スタイル」がYouTubeなどで再生44億回という偉業
韓国のブランド認知ランキングでは2022年は23位となっており、目標の15位に少しずつ近づいているようです。ちなみにこのランキング日本は2位。順位でみると日本のブランド力は非常に高いことがわかります。ただ強いのは「輸出」「観光」「文化」という失われた30年の間日本を支え続けてきたものであり、新しいカルチャーを作り出せているか?という部分では課題があるように思います。グローバルなマーケットに対して日本のコンテンツをどのように届けるのか?韓国の戦略というのは日本にとって刺激になるのではないかと思います。
NVIDIAがAI製品を多数発表、時価総額1兆ドル超える
NVIDIAのファンCEOがCOMPUTEXで披露した生成AI関連製品まとめ
NVIDIA CEO Jensen HuangがカンファレンスでAI製品を多数発表していましたのでシェアします。
- 究極のAI性能を必要とする企業向け大容量AIスーパーコンピューター「DGX GH200」を発表
- ゲーマーがゲームキャラと口頭で自然な会話を交わせるようにする技術を開発
- 5G/6Gおよび動画通信でソフトバンクと提携
- 米Microsoftと連携してRTX搭載Windows PCで、開発者がネットに接続せずにノートPCでAI画像生成機能を実行できることを目指す
NVIDIAはどんな会社?
- 半導体メーカー、半導体の中でも特にGPUの設計に特化
- GPU業界の最大手、ゲーミングPC「GeForce」が有名
- マイクロソフトとXbox、任天堂とNintendo Switchを共同開発
- CUDA(Compute Unified Device Architecture)というGPUプログラム開発環境
- 自動運転に適した車載半導体「NVIDIA DRIVE Orin」がEVメーカー25社に採用、市場シェア60%を占める
また先立ってNVIDIA CEOのJensen Huangが国立台湾大学でのスピーチ内容もご紹介します。
- AIを活用する人間がAIを使わない人間をリプレイスする
- PC、インターネット、モバイル、クラウドの時代と同じような感覚だが、AIはより根本的に人生を変える。
- 日本のSEGAのために技術開発をしていたが、他社と比較して劣っていたことに気付き、違うパートナーを探して欲しいとお願いしながら、完了していない契約分の資金の振込を依頼。SEGAが半年分の資金を振り込んでくれて、NVIDIAは倒産を免れた。
- NVIDIAは完全にAIに社運を賭けた。
- CUDAを拡大させるために大型投資したが、何年も良いパフォーマンスを出せなかった。株主から疑われたが、信じ続けた。
- あなた方はこれから何を生み出すか。それが何であれ、われわれがそうだったように、それを追いかけて走るべきだ。歩くのではなく、走りなさい。AIの開発が加速するということは、GPUやハードウェア環境の需要が高まる。
AIを開発する際には必ずGPUが必要になります。社運をかけてAIに集中したNVIDIAの戦略が実を結んだ形になりました。その影響もあり株式時価総額1兆ドル(約140兆円)を超えました。昨年まではAI企業の多くが開発を続けても利益を出すことができなかったと言われています。市場を読むことの難しさと信念の重要性を感じるエピソードでした。
2023年世界のスタートアップの現状
State of Startups 2023 Edition
Pilot社による世界のスタートアップの創業者を対象にした調査レポート。
- 74%が今後の見通しについて楽観的である
- 77%は今年の人員削減の想定はない
- 75%が資金調達環境が2024年第2四半期までに回復すると予想
- 56%がオフィスの所在地がない(フルリモートである)
- 61%が1週間で事務所を必要とする日数は0と答えた
- 創業者の約 60% が2023 年に 年に1回以上、合宿やリアルミーティングを主催する予定
コロナを超えて、スタートアップのビジネス環境に対する捉え方や、オフィススペースに対する考え方の傾向が見えるデータでした。
「AIによる人類絶滅リスク」警鐘声明に署名
OpenAIおよびDeepMindの創業者を含むAI研究者や起業家などが「AIによる人類絶滅リスク」があるとした宣言に署名しました。
「AIによる絶滅のリスクを軽減することは、パンデミックや核戦争などの他の社会規模のリスクと並んで世界的な優先事項であるべき」
この宣言内容への署名には、OpenAIのCEO Sam Altman、台湾デジタル担当大臣の Audrey Tang、Google DeepMindのCEO Demis HassabisなどAI開発のトップランナーたちが署名しています。この宣言に特に拘束力などがあるわけではないですが、AI開発や研究をしている人たちがこのような規制面の話をすることが、いかに現在が大切なフェーズに入っているかを示しています。
「エクス・マキナ」という映画の中で、ロボットが人を騙して、施設を脱出するというところがあります。現時点ですでに人間はAIの全てを把握できておらず、今後も断続的にGPT-4で起きたAIの急激な進化が起こることを考えると、AIによる人間に対する攻撃が全くありえないことではない、ということが現実となっています。
AIの進化はもう誰にも止められないことを考えると、しっかり人間がAIに対する関わり方を考えること、そしてリテラシーを高めていくことが大事だと思います。
ステーブルコイン、日本で年内発行へ
「ステーブルコイン」とはブロックチェーン技術を活用した仮想通貨の一種です。
一般的には米ドルや日本円などの法定通貨と連動しており、価値が安定しているため決済手段として比較的、使いやすいという特徴があります。
- 6月1日施行の改正資金決済法で国内ステーブルコイン発行可能になった
- 米ドルや円など法定通貨を裏付け資産とすることを義務づけている
- 発行者は銀行、資金移動業者、信託会社などに限定される
- 国内外の1000兆円前後と言われる企業間決済における効率化が進むことが期待される
日本政府はweb3戦略を国家として進めており、海外に比べても規制を先行させています。ルールを明確にして、そこに不要な規制が入らないようすることで、海外のweb3事業者や海外に流出している日本人起業家たちが、日本でweb3ビジネスができるような環境が整うことが望まれます。
※本記事はChatGPTを活用して記事作成をしております。
※メイン画像はMidjourneyを活用して画像作成をしております