テクノロジーやマーケティング、トレンド、カルチャーなどのニュースをMonthlyで紹介する本シリーズ。2024年2月に社内で話題になったTOPICをダイジェストします。Weeklyで更新を予定していきます。
- MSCI、オルカンインデックス見直しで中国からインドへのシフト鮮明に
- Apple、電気自動車プロジェクト「Titan」をクローズし生成AIへの投資へシフト
- LVMH、映画・テレビ業界に進出、メディア戦略を強化
- AIチャットボットにより検索エンジン利用率が25%減少すると予測
- 日本の4大会計事務所であるPwCが現代美術の展示を実施
- 桃鉄に枚方を入れてくださいといろんな班の人が言いましたが、無理です
- Nvidia、AI需要急拡大で純利益8.7倍
- Google Workspace内でGeminiが利用可能に
- 2023年ランサムウェア攻撃の被害は過去最高の1,600億円規模に
- トライアルHD、東証グロース上場予定
- AIファースト企業が重視すべきこと
- 飛行機発明から見るイノベーションへの態度
- Open AI、ビデオ生成モデルSoraを発表
- 日本経済、世界4位に転落
- Apple Vision Pro、発売後に1,000個 のアプリリリース
- LE SSERAFIMのHUH YUNJINのInstagram感性を解説
- Amazon、急成長のTemuへの対応を模索
- ディズニー、「フォートナイト」エピックに15億ドルを投資
- 新しい世代のスタートアップが基礎的な産業を変革する
- アメリカ時価総額、世界5割へ 中国停滞で20年ぶりマネー集中
- Vision Proが生まれた世界
- 無宗教者、米国最大の単一グループに
MSCI、オルカンインデックス見直しで中国からインドへのシフト鮮明に
米MSCIは29日、世界主要国の上場株を対象とした世界株指数「MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(ACWI)」(通称:オルカン)の見直しが行われました。
- 除外される101銘柄のうち66銘柄が中国株。四半期ごとの指数見直しの一環で、指数全体の中国株の組み入れ比率は低下
- その一方で、代わりに比率が上昇するのがインド
中国の急激な減速を受けて、インドへ機関投資家の資金シフトが一段と加速する可能性を示しています。日本株も8銘柄が除外されますが、組み入れ比率は微増の5.41%と上昇しています。
Apple、電気自動車プロジェクト「Titan」をクローズし生成AIへの投資へシフト
Apple to Wind Down Electric Car Effort After Decadelong Odyssey
Appleは、10年にわたった電気自動車プロジェクト「Titan」を断念し、生成AIへの投資へシフトしています。
- 「Titan」プロジェクトではチームのリーダーや戦略が幾度も変更になった
- 価格を10万ドル(約1510万円)程度に想定していたが、それでも他の自社製品と同程度の利幅を確保できるか懸念があった
- 高価格と充電インフラ不足により主流購買層の完全EVへの切り替えは進まず、ここ数カ月は販売の伸びが失速
iPhoneをはじめとする他のデバイスと同様、新しい車の概念を作りたかったAppleは完全自動運転にこだわっていました。社内では発売時期を2028年に延期し、自動運転技術を従来計画の「レベル4」から「レベル2+(プラス)」に引き下げる計画が議論されていました。10年続いたプロジェクトは一部の従業員はAIチームに移動、多くがレイオフされる見込みです。
Apple CEO Tim Cook says company is ‘investing significantly’ in generative AI
一方で「生成AIには信じられないほどの画期的な可能性があると考えており、そのため現在この分野に多額の投資を行っている」とTim CookはAppleの年次株主総会で発言しています。AIに対して慎重な姿勢を示していたAppleだが、Apple製品を「AI搭載」と言い換えるなど、明確にAIシフトを表明しています。Apple は OpenAI の GPT や Google の Gemini のようなモデルと競合する製品を発表していないが、今年大きな発表があるとほのめかしました。
Appleは既にiPhoneやApple Watch、Air Podsなどの人間の生体データを計測可能なプロダクトを有しており、他社よりもよりパーソナルなデータ活用が可能な唯一無二の会社です。しかし一方でAppleは生成AIブームの中で長い間沈黙してきました。おそらくAppleが懸念していたのはプライバシー問題や個人情報に対する課題です。
そのAppleがSteave Jobsの夢だったApple Carを諦めて、いよいよ生成AIに対して公に注力していくことを公表したことには、諸々の懸念材料に対応する方向性が固まったからではないかと思います。今年大きな動きがあるということなので、その動向に注目です。
LVMH、映画・テレビ業界に進出、メディア戦略を強化
LVMH Takes on Hollywood as Luxury Brands Step up Media Efforts
LVMHはエンターテインメントの分野における同社のブランド全体のマーケティング戦略を強化するようです。新部門「22 Montaigne Entertainment」を設立し、著名なエンターテイメント業界の人物と協力して、映画、テレビシリーズ、オーディオコンテンツなどのメディアを共同開発、制作、資金調達を予定しています。
テクノロジーの進歩により、エンターテイメントの視聴とコマースの統合が進む中、LVMHはエンターテイメント業界への取り組みにより、進化する消費者行動に直接関与していく方向性を示しました。
LVMHはグループ内に抱える多くのブランドがよりエンターテイメント業界でのイニシアチブをグループとして保持するための動きと見られますが、広告よりもどのようにコンテンツの中でフューチャーされるかが、ブランドにおいてより重要な時代になるということだと思います。
AIチャットボットにより検索エンジン利用率が25%減少すると予測
調査会社ガートナーによると、AI チャットボットやその他の仮想エージェントの影響で、検索エンジンのボリュームが 2026 年までに 25% 減少すると予測しています。
- 生成AI(GenAI) ソリューションは、従来の検索エンジンで以前は実行されていたユーザーのクエリを置き換える、代替応答エンジンになってきている
- GenAI によってコンテンツ制作コストが削減されると、AI によって生成された膨大な量のコンテンツを相殺するためにコンテンツの品質をさらに重視するようになる
このニュースはGoogle一強の検索エンジンのカテゴリーにおいて、新たな市場の広がりを予測させるものです。AIの登場により、コンテンツはよりターゲットユーザーのような概念ではなく、まさにYouにとって必要なコンテンツという時代になっていくのでしょう。
日本の4大会計事務所であるPwCが現代美術の展示を実施
コンサルティング大手・PwCによる現代美術展。「How to face our problems」を代官山ヒルサイドフォーラムで見る
PwCにより「現代アートを通した重要な課題の共有」「PwCのあり方を伝える」「クリエイティブやエモーションの重要性への意識」といった課題に取り組む現代アート展示のトピックが興味深かったです。
アートを通して、課題を抽象化しながら、より広い世界とつながろうという取り組みは、VUCA時代と言われる混沌としていく時代で、アートの役割を考えさせてくれるものです。 今後は、テクノロジーやビジネスとアートの融合させていく取り組みをする会社が増えていくのではと感じた事例です。クラウドットでも2024年には展覧会を実施したいとプランニング中でしたので、とても興味深かったです。
桃鉄に枚方を入れてくださいといろんな班の人が言いましたが、無理です
「桃鉄に枚方市を追加してください」 桃鉄ゲーム監督の前でガチプレゼン 大阪・枚方市小倉小学校の6年生
枚方市立小倉小学校の6年生が、桃鉄に枚方市を追加してもらうために桃鉄制作者らにプレゼンをしたというものでしたが、桃鉄制作者からの講評の厳しさと、仕事をする上で視点がとても印象的な記事でした。
プレゼンテーマは、「桃鉄に枚方を追加してもらおう」というもので小学生のプレゼンに対して、フィードバックが秀逸でした。
- 枚方市に対する調べ方が足りない
- 提案した物件の多くが重複しており、みんなと視点が同じ。だから採用されない
- 点だけじゃなくて時間軸や面で考える
- 相手の心を動かし、アクションにつなげるためには、「良かったね」と拍手をもらうだけでは不十分。誰に何の目的で発表するのか、相手意識と目的意識が大事。
- 人に採用されるには、自分だけがいいなと思っていることだけじゃなくて、周りの人たちにも認めてもらわなきゃいけない
- 目標は自分で設定する。最終的には自分で考えて、自分で動かないといけない
子供達にとって、他の人と違う視点を持つことの大事さを学べる体験だったと思います。学校の場合、プレゼンしただけで「よかったね」と評価されてしまうことが多いかもしれませんが、本当はそこから何が足りないのか、新たな視点や社会がどのように作られているのかを知れる貴重な体験だったのではないかなと思いました。
大人でもただ目の前のことをやることに満足してしまって、新しい視点を持つような学びや考ええ方の工夫ができていないこともあると感じたので、相手の心を動かすためにできることなどを考えさせられる記事でした。
Nvidia、AI需要急拡大で純利益8.7倍
NVIDIA Announces Financial Results for Fourth Quarter and Fiscal 2024
NVIDIA純利益8.7倍 AI需要が急拡大、市場予想上回る
Nvidiaは2023年11月〜24年1月期決算を発表し、市場の予測を上回り純利益、売上高いずれも過去最高を記録しました。
- 純利益が$12.1Bと前年同期比8.7倍、売上高は$22.1B、3.7倍で過去最高
- 収益は、前四半期比 22%、前年比 265% 増加
- 2024 年度の収益は 126%増、GAAPベースの希薄化後1株当たり利益は11.93ドルで、前年比586%増加
- Nvidiaの半導体は需給が逼迫して争奪戦になっている
- Nvidiaの時価総額は10年あまりで200倍近くに膨らみ、サウジアラムコに次ぐ世界第4位に
Nvidiaの決算発表前から市場の期待が高く、それを上回る結果になりました。日本市場にも大きな影響がありそうです。
Nvidiaのレポートによると、GoogleやAmazonなどのデータセンターにおけるAIプラットフォームへの導入、ゲーム分野におけるLLMの実装、自動運転技術における同社プラットフォームの採用、などAIに対する企業の投資規模が拡大している様子が窺えます。
Google Workspace内でGeminiが利用可能に
Enterprise-grade Gemini is now available for teams of all sizes with Google Workspace
Googleは2月21日、生成AI「Gemini」を「Google Workspace」で利用可能と発表しました。
- 「Duet AI for Google Workspace Enterprise」アドオンは「Gemini Enterprise」に改名し、1ユーザー当たり月額30米ドル
- より低価格な「Gemini Business」プランでは1ユーザー当たり月額20米ドルで提供
今回の Gemini 1.5のリリースはGoogleのAIに対する取り組みの真剣さを示すものになっています。最大 100 万のトークンを継続的に処理することが可能で、扱える情報量が大幅に増加したということで、今後の生成AIの社会実装を促進するものになりそうです。
2023年ランサムウェア攻撃の被害は過去最高の1,600億円規模に
ランサムウェア攻撃の被害は2023年に過去最高、支払総額は1,600億円規模に到達していた
ランサムウェア攻撃の被害は2023年に過去最高となり、支払総額は1,600億円規模に到達していたようです。
Chainalysisは、2月7日に年次犯罪報告書から新たな統計を発表しました。
- 2022年になって減少していたランサムウェア攻撃が2023年は史上最悪の年になった
- ブロックチェーン全体における支払いの追跡に基づくと、ランサムウェア攻撃による支払額は23年に11億ドル(約1,650億円)を超えた
- 20年と21年の新型コロナウイルス感染拡大期には大変な猛攻があり、少し途切れていたそれが、復活した
- 攻撃数が急増、身代金の額も増加傾向している、2023年のランサムウェア攻撃は4,399件、22年は2,581件、21年には2,866件だった
- 23年第4四半期に身代金を支払ったランサムウェア被害者はわずか29%だった。19年と20年の大部分で記録されている70%から80%という支払い率からは、劇的な低下
2022年は減っていたが、2023年は過去最高になりました。ただ増えているが、実際に支払った割合は29%と多いわけではないです。
ランサムウェア被害に対しての企業のサポートが浸透してきていることがわかります。
今後も増えていくことが予想されるため、クラウドを取り入れていくことや、データの取り扱い、セキュリティのあり方を考えないといけないと思います。
トライアルHD、東証グロース上場予定
九州地盤のスーパーマーケットチェーン「トライアル」を運営するトライアルホールディングス(HD)が、2024年3月14日に東証グロース市場へ上場予定のようです。
- 上場時の想定時価総額は約1500億円
- 売上高は過去10年間で約2倍に成長し、2023年3月期は545億円を計上。
- 今後は、九州以外への積極出店や、プライベートブランド(PB)商品の拡充を進め、更なる成長を目指す
トライアルHDは、IT技術を活用した効率的な店舗運営と顧客満足度向上、そして積極的な店舗展開によって、驚異的な成長を遂げています。今回の上場により、さらなる成長資金を調達し、全国展開を加速させていくことが期待されます。
AIファースト企業が重視すべきこと
Six imperatives for AI-first companies
AIをコア技術とする企業が成功するために必要な6つの必須事項を医療・ライフサイエンス分野の企業の例をもとにまとめていた記事が面白かったです。
- データ優位性を創る
- AI 科学者を採用
- フレキシブルなAIテックスタックを持つのが重要
- ディストリビューションが無ければ研究だけで終わる
- 安全性や倫理への投資は必要不可欠
- 課題を解決しているのがまず重要
データのアドバンテージはボリュームだけではなく、独自かつ質の高いデータを収集・分析することで、競争優位性を築き、社会課題の解決に貢献することができます。
飛行機発明から見るイノベーションへの態度
Aeroplanes, Airships and Beta Bias
イノベーションが起こった際の世の中の反応を、飛行機の発明という事例を取り上げていた記事がとても面白かったです。
「空気より重い飛行機械がどのように実用化されるのか理解できません。」マンチェスター・ガーディアン、1908年
多くの新聞は飛行機に対して、「これまで誰も操縦したことのない目標を提示した」と称賛しながらも、乗客を運ぶ能力が限られていることと、操縦が難しく、「下の世界を観察する機会がない」ことから、軍事的な利用に対して否定的でした。
- 飛行船は離着陸に滑走路を必要とせず、制御が容易で、空中でホバリングでき、平均巡航高度 650 フィートで多くの人を輸送することができた
- ライト兄弟の飛行機は 20 フィートしか均巡航高度しか達成できていなかった
- 米軍関係者は、海軍が新技術の購入を直ちに開始する意向を示しており、初期の限界を超えて改善の可能性を見据えてより楽観的だった
漫画やゲームなど本当に新しいテクノロジーやクリエイティブフォーマットが出てくると批判されるのが当たり前だと思います。
すべての初期のイノベーションには、より発展した先行技術があり、新しいテクノロジーの成長の可能性、コスト削減、将来の改善が見落とされることが多く、その結果、その最終的な影響と有用性が過小評価されることを指摘しています。
当初は新聞各社素晴らしいことと称賛しながらどう使うかわからないと批判
したが、6年後の世界大戦ではたくさん利用されています。
イノベーションが起きた時に批判が起きるものです。AppleのVision ProやOpenAIのSoraなど、新しい世界の入り口にいると感じます。
人類が活版印刷、火を起こし始めた、言葉を話し始めたくらいの転換を感じており、今起こっていることを過小評価せず、動向を注視しながらどう活用していくかを考える必要があると思います。
Open AI、ビデオ生成モデルSoraを発表
Creating video from text
Open AIはテキストの指示から現実的で想像力豊かなシーンを作成できるAIモデル「Sora」をリリースしました。
- 視覚的な品質とユーザーのプロンプトに従いながら、最長1分のビデオを生成
- モデルを敵対的にテストするレッド チーム (誤った情報、憎悪に満ちたコンテンツ、偏見などの分野の専門家) と連携してセキュア対策を講じる予定
- Sora は、DALL·E および GPT モデルの過去の研究をベースに開発されており、テキストに加えて静止画像を取得してそこからビデオを生成し、画像の内容を細部まで正確にアニメーション化が可能
専門家も想定していないレベルのAI動画生成技術をこのタイミングでリリースしてきたことは驚きです。OpenAIの圧倒的な技術力もありますが、おそらく現時点でOpenAIの社内にはより高精度のAGIに近いものがあると思われるので、技術の進化の速さとジャンプ力を感じます。
近々ではGoogleのGemini の話題もありましたが、そこを意識したリリースなのかなと思うほど話題をさらっていった感触で、OpneAIのマーケティング力も感じました。
日本経済、世界4位に転落
GDP591兆4820億円 世界4位に転落 56年ぶりドイツ下回る 23年
2023年のドル建ての名目国内総生産(GDP)が、ドイツに抜かれ、世界4位に後退しました。ドイツ(旧西ドイツ)を下回るのは、1967年以来56年ぶりです。
- 2023年は記録的な円安となりドル換算のGDPが縮小したことが一番の要因
- 日本は人口減少に加え、生産性の向上でも苦戦
- 国際通貨基金(IMF)は当面、ドイツが日本を上回り、26年にはインドが日本を抜き去ると予測
円安もありますが、総合的に日本の国際的な立ち位置が確実に変わってきていることを感じます。よりイノベーションと変化に対するモチベーションを高めていく必要を感じました。
Apple Vision Pro、発売後に1,000個 のアプリリリース
Apple Vision Pro now has 1,000 native apps on the visionOS App Store
Apple Vision Pro のアメリカでの発売前は、一般公開時にどれだけのネイティブ エクスペリエンスが利用できるかについて若干の懸念がありました。しかしフタを開けてみると発売後11日で1,000個のアプリがリリースされたということで、ハード面でもソフト面でもVision Proは好調に始まったようです。
- 1月の最初の集計では150、2月2日までに600 に増加
- 2月13日、ネイティブ アプリ数は1,000以上と発表。対応するiPhoneおよびiPadアプリの数も150万以上に増加
- ネイティブのVisionOSアプリは、オペレーティング システムを念頭に置いて構築されており、アイトラッキング用の大きなターゲット、ガラスのようなフレーム、オーナメントと呼ばれるウィンドウの周囲にインタラクティブなメニューがある傾向
リリース前にAppleはDeveloper向けにオンボーディングを丁寧に行なっており、開発をサポートするための資料やガイダンスを公開していました。
ARKit
RealityKit
Reality Composer Pro
サンプルアプリのダウンロード
WWDC関連セッション
- 空間コンピューティング向けのゲーム開発
- 空間コンピューティング向けのARKitについて
- ARKitアプリを空間体験向けに進化させる方法
- Reality Composer ProコンテンツのXcodeでの使用
- RealityKitを使用した空間体験の構築
- RealityKitによる空間コンピューティングアプリの拡張
- USDエコシステムの詳細
- イマーシブアプリのためのMetal
- ゲームコントローラの進歩
- 空間コンピューティングのためのアプリのパワーと性能の最適化
Unity関連セッション・サイト
LE SSERAFIMのHUH YUNJINのInstagram感性を解説
HUH YUNJINがInstagramを楽しむ方法
韓国グループLE SSERAFIMの一人HUH YUNJIN(ユンジン)がどんな風にInstagramでセルフィーして、ミームを使っているのか、YUNJINの「インスタ感性」をひたすら言語化していた記事が興味深かったです。
- 一貫するワードは「relatable(共感できる)、アメリカのZ世代(GEN Z)がよく使う表現をしたり、Instagramでもよくフォロワーとミームでコミュニケーションを取る。
- テイラー・スウィフトの曲に合わせたミームなどで、「ファンガール・HUH YUNJIN」のペルソナを強調してこれらのミームは、HUH YUNJINも誰かのファンという点でHUH YUNJINとFEARNOT(ファンクラブ名)の関係をより近づけている
- 言葉遊びを交えたユーモアや、最もよく撮れた一枚のAカットをアップするのではなく、他の誰かは消してしまうだろうBカットをアップすることにより親しみやすさを作っている
- 2010年代に流行したセルフィー時代を思わせる写真、懐かしいアイテムなどレトロ感性を表現
HUH YUNJINは今年一年のトレンドをリードした人物として、2023年の「Dazed 100」に名を連ねる天才的なテイストメーカーです。そんな彼女が、撮影した100枚の写真のうち、最もよく撮れた一枚ではなく、他の誰かは消してしまうだろうBカットを選んだり、過度に見えがちなオーバーリップメイクをやりすぎに見えないスタイルでオーバーリップメイクブームを起こしたり、ユニークな「インスタ感性」は、現在のソーシャルを理解する上でとても参考になると思いました。
Amazon、急成長のTemuへの対応を模索
Inside Amazon,Temu’s Rise Prompts Soul Searching
TemuやSHEINなど、中国系の新興勢力がアメリカでの支持を集める中、Amazonの経営層が今後の対応について模索している様子が伝えられています。「手数料を下げる」などの案があるようですが、Amazonのマーケットプレイス出品者の多くは中国であることもあり、どれだけの対抗策になるのかは不透明です。
Amazonで一番の売上高を作っているのはマーケットプレイス事業ですが、一番多くの利益を生み出しているのはAWSです。Amazon Goではリアルでの店舗販売に進出しましたが、撤退が続いています。
スーパーボウルにおける広告など、広告支出が前年同期比で1000%増加させているというTemuの大規模な広告戦略により、低価格が強みだったAmazonのアイデンティティは脅威にさらされています。今後、Amazonがどのようにこの状況に対応していくのか、注視が必要です。
ディズニー、「フォートナイト」エピックに15億ドルを投資
Disney invests $1.5 billion in Epic to create ‘persistent universe’ tied to Fortnite
ディズニーと『フォートナイト』メーカーのEpic Gamesは、「広大でオープンなゲームとエンターテイメントの世界」と言われるものを構築するために提携したことを発表しました。
このメタバースのようなプロジェクトの概要は不明ですが、ディズニーは「ワールドクラスのゲーム体験とフォートナイトとの相互運用に加えて、消費者がディズニー、ピクサー、マーベル、スターのコンテンツ、キャラクター、ストーリーをプレイ、視聴、ショッピングし、関わるための多数の機会を提供する」と説明されています。
AppleからVision Proが出てきたこのタイミングに、Disneyがメタバースに向けてEpic Gamesへの全力投資のリリース。スマホから新しいデバイスへのシフトを感じるニュースでした。
新しい世代のスタートアップが基礎的な産業を変革する
Software’s Third Act
The Council Fund のゼネラルパートナーAmber Illigの投稿がとても興味深かったです。
2011 年にMarc Andreessenが「ソフトウェアが世界を食いつぶしている」と宣言してから 10 年間で、何十億人もの人がスマートフォンを購入し、ニュース、エンターテイメント、旅行、通信、小売、生産性、金融などの業界にソフトウェアが浸透していきました。
でも医療、物流、建設、運輸、製造など、アメリカ経済の基盤を形成する産業ではまだソフトウェアによる革命が行き渡っていないと指摘して、「私たちがソフトウェアの新たな革命の瀬戸際に立っている」と述べています。主な理由は次の3つです。
- 基礎産業に革命を起こすノウハウと意欲を備えた、経営者から創業者となる新世代が輩出されてきた
- AI の急速な進歩により、企業は複雑な業務データをリアルタイムで分析して対処できるようになり、法的および規制上のコストも削減できるようになった
- 新型コロナウイルスにより産業構造の脆弱性を暴露され、変化が必要であるという広く認識を促した
そしてそのようなイノベーションは、エンジニアによってゼロから再構築されることはない、もっとユーザーニーズにより設計強化され基礎産業は発展すると述べています。社会の中核となる数十億ドル、数兆ドル規模の産業は、スプレッドシート、電子メール、電話で稼働しているのが現実です。
一方でレガシー業界のリーダーや従業員は、業務上の問題に対して新しいソフトウェアを導入するのに苦労しているという誤解があるが、建設技術の創業者やその顧客であるゼネコン、蒸気整備業者、トラック運送業者、屋根職人などと話すと、「彼らは他の人々と同様にモバイル デバイスに依存しており、外出先で、テキストベースのコミュニケーションで対応できる製品を必要としている」と話しています。
基礎産業のリーダーや従業員はすでに個人では最先端の技術を利用しており、AIの発展やコロナ禍などの経験から、変化の必要性を感じており、導入のための技術も環境も揃っている、というのは誰もが納得いく話だと思いました。新しい世代の起業家が生まれて古い産業にどのようなイノベーションが起きていくのか、楽しみになる記事でした。
アメリカ時価総額、世界5割へ 中国停滞で20年ぶりマネー集中
2024年2月2日時点で、20年ぶりにアメリカが世界の時価総額の5割を占めたようです。
アメリカ企業の合計時価総額が世界全体の時価総額の5割を超えるという、一つ時代の流れを感じるトピックでした。数年前まで勢いのあった中国勢が中国国内における統制によりその時価総額を半減させたことにより、アメリカに資金が集まった形になりました。
- 世界の時価総額上位500社のうち米国企業は236社
- 中国企業は35社どまりで3年前に比べ6割減少
- 代替投資先として日本とインドにもマネーが流入
中国の停滞により、投資先の代替として日本やインドに変わってきているというのも興味深いです。日本は三菱商事・三井物産・伊藤忠商事・住友商事・丸紅のいわゆる5大商社も好調と言われていますし、信越化学などのように、他社に代替されにくいニッチな技術を積み上げているグローバルな企業もあります。短期的な技術よりR&Dなどでロングテールに成長できる事業により投資が集まれば、さらに世界で戦える企業が増えると思いました。
Vision Proが生まれた世界
Apple Vision Proどう使う? 米国で発売初日に買った10人を直撃
「Apple Vision Pro」が2024年2月2日にアメリカで発売が始まりました。ソーシャルで実際に使用している動画が多く出てきます。多くの動画で街中を歩いたり、膨大な違和感はありつつ日常で使っている様子がシェアされています。
Vision Proは現実とバーチャルを融合したMixed Reality(MR)の体験ができるので、歩行している時や地下鉄、自動運転のようなシーンでもまるで別の世界にいるような感じになります。iPhoneの登場により世界の多くの人の日常における行動が変わったように、このVision Proも人間の行動を変えるデバイスになりそうです。
無宗教者、米国最大の単一グループに
Religious ‘Nones’ are now the largest single group in the U.S.
Pew Researchの調査によると、カトリックやプロテスタントより無宗教者が現在米国最大の集団となっているようです。
- 現在 28% が無宗教
- カトリック教徒(23%)または福音派プロテスタント(24%)よりも米国の成人の間でより多い
宗教なしの人々は、異なる信念や価値観を持つグループであり、政治活動に意欲的ではない特徴を挙げ、今後将来の社会的および政治的な変化に影響を与える可能性があるとしています。
個人的にはコミュニティだった宗教の形が変化し、ソーシャルメディアの発達により「推し文化」など新しい形の「宗教」が生まれているような気がしています。一方で何かに属したい、何かを信じたいという気持ちは変わらず、人の本質的な欲求は変わらないなと思いました。
※本記事では一部でChatGPT、Midjourney、DALL-E3などの生成AIを活用して作成しています。