【2024年3月】OpenAIはGPT-5を2024年夏にリリースするとの予測/アメリカの売手にTemuマーケットプレイスを開放/年間約10億ドルをつぎ込んだ「Apple Car」をなぜ実現できなかったのか?etc…
テクノロジーやマーケティング、トレンド、カルチャーなどのニュースをMonthlyで紹介する本シリーズ。2024年3月に社内で話題になったTOPICをダイジェストします。Weeklyで更新を予定していきます。
- マクドナルド、クリスピー・クリームのドーナツでカフェ需要の取り込みを強化へ
- Canva、クリエイティブソフトウェアツールのAffinityを買収
- Googleマップ、偽レビューなどを機械学習アルゴリズムで削除
- SHEIN、サプライチェーンインフラと技術を提供する予定
- Opne AI、クリエイターによるSoraの作品を発表
- Appleのデザイン哲学
- OpenAI、映画スタジオや監督との会合でハリウッドを魅了
- OpenAIはGPT-5を2024年夏にリリースするとの予測
- Tesla構想、マスタープランパート3から見るEV戦略
- アメリカの売手にTemuマーケットプレイスを開放
- ロシアと中国、月面に原子炉を設置することを検討
- アメリカの下院議員がTikTokを禁止にする法案を可決
- PNBLがニッチからノーマルに、日常品の買い物も後払いサービスを利用
- マクドナルド、「WcDonald’s」のポップアップストア登場
- 年間約10億ドルをつぎ込んだ「Apple Car」をなぜ実現できなかったのか?
- SHEINがロンドン取引所での上場を検討
- OpenAIは、2022年8月に125兆パラメータのマルチモーダルモデルのトレーニングを開始していた?
- Elon Muskによる訴訟により再び浮かび上がるOpenAIの組織構造問題
- Anthropic、次世代 AI モデルである Claude 3 を発表
- GoogleのGeminiの炎上によりCEO辞任を求める声が高まる
- 未来はリアルタイムにBuildされている、web3の世界
マクドナルド、クリスピー・クリームのドーナツでカフェ需要の取り込みを強化へ
McDonald’s to Sell Krispy Kreme Doughnuts Across the US
マクドナルドがカフェ需要の取り込みを強化のため、クリスピー・クリームのドーナツを全米の店舗で販売する計画を発表しました。
- 一部店舗でクリスピー・クリームのドーナツを試験販売した結果、想定を上回る結果
- 年内に一部のマクドナルド店舗で販売開始-2026年末までに全米に拡大
- マクドナルドは朝食時間帯や軽食メニューの終日提供に注力
朝食需要以外の、終日にわたって新しいビジネス領域を切り開くマルドナルドの戦略は、事業領域の広げ方で興味深い事例だと感じました。
Canva、クリエイティブソフトウェアツールのAffinityを買収
Canvaは、世界中のデザイナーではない人たちがデザインできるツールとして市場を広げて来ましたが、プロのデザイナー向けに優れたソフトウェアを提供するAffinity社を買収し、新たなセグメントを囲い込みを行っているようです。
- プロフェッショナル デザイン ソフトウェア スイートAffinityはユーザー数約300万人
- Canva では過去 10 年間、デザインのトレーニングを受けていない 99% の知識労働者に重点を置いてきた
- 2023年度比60%成長することを目指す
Affinityはエンタープライズ領域を加速するための買収で、Adobeの独壇場の領域に対してアプローチを行なっています。今後の企業戦略によりどのようにクリエイターツールが変化するのか、注目です。
Googleマップ、偽レビューなどを機械学習アルゴリズムで削除
How machine learning keeps contributed content helpful
詐欺ネットワークによる、Googleマップの偽レビューなどを、Googleの機械学習アルゴリズムで削除できるようになったらしい。
下記のような詐欺があるようなので、注意してください。
Google マップやその他の Google サービスでアクションを行うために、ギフトカード、クーポン、暗号通貨などを通じて送金するよう要求する人物に注意してください。 たとえば、詐欺師は、あなたの場所やビジネスに 5 つ星のレビューを付けるためにお金を払うように要求します。あなたが拒否すると、金銭的に補償するまで星 1 つのレビューを残すと脅される可能性があります。 Google またはその他の会社の代表を称しながら、会社関連の電子メール アドレスを持たずに連絡し、不審な Web サイトへのリンクを共有する人物には注意してください。 たとえば、ビジネス プロフィールを作成して Google にビジネスを掲載するのに費用はかからないにもかかわらず、詐欺師は、Google マップで自分のビジネスを使用または掲載するための請求書を送信します。
SHEIN、サプライチェーンインフラと技術を提供する予定
Shein to Market Its Unique Supply-Chain Technology to Global Brands
「SHEIN」は、同社のサプライチェーンのインフラと技術を世界的ブランドに提供する予定のようです。
世界的なブランドやデザイナーにエコシステムを開放することを計画していると発表。
最大の市場である米国で多くの問題に直面する中、事業戦略の転換を図る。
SHEINのドナルド・タン執行会長は、新たな取り組みを「Supply chain as a service(供給網)」と称した。
Temuでもアメリカの規制を受けシステムを提供していたように、アメリカ国内での規制が高まる中で、実際のユーザーやサプライヤーを巻き込みながら、中国企業がうまくアメリカでの事業の展開を探っているようです。
Opne AI、クリエイターによるSoraの作品を発表
Opne AIは、一部のクリエイターに公開していた画像・動画生成AIモデル「Sora」で作成した作品を発表しました。ビジュアルアーティスト、デザイナー、クリエイティブディレクター、映画製作者などが参加しました。技術的または予算的な制約から実現が難しかった前代未聞のアイデアを具現化できるとしてクリエイターにとって新たな創造性を発揮できる機会となったようです。
産業革命の時のような大きな変革がまさに起きており、農業をしていた人が工場へいき、画一化された生活、言葉、考え方が形成されたように、新しい生活スタイル、言葉、考え方が生まれてくると感じています。
Appleのデザイン哲学
Apple human interface guidelines : the Apple desktop interface
Appleによる1987年に作成された「Apple human interface guidelines」という資料が共有されており、現在のAppleの原点のような資料で興味深かったです。
徹底してユーザーがどう動きたいかを中心に考え、コンピュータがどうあるべきかを定義している点が、他メーカーとのデバイスと違いを生み出しているところだなと感じました。
このAppleの哲学はエンジニア、デザイナーなどの全てのAppleで働く人たちが意識できており、全てのプロダクトに反映されていること、そして今でも新しいプロダクトを産み続けるための原点がこのような資料から垣間見れたと思います。
OpenAI、映画スタジオや監督との会合でハリウッドを魅了
OpenAI Courts Hollywood in Meetings With Film Studios, Directors
OpenAIがスタジオ、メディア幹部、タレント事務所など映画業界の主要企業と協議し、提携関係を築き、未だ一般にはリリースされていない動画生成AI「Sora」を映画制作プロセスに統合することを提唱する予定のようです。
- Soraはまだ一般には公開されていないがOpenAIは選ばれた有名俳優や監督たちにすでに利用を許可しているという
- AI 技術がクリエイティブセクター全体の雇用に及ぼす潜在的な影響については、ハリウッドでは論争の的。
- 2023年、ハリウッドの脚本家や俳優が AI 技術の使用に対する安全策を求めてストライキを起こし、業界内での保護策の交渉が行われた
OpenAIによると、Soraは現在研究プレビュー段階にあり、価格の詳細は未定とのことです。
エンターテイメント業界では、AIを活用すること対して一部では反感もあります。2023年にはAIの利用を巡って全米脚本家組合(WGA)が制作側との交渉でストライキがあり、半年近く映画やドラマ制作が止まったなどということもありました。しかし、業界全体としてはAIを受け入れることは前向きなようです。
OpenAIはGPT-5を2024年夏にリリースするとの予測
OpenAI is expected to release a ‘materially better’ GPT-5 for its chatbot mid-year, sources say
OpenAIがGPT-4に続く次世代言語モデルGPT-5を2024年の夏頃に発表すると予測されています。
- GPT-5はGPT-4よりも大きくて強力になると予想されており、より高度な自然言語処理能力を持つ
- GPT-5がGPT-4と比べてどの程度優れているかは不明確
- 一部のAI研究者は、GPT-5がマルチモーダル機能(テキストと画像の同時処理能力)を備えると予測
- ただし、GPT-5の発表時期は開発の進捗次第で遅れる可能性もある
- GPT-5の能力が高まれば、より人間に近い対話や創作が可能になると期待されている一方で、悪用の危険性への懸念もある
- OpenAIはGPT-5の発表に向けて、倫理的なAI開発にも注力している。
Lex Fridmanとの対談でSam Altmanは、2023年11月のSam AltmanのCEO解任騒動の一因となったとされるQ-Starについては「話したくない」と発言しており、Geminiによる不適切な回答により炎上中のGoolgeの状況を踏まえて、慎重な姿勢を見せました。
Tesla構想、マスタープランパート3から見るEV戦略
2023年のことですが、イーロン・マスクは、Teslaの長期的なマスタープラン3を発表しました。
- 持続可能な電力への移行を加速する:
- 次の10年間で世界のエネルギー需要を100%クリーンで持続可能なエネルギーに移行する。
- 電力会社とも協力し、太陽光発電と電池貯蔵の統合を進める。
- 自動運転でモビリティを再定義する:
- 完全自動運転に向けたソフトウェアの開発を継続する。
- Robotaxiの導入により、移動の利便性を飛躍的に向上させる。
- 人工知能との親和性を促進する:
- 人間に有害ではなく、便利な人工知能との共生を実現する。
- Teslaの技術が人工知能への橋渡しとなる可能性がある。
- 未踏の領域に挑む:
- 地下トンネル網の建設による3次元の輸送システムを目指す。
- これにより移動の効率が飛躍的に向上する可能性がある。
持続的エネルギーの加速をビジョンとして掲げているテスラにとって、EV(電気自動車)はあくまでビジョンを実現するための手段の一つです。このタイミングで改めてマスタープラン3を見ると、すでにEV(電気自動車)という言葉の影はなく、本来の目的である持続的なエネルギー資源をどう確保するか、という点が語られていてイーロン・マスクのビジョンの大きさと、それを確実に進めている姿勢に刺激を受けました。
一方でEV市場は下落が続いています。昨今の電気代の高騰なども受けて、アメリカではEV(電気自動車)よりもHV(ハイブリッド車)が選ばれる傾向にあるとのことです。今後のEVこれは金融市場によってハイプサイクル理論の初期幻滅期に押し込まれたものだと考えています。
アメリカの売手にTemuマーケットプレイスを開放
Temu has officially opened to US-based sellers in a strategy shift that could help it compete more closely with Amazon
Temu は、アメリカに拠点を置く倉庫を持つ販売者に市場を開放し、米国のセラーが自分たちのフルフィルメントとロジスティクスを管理できるようにすることで、消費者により早く商品を届けられるようにしようとしています。
Temuはこれまで、メーカーが在庫を中国の倉庫に集約し、そこから国境を越えて消費者に発送していました。その結果、競合他社よりも低価格を実現できた一方、配送時間が長いというデメリットがありました。この新しい方向性により、米国に倉庫を持つ販売者が自分でフルフィルメントと物流を処理できるようになり、Temuが製品リスト、価格設定、配送物流を管理するマネージドサービスツールに変化していることがわかります。
Temuはスーパーボールで広告を出すなど、莫大な広告費を投じ、Amazonより低価格であるという認知・ブランディングをしています。この事業展開はAmazonにとって非常に脅威になると思うので今後の動きに注目です。
ロシアと中国、月面に原子炉を設置することを検討
Russia, China consider putting nuclear power reactor on Moon in 2033-2035 — Roscosmos
ロシアと中国は、2033年から2035年にかけて月に原子力発電炉を設置する計画を検討していると、Roscosmosのユーリー・ボリソフCEOが発表しました。Roscosmosとはロシア連邦における宇宙開発全般を担当する国営企業ですが、2021年3月、Roscosmosと中国国家宇宙局は、国際月面研究ステーションの建設で協力することで合意していました。
ロシアと中国の月面原子力発電所計画は、将来的な有人探査や月面基地建設における電力供給を目的としていると考えられます。加熱する各国の宇宙開発の中で、両国の連携により今後どのような局面へと向かうのか注目すべき記事だと思いました。
アメリカの下院議員がTikTokを禁止にする法案を可決
House passes a bill that could lead to a TikTok ban if Chinese owner refuses to sell
アメリカ下院は、中国企業ByteDanceの子会社であるTikTokに対し、アメリカにおけるセキュリティ上の懸念から、ByteDanceが経営権を手放さない場合にTikTokを全面禁止する法案を可決しました。
- 法案は352対65の圧倒的多数で可決され、今後上院議員の可決とバイデン大統領のサインで確定
- TikTokには1億7000万人以上の米国ユーザー
- 議員らは、ByteDanceが中国政府の影響下にあり、ユーザーデータを中国政府に渡す恐れがあると危惧している。
上院議員の可決された場合、アメリカではTikTokにより、1億7000万人以上のユーザーを抱えるTikTokがどうなるのかは、今後の外国のテックカンパニーにとって注目です。以前、トランプ政権においてのTikTokの米国での事業買収については、MicrosoftやOracle、Twitter、Walmartが候補に上がっていたと報じられていました。このことが日本のTikTokにもどのように影響があるのか、注視が必要です。
PNBLがニッチからノーマルに、日常品の買い物も後払いサービスを利用
‘Buy now, pay later’ goes from niche to normal as young people use it for daily essentials
PNBL(今買って後で支払う方法)は多くの人にとってコンサートチケットや旅行などの、スペシャルなイベントに対する支払い方法として始まったものですが、Z世代やミレニアル世代の買い物客が食品、コンタクトレンズ、ゴミ袋を購入する際に使用する、日常的な支払いにも利用される一般的なツールになってきているようです。
- 35 歳以下の消費者はPNBLユーザーの 53% を占めているが、従来のクレジットカード保有者ではわずか 35%
- 「PNBL」借り手の多くは、日常の買い物も分割払いローンで済ませている
- あらゆる年齢層の買い物客による食料品の購入は、昨年の同時期と比べてオンラインPNBLローンに占める割合が40%増加
- 多くの消費者物価が上昇している経済においてミニローンがますます普及している
ZOZOやメルカリ、LINEでも同様サービスが展開されており、PNBLの市場は日本においても2020年には8,820億円であり、2024年には1.8兆円に達すると予想されています。
アメリカでは、コロナ禍で止まっていた学生ローンが始まり、生活に困る若者が増えているというニュースもあります。テクノロジーの便利な側面と、このようなサービスを安易に利用することによる支払いコストの増大というユーザー側に対する悪い側面もあると感じました。
マクドナルド、「WcDonald’s」のポップアップストア登場
At L.A.’s WcDonald’s pop-up, your McNuggets come served atop anime projections
マクドナルドのアニメを強調した新キャンペーン「WcDonald’s」のポップアップストアがオープンして話題になっています。
- 「W」のマークがついた WcDonald’s が、ショッピング モールの店頭で、無料の食べ物を提供。
- WcDonald の没入型ダイニング体験ができるのは LA だけ。
- WcDonald’s は40 年以上にわたってアニメやマンガの定番であり、マクドナルドの黄金のアーチを逆さまにすることで商標法を回避するできる。
- 提供されるのは標準的なMcDonald’sの食事。
- 卓上では、ソースのパケットの周りを動き続ける必要があるミニゲームをプレイし、無料の食べ物が出てくる前後にいくつかのアニメーションが表示される。
今回のポップアップストアではアニメにインスピレーションを得たシーケンスが投影され、「没入体験」が提供されており、今後の店舗体験、購入体験のモデルケースになりそうです。
年間約10億ドルをつぎ込んだ「Apple Car」をなぜ実現できなかったのか?
How Apple Sank About $1 Billion a Year Into a Car It Never Built
Apple Carのアイデアを最初に出したのは、共同創業者の故Steve Jobsでした。当時はぜネラル・モーターズ(GM)を買収するというアイデアさえあったようですが、iPhoneに資源を集中する必要があったことなどから、この計画は頓挫していました。
- Appleは独自で乗用車の設計を進める前、当時企業価値は300億ドル足らず(現在の20分の1)だったテスラの買収も検討していた。Elon Muskとも何度もミーティングを重ねていたという。
- 2020年の初め頃、Tim Cock(CEO)やJeff Williams(COO)、デザインチーム幹部が「ブレッドローフ」、つまり食パン1斤と呼ばれる、試作車に試乗していた
- 自動車プロジェクトの責任者であるDoug Fieldは、自動走行システムを現実の世界で機能させるためには、まだやるべきことが山積しているとして、自動運転の目標を「レベル3」まで落とすことを提案。しかし幹部たちは完全自動運転の「レベル5」を望んだ。
- マクラーレンの買収やMercedes-Benz、BMW、EVのスタートアップCanooとの提携や買収などの協議もあったが、いずれも打ち切られた。
- 過去10年間、5つの異なる主要設計に取り組み、試作車の自動運転システムを100万マイル(約160万キロメートル)以上走らせた
- Apple Carには、平均して年間約10億ドル(約1500億円)が投じられた。
- 2024年の初めから、Tim Cockはプロジェクトの断念を真剣に検討し始めた。
Appleというイノベーションを続けている企業でも、Apple Carという理想の元、自社で製造したことがない自動車に対して、方向性が右往左往したのかがわかるケーススタディです。そして自動運転を諦めたことが、長期的に良かったのか悪かったのかは、未来でしか分からないことです。
SHEINがロンドン取引所での上場を検討
Shein Tempts London With Prospect of Biggest-Ever Listing
SHEINがロンドン取引所での上場を検討しているようです。SHEINはニューヨークでの上場を申請していますが、アメリカでの政治的な規制のハードルに加え、中国当局による監視があり困難に直面しています。
- 100億$を超えるIPOは、ロンドン取引市場における過去最大規模になる可能性がある
- SHEIN会長は英国のジェレミー・ハント首相と会談した
「SHEINがロンドンに上場する可能性は株式市場にとって大きな利益となる」「最近、多くの英国企業が米国に移転するのを見てきましたが、テクノロジーと小売りの交差点で急成長する企業を誘致できれば大きな勝利となる」と英国の担当は語っています。
SHINEが、上場先を変えながら世界から資金調達できる可能性を探っています。世界三大市場としてニューヨーク市場、ロンドン市場、東京市場とあり、どうしてもアメリカのニューヨーク市場が中心になりがちですが、各市場も海外資金を呼び込むための整備を行なっています
東京証券取引所も、東証1部、2部、ジャスダック、マザーなどの市場を整理し、2021年には世界をリードする企業を集めた「プライム市場」、日本経済の中核となる企業の「スタンダード市場」、新たな挑戦をする企業を集めた「グロース市場」に大掛かりな再編を行いました。
今回のSHEINもそうですが、Temuなど今後上場が見込まれる中国企業の上場先として、アメリカ以外の市場が選択される可能性が高くなるのかもしれません。
OpenAIは、2022年8月に125兆パラメータのマルチモーダルモデルのトレーニングを開始していた?
Revealing OpenAI’s plan to create AGI by 2027
信憑性は確かではありませんが、Open AIの内部資料の中で、Q* 2025(GPT-8)は、2027年にフルAGIを達成する予定だったようです。しかしElon Muskによる訴訟のために保留されており、です。
- Q* 2023(GPT-6) = 48 IQ
- Q* 2024 (GPT-7)= 96 IQ
- Q* 2025 (GPT-8)= 145 IQ
知能指数の達成目標によると、2025(GPT-8)は2027年にフルAGIを達成する予定でした。
例外はあるもののシナプスの数は一般的に知能の高さを示している、AIに関しても同様に考えることができます。
- 2020年、1750億パラメータのGPT-3がリリース
- GPT-4には1兆程のパラメータがあることが様々な事柄から想定できる(パラメーター数の公式開示を拒否している)
- Q*を100兆個のパラメータを持つマルチモーダルモデルとしてトレーニングされている
Sam Altmanは、AGIシステムを訓練するためのデータがインターネット上には十分にある、と述べすでにAGIシステムを構築しているか、それに非常に近づいており、AGIはすでに存在しているため、もはやゴールではなく、「いつ」それが市場に投入されるかが焦点だということを示唆しています。
Elon Muskによる訴訟により再び浮かび上がるOpenAIの組織構造問題
OpenAIの組織構造問題、非営利か営利かで再び炎上している理由を探る
Elon Muskが2024年2月29日、Open AIとそのCEOであるSam Altman、そして社長のGreg Brockmanに起こした新たな訴訟では、Open AIが公益を守るよりも、AGI開発における利益や商業的利益を優先させたと主張しています。
OpenAIによると、 OpenAI の非営利団体によって各営利子会社が「完全にコントロール」されているとし、営利目的の子会社は「利益を上げ、分配することが許されている」一方で、非営利団体の使命に従うことになっているとしています。
OpenAIの非営利理事会のメンバーは、いつ「AGI に到達したか」を決定する存在です。AGI の定義そのものが曖昧の中、Microsoft は現在、非営利団体の理事会の議決権を持たないメンバーであるが、その存在が大規模な利害の対立にならないか?とElon Muskは考えているようです。
Open AI が非営利の目的を遂行できず、代わりに営利目的の子会社である関連会社の実質的な支配下で行動しているのではないか?
(非営利消費者擁護団体 Public Citizen 代表 Robert Weissman)
OpenAI のような奇妙な構造を選ぶと、不確実性が生じる。…この訴訟は OpenAI の構造によるものです
(ケース・ウェスタン大学ロースクール准教授 Anat Alon-Beck )
非営利と営利における企業法とガバナンスの構造的な問題について懸念を示す専門家もいます。
Anthropic、次世代 AI モデルである Claude 3 を発表
AI Unicorn Anthropic Releases Claude 3, A Model It Claims Can Beat OpenAI’s Best
AnthropicがClaude3というAIモデルをリリースしました。Anthropicとは、OpenAI の元メンバーによって設立されたアメリカのAIスタートアップです。
- Claude 3 Opus、Claude 3 Sonnet、Claude 3 Haiku の 3 つの最先端モデル
- 推論、数学、コーディング、多言語理解、ビジョンの分野でベンチマークテストの比較データを公開
ベンチマークテストではOpenAIのGPT-4とGoogleのGemini 1.0 Ultraを超えるAIモデルです。今後のAI開発競争にどのように影響するのか注視が必要です。
GoogleのGeminiの炎上によりCEO辞任を求める声が高まる
There are growing calls for Google CEO Sundar Pichai to step down
GoogleのGeminiで起こった騒動により、Google CEO兼Alphabetの社長であるSundar Pichaiの責任を問う声が上がっているようです。
- Googleは、歴史的に不正確な画像を作成していたGemini画像ジェネレーターを一時停止した
- GoogleがAI競争で出遅れたという見方が強まり、現在では同社にSundar Pichaiの後任を求める声が高まっている
- 内部では検索ビジネスに損害を与えることを嫌って、Bard の失敗と今回のGeminiの炎上を組み合わせると、Google は生成AI競争のスピード感に追いつける状態ではないのではないか?
- Gartnerの調査では生成AIにより従来の検索が 2026 年までに 25% 減少する可能性があると予測されている
Geminiがドイツ兵の画像生成のリクエストに対し黒人やアジア人の画像を生成したこと、ヒトラーとイーロン・マスクのどちらがより悪影響の大きい歴史上の人物か?という質問への回答を拒否したことなどから、同社はGeminiの人物画像生成機能を一時停止し、改良版のリリースを予告していました。
市場では生成AI技術におけるPR戦略上の大きな失態と捉えられており、Forbesによると、2024年2月26日、Googleの親会社Alphabetの株価が、自社開発の生成AI「Gemini」を巡る論争の影響で4.5%下落し、約900億ドル(約13兆5000億円)の時価総額が消失したと伝えられていました。
Gemini1.5ProのクオリティはGoogleにとっては会心の一撃になるはずでしたが、思わぬところで足をすくわれた形になってしまいました。しかしツールとしては素晴らしい出来になっていると思うので、今後の進化が期待できます。
未来はリアルタイムにBuildされている、web3の世界
web3の世界
Coincheckの大塚雄介氏によるWeb3の歴史から今後の展望についてまとめていたNotionページが公開され、web3の歴史と現在までの流れが、とても整理されていて分かりやすい内容でした。
- 2008年11月1日、Satoshi Nakamotoと名乗る人物が、「”Bitcoin: A Peer-to-Peer Electronic Cash System”」と題するインターネットネイティブの電子決済システムの論文を発表
- 2024年3月時点において、Bitcoinを上回るアルトコインは、(現時点では)現れていない
- Bitcoinについて深い理解を得たVitalikは、Bitcoinの概念を拡張した「Ethereum white paper」構想を発表
- Layer1 BlockchainからLayer2 Blockchainによるスケーラビリティの実現へ
- Protocolレイヤーか、Applicationレイヤーか、その2方向の戦略が取れる時代へ
Bitcoinが生まれた時、その概念の新しから、多くの人に理解されずに、暗号理論コミュニティでさえ理解を得られなかった「怪しい」ものでした。しかし2024年、EFT承認されたことで社会基盤を支える通貨として認められことは感慨深いものがあります。常に新しいものは「おもちゃ」に見えるものですが、どのようなコンテキストでそれが現れているのか、そしてそれがどんなビジョンを持ったコミュニティにより運営されているのか、しっかり見極める時に価値の源泉が見える気がしました。
記事では「日本人が不得意なローコンテキストで働く働き方を求められ、そのスキルをもてた方が活躍できる世の中になっていく。そのため、英語を話せる人材、GitLabのようにローコンテキストマネジメントできる組織、DEIに対応できるマインドセットある人材・組織が活躍する世の中になっていく。」とあり、共感できるポイントでした。
※本記事では一部でChatGPT、Midjourney、DALL-E3などの生成AIを活用して作成しています。