
「言語学習を世界中の誰もが無料で楽しめるようにする」というビジョンから2012年に正式リリースされたDuolingo。
reCAPTCHAの開発者だった創業者のルイス・フォン・アーン(Luis von Ahn)とセヴリン・ハッカー(Severin Hacker)は、そのノウハウを言語学習のEdTechとして応用し、各言語においてボランティアが学習コンテンツを作り、外国語学習者は無料で学ぶことができるプラットフォームとしてDuolingoをリリースしました。
2011年当時のLuis von Ahn氏のTED TalkではreCAPTCHAがどのような発想から生まれたのか語っていて興味深いですし、 同じ発想でDuolingoの構想を語っています。
Duolingoは言語学習という一見「継続しづらい」分野を、ゲームのように楽しませる仕掛けを創出しました。UI/UXの細部をポップにデザインし、毎日学習することが「苦痛」ではなく「挑戦」へと変わるように設計。これは「ゲーミフィケーション」を市場に浸透させる大きなきっかけとなりました。
その独自の成長戦略を支えた文化や組織の考え方を体系的にまとめた「The Duolingo Handbook」が公開されていました。Duolingoの軌跡を簡単にたどりながら、彼らのPlaybookを読むことにより、どのようにプロダクトやカルチャーのクリエイティビティを高め続けられるかのヒントを探りたいと思います。
プロダクト開発と拡散戦略
当時、「今日〇〇XP稼いだ」「◯日連続で学習中」とTwitterやFacebookで共有できる機能をいち早く導入したことで、2012年のローンチからユーザー数は半年で100万人突破。Duolingoのユーザーの定着率は、2013年当時に「翌日継続率が2倍以上」と言語学習系アプリでトップクラスとされ、「学習成果をSNSにシェアしたい」という心理をいち早く読み取り、「ユーザー同士で励まし合うコミュニティ」が自然発生的に拡大してゆき、広告費をかけずに広がっていきました。
大量のユーザーテストとABテストの徹底
Duolingoは日々約500のABテストを実施して、細かいUI・機能だけでなく、新コースの追加やプライシングなどのテストをひたすら行ったようです。そして初期から「コードを1行書いたら、その効果を検証する」という方針を徹底したことも知られています。
「まず作ってみて、テストし、失敗したらすぐ修正する」
リーンスタートアップの手法で、大量のABテストやデータ分析のPDCAサイクルを実行し続けること、ユーザーの学習体験に対するフィードバックを即座に反映するスピード感こそがDuolingoの初期成長を後押ししました。
日本市場への参入
Duolingoが世界展開する上で注目した国の一つが日本です。言語学習に対するニーズが高い日本では、欧米とは異なるローカライズの工夫が必要でした。
日本語と英語の間には文字体系や言語構造の差異が大きいため、単純な翻訳で済ませると誤訳・誤認識が頻発する恐れがあります。そこでDuolingoは早期から日本向けコンテンツ制作時、複雑な文字体系(ひらがな・カタカナ・漢字)や、初学者にありがちな「全角・半角」混在などを徹底検証し、日本語UIに関する細やかなABテストを重ね、レベル設定やヒント表示なども日本語学習者にとって「負担が少ない」「アプリの世界観を壊さない」形へ微調整を続けました。
文化的ニュアンスとコミュニケーションスタイル
Duolingoはキャラクターやメッセージのトーンにおいて、「(フレンドリーさは維持しつつも)失礼にならない、日本の文化や行儀を尊重する」を重視しました。英語版でのジョークやキャラクターセリフでも、日本向けにはトーンダウンや言い回しの変更を行っていると言います
最高の報酬は最高の人材と働くこと
個人的にDuolingoに興味を持ったのは、Duolingoのカントリーマネージャーの水谷さんのDuolingoへの入社経緯を綴ったnoteの記事を読んでことからです。Duolingoの徹底としたNiceな人しか採用しない姿勢はずっと頭に残っていました。
普通にビジネスをしていると人手不足や採用しないことによる機会損失というのは避けたい、という思いが先行して、スピードやグロースを優先させてしまいがちです。しかし正しくない人を採用してしまったときの影響は計り知れない、のは確かです。
noteで語られている、密度の濃い面接プロセスは、カルチャーフィットした人材を採用するための方法論としても非常に参考になるし、起業家は常に何を大事にするか選択を迫られることを理解できました。
そして記事の中で一番共感した言葉は、
「最高の報酬は最高の人材と働くこと」。
カルチャーは採用で決まる、だからこそ働くみんなが最高だと言える環境を自分も作りたいと改めて思いました。
以下はLLMを活用して作成したThe Duolingo Handbook(ハンドブック)の翻訳文になります。採用をするための組織カルチャーを体系化したこのハンドブックは、多くの企業にとっても参考になると思います。
The DUOLINGO HANDBOOK(ハンドブック)

私たちの使命は、世界最高の教育を開発し、誰もが利用できるようにすることです。
Letter from Luis(ルイスからのメッセージ)
Duolingoは、不思議な場所です。
私たちの文化は、どこかのテックスタートアップのマニュアルをまる写しにしたわけではなく、ペンシルベニア州ピッツバーグのスポーツバーの上にあるオフィスで、数十人のオタクたちによってゼロから作り上げられました。
私たちの初期の社員の多くにとって、Duolingoが初めての本格的な仕事でした。経験が乏しかったこともあり、次のような基本的な疑問について、試行錯誤で答えを探す日々でした。
- 誰を雇うべきか?
- アプリを作る最良の方法は?
- どういう組織形態でアプリを開発すべきか?
こうしたやり方は時間がかかりましたが、最終的には、私たちの文化と成功にとって、これ以上ないくらい良い結果をもたらしました。
年月を経て、私たちはこうした疑問をはじめ、多くの課題について解決策を見出してきました。そして今、創業から14年が経った今になって、その答えを文章化し、「私たちがどのように物事を進めているか」を明文化することにしました。
この本の中心には、5つの原則があります。これらは単なる理想ではなく、私たちが経験を通じて学んできた教訓です。しかし同時に、生きたアイデアでもあります。内在する緊張関係もあり、必ずしも全ての場面にぴったり当てはまるわけではありません。ぜひ学んでいただき、疑問を投げかけ、次の版をより良いものにするお手伝いをしていただけたらと思います。
読んでいただきありがとうございます。
そして、Duolingoへようこそ。
— Luis
TL;DR(要点)

- 私たちは、「いつまでも使われ続ける製品」を作りたいと考えており、長期的なユーザー維持を最優先しています。
- 私たちは、Duolingoとともに成長し、何年も先までその未来を形作ってくれる「優秀な人材」を採用します。
- 学習者の生活の一部となるような、愛らしく風変わりなキャラクターを使った「100年続くブランド」を築いています。
- 私たちの指針は「仕事量の物語」ではなく、「成果そのもの」です。
- 私たちの製品は、自分で説明しなくても良いくらい、誰にとっても直感的であるべきです。
- 意見が対立したら、実際にテストを行い、指標(メトリクス)が示す結果に従います。
- 私たちのプロダクトはゲーム化(ゲーミフィケーション)やデザインによって「遊び」の要素を取り入れ、学習を楽しくしています。
- 私たちのブランドは「健全だけどブッ飛んでいる」感じを大切にしており、ファンが笑えるような要素を追求します(万人に通じなくても構いません)。
- 私たちのオフィスと企業文化は、風変わりで歓迎ムードのある空間になるようデザインされており、「Duos(社員たち)」同士の喜びや交流をかき立てます。
The Green Machine は、私たちが物事を作り上げるときのアプローチです:
- 優秀な人材を集める
- 成功の定義を行う
- ガードレールを設定し、長期的視点で考える
- モノを作り、フィードバックループを整える
- 緊急性と高い完成度をもって実行する
- うまくいくものは倍プッシュ、ダメならやめる
- 私たちが出荷するあらゆる機能は、直感的で、楽しく、有用で、磨き上げられたものでなければなりません。
- 重要なタスクには明確な責任者を置きます。
- 私たちは自社製品を常時「ドッグフーディング」(自ら使用)し、バグを発見して改善提案をします。
- 私たちは率直なフィードバックを与え合い、批判は「何」についてであって「誰」についてではありません。
- 私たちは「クロックスピード(clock speed)」を最適化し、プロセスの合間の空白を最小限にしてモメンタムを保ちます。
- 私たちは毎週数百件の実験を走らせ、プロダクトと組織の両面で絶え間ない改善を図ります。
- 私たちは、インパクトが最も大きいプロジェクトに徹底的にリソースを投入し、成果が見られないものはすぐに廃止します。
- 私たちは、より迅速で適切な意思決定を助ける場合を除き、新しいプロセスを導入しません。
Duolingoはプロダクト主導の組織です。
しかし、この本に書かれているアイデアは、ただ優れたプロダクトを作るだけでなく、素晴らしい会社を共につくるということでもあります。
すべてのセクションが、すべての社員・あらゆる状況に当てはまるわけではありません。あくまで、「私たちが最も良い状態で仕事をするときはこうだ」という指針として考えてください。
If it helps in the short-term, but hurts Duolin˜o in the long-term, it’s not right.
5つの原則(Principles)

PRINCIPLE #1:Take the Long View(長期的視点)
Duolingo Was Never Going to Be a Sprint(Duolingo はスプリントではなかった)
Duolingoは、短期間の実験や週末の副業的な取り組みではありませんでした。私たちは「世界最高の教育アプリを作る」という目標を掲げており、それには数十年という長い歳月が必要だと考えていました。しかし、そのために必要な「忍耐」は難しいものでした。
広告の例
明日もっと広告を増やせば、短期的な収益は増えるでしょう。ですが、広告が多すぎるとユーザーは不快に感じ、長期的な成長が妨げられます。結果、最高の教育を誰もが利用できるようにするという目標に反します。
こうしたトレードオフが常に存在しますが、私たちは何度も「長期的視点」を選んできました。私たちには大きな目標があるので、他に選択肢はありません。
In the Beginning: Don’t Do Dumb St(初期の頃:バカなことはするな)
すべての企業が長期的視点で運営できるわけではありません。しかし、幸運なことに私たちはいくつかの初期条件に恵まれていました。たとえば、共同創業者の Luis はすでに reCAPTCHA を2009年に売却しており、「まずはミッションを最優先に考えられる余裕」がありました。
こうして私たちは、画期的なもの—子どもや孫の世代まで使われ続ける学習ツール—を作ろうと心に決めました。明確なビジョンと投資家の信頼のおかげで、Duolingoが何になれるのかを探究する自由を得られたのです。同時に「私たちのミッションに本気でワクワクする人材」を採用しました。当時、より大きなテック企業に行けば給与が倍になるような人でも、短期的に儲けるのではなく「世界最高の学習ツール」を作る情熱を持って Duolingo に来てくれたのです。
一方で、短期的な利益に飛びつく誘惑は常に存在します。初期の頃、私たちはシンプルな標語を掲げていました。
“Don’t do dumb st.” (バカなことはするな)
これが「Take the Long View(長期的視点を持とう)」の原型でした。短期的には良さそうでも、長期的に見て損になるような小手先の手段を避けることが、成功への唯一の道だと理解していたのです。
Betting on Technology(テクノロジーへの投資)
長期的視点は「避けること」だけでなく、「挑むこと」にも関係します。私たちはテクノロジーが進歩し、最も野心的なアイデアも実現可能になると信じる「テック楽観主義者」です。
例:音声合成(TTS)
最初から声優を雇うのではなく、ロボットっぽい音声でもいいから「テキスト読み上げエンジン」に投資しました。当時は不自然な発音でしたが、「技術は必ず進歩する」と考えていたからです。
Long View Hiring(長期的視点で採用する)
採用は会社にとって最重要の意思決定の一つです。
私たちは「正しい人材」を見つけるために時間をかけ、もし適任者がいなければ、安易に基準を下げることはしません。
- この人は卓越しているか?
- 手を動かして実践できるか?
- コミュニケーション力は高いか?
- 自分の目標よりも会社の目標を優先できるか?
基準を満たさない人を採用するくらいなら空席のままのほうがマシです。
Better a hole than an ahole(嫌な人材を入れるくらいなら空席でいい。)
優秀な人材を正しく採用すると、長く働いてくれる傾向があります。実際、私たちの平均在職期間は多くのテック企業よりも長いです。新卒として入社し、スキルを磨きながら成長していくケースも少なくありません。私たちは、どのレベルの経験者であっても「長期的に一緒に働きたい」と考えています。
Building a Forever Product
Duolingoは、短期的には「手軽に楽しい」ツールでありつつ、長期的に「学習者の生活を変える」ような存在を目指しています。
- 言語学習には長期的な練習が必須です。
- 私たちはユーザーの継続率(Retention)を重視し、ストリーク機能を長年かけて磨き込んできました。
- ストリークを切らさないよう努力してもらえれば、長期的に大きな学習効果を得られます。
- また、より良い教育を追求して改良を進めています。もし学習効果を感じられないアプリなら、人々はやがて離れていくからです。
Juicy(新しいデザイン言語)
かつてのDuolingoは、背景が淡いグレーでボタンも控えめ、フクロウ(Duo)もよりロボット的でした。しかし2018年に子供向けアプリを検討していたチームが、色彩豊かで丸みを帯びたデザインを考案し、それが本体アプリにも適用されました。これにより、学習がゲームのように楽しくなり、現在の「Juicy」スタイルが確立されました。
Setting the Proficiency Standard(習熟度の標準を目指す)
「どれくらい英語を話せるのか?」と問われたときに、
“My Duolingo Score is 70.”
と答えられるようにするのが私たちの目標です。
- Duolingo Score: アプリ内で学習者の習熟度を推定するスコア。
- Duolingo English Test(DET): 大学入学など高い信頼性が要求される場面でも使える公式認定テスト。
この2本柱によって、言語習熟度の世界的な基準になることを目指しています。
Engineering the Future / Becoming a Business(未来を形づくるエンジニアリング/ビジネス化する)
エンジニアリング面では、長期視点は少し異なる形をとります。大規模に長く使うコア技術はすぐに作らず、実験で成功が見込めたものだけ本格的に投資していきます。
数年間、Duolingo は収益化していませんでしたが、ユーザーベースの拡大とエンゲージメントを優先しました。2015年のシリーズD以降、収益モデルとして以下を検討しました:
- アプリ内課金(IAP)
- 広告
- 有料サブスクリプション
Long-Term Value Over Short-Term Revenue(長期的価値)
もしある四半期に予想以下の収益しか出なかったら、株価は下がるかもしれません。しかし私たちは「四半期ごとの数字」に過度にとらわれず、「長期的に学習者に最大の価値を提供する」ことを重視します。それが結果的に企業の価値を高めると考えています。
ただし、学習を有料壁で遮断しないことが絶対条件です。
Building a Monetization Engine(マネタイズエンジンを構築する)
初期のアプリ内課金は「ストリークフリーズ」程度で売れるものが少なく、広告も上限がありました。そこで、広告なし&ハート無制限など学習体験を快適にする有料プランを導入。
- 「無料でも十分に学べる」点は変えず、支払った人にはさらにスムーズな体験を。
- これにより、収益とミッションの両立を図っています。
A 100-Year Brand(100年ブランド)
地道な成長と優れたマーケティングにより、Duolingo は誰もが知るブランドになりました。アプリを使っていない人でもフクロウのDuoを見たことがあるかもしれません。私たちは、学習以上の体験を提供するキャラクターや世界観を作り上げ、誰もが毎日学ぶ習慣を身につけるようになる未来を目指しています。
Characters Count / Investing in Marketing(マーケティングへの投資)
- キャラクターは、学習を楽しくするだけでなく、他社が簡単に真似できない「ブランドの強み」として機能しています。AI時代においても、感情的なつながりが重要な差別化要因になります。
- マーケティングは、主にSNSなどを活用し、人々が自然に話題にしたくなるようなユーモアやイベントを仕掛けています。お金をかけるよりは、「アイデアと機動力」で勝負するというスタンスです。(例:Duoが映画『バービー』のレッドカーペットに登場、Peacockでデート番組を“偽”企画 など)
The Path(新しいレッスン構造)
- 以前は「Tree(学習ツリー)」構造で、ある程度自由にスキルを進められましたが、学習者に知識の抜けが発生しがちでした。
- 2022年にTreeを廃止し、Pathという直線的構造を導入。 すべてのレッスンを順番にクリアする仕組みに変え、確実な基礎固めを重視しました。
- ユーザーの反発も予想されましたが、真の習熟を促すためには必須の決断だったのです。
Long-Term Value Over Short-Term Revenue
「もしある四半期で予想を下回る収益しか出なかったとしても、私たちは株価ばかりを気にするわけではありません。私たちが重視しているのは、いかに長期的に学習者に大きな価値を提供できるかです。それが結果的に私たちの企業価値を高めると信じています。」
Building a Monetization Engine
- 初期段階のアプリ内購入(IAP)は限られており、「ストリーク・フリーズ」程度しか購入アイテムがありませんでした。
- 広告も、「レッスン終了後に1回だけ見せる」以外に増やすとユーザー離脱を招く恐れがあるため、あまり拡大できませんでした。
そこで有効な手段として見いだしたのが有料サブスクリプションです。
- 広告を外す
- ハート(ミス回数)の上限を撤廃する
など、有料会員がより快適に学習できるようにする仕組みを整えました。
「無料でもしっかり学習できる」という理念は維持しつつ、支払ったユーザーには追加のメリットを提供する形です。
「有料でも十分に価値ある無料サービスを提供してしまうと、かえって課金意欲を削ぐのではないか」という懸念の声もありました。しかし実際は、無料ユーザーも快適に使える設計が長期的な信頼を育て、結果的に収益の安定にもつながるという考え方が、ここまで成功してきました。
Principle #2: Raise the Bar(基準を引き上げる)
To change how the world learns, we must do world-class work.
「世界の学習を変えるためには、世界レベルの仕事をしなければならない」というわけです。
Duolingoでは、完璧を目指すわけではなく、常に基準を引き上げ続けることを重視しています。
Excellence Is the Baseline(世界の学習を変えるには、世界水準の仕事が必要)
- 私たちは「高い水準を当たり前」と捉えています。
- ミスは必ず起こりますが、そこから学び、改善することでより高い基準に近づきます。
Culture of Excellence / Taking Ownership(卓越性は高嶺の花ではなく、当たり前の基準/エクセレンスの文化)
- 創業者のLuisやSeverinのように、細部にこだわる姿勢が、会社全体の基準を引き上げてきました(Luisは今でもアプリのバグを自ら報告するほど)。
- しかし、大事なのは「個人の意識」ではなく、「組織として明確な基準と所有者を設定する」こと。
- プロジェクトごとに「誰が最終的に責任を負うか」をはっきりさせることで、「やるべきことがやり抜かれる」状態を作ります。
Hard on the Work, Easy on the People(仕事には厳しく、人には優しく)
- Duolingoの社風はフレンドリーですが、「建設的な批判」を疎かにしないよう心がけています。
- 「仕事に厳しく、人には優しく」をモットーに、何が問題かを具体的に指摘してアイデアを磨き合う一方、人身攻撃はしないという姿勢です。
The Bar for Product and Design(プロダクトとデザインの基準)
- Useful(役立つこと)
- Intuitive(直感的に理解できること)
- Delightful(楽しい/心地よいこと)
- Polished(洗練され、バグや不一致がないこと)
The Bar for Hiring(採用の基準)
- 新しい人を採用するときは、必ずLuisとSeverinが最終承認を行います。
- 以前、一年近く埋まらなかった重要ポジションに来た「有能だが運転手に高圧的だった候補者」を不採用にしたエピソードは有名です。
- 「優秀さだけでなく、人柄が文化に合っているか」を見極めるのが重要だということです。
V1s Not MVPs(MVPではなくV1を)
- 一般的なスタートアップではMVP(実用最小限の製品)をまず出すのが当たり前かもしれません。
- ですがDuolingoでは「最低限でも完成度を満たしたV1」をリリースする方針。
- 中途半端な出来の製品を出してユーザー体験を損なうことは避けます。
- 多少時間がかかっても、「最初からある程度完成度の高いもの」を提供するのです。
Principle #3: Ship It(素早くリリースする)
For a good idea to become reality, we need to move with a sense of urgency.
Duolingoの創業当初は、全員が同じ部屋に集まり、フォーマルな「プロダクトレビュー」もOKRも特になく、アプリ開発の教科書など存在しない状態でした。ただし、とにかくスピードが速かったのが特徴で、試行錯誤を繰り返しながら「何がうまくいくか」を素早く見極め、だめならすぐに切り捨てるという動き方でした。
Go, Go, Go!
- Duolingoは、無数の実験の積み重ねによって成り立っています。
- 1つでも多く、素早く実験を回して、学びを得ることでプロダクトは加速度的に向上していきます。
- 週1回のアプリ更新や同時に何百ものA/Bテストを行うのもその一環です。
Clock Speed(クロックスピード)
- 「Clock Speed」とは、意思決定から実行までの「タイムラグを最小化」する考え方を指します。
- たとえば、プロダクトレビューで意見が出たら、その週のうちに修正して次の実験に回す、といったスピード感を常に目指します。
- アイデアに対する議論よりも、実践してデータを見る方が早いという信念です。
Ruthless Prioritization(無慈悲な優先順位づけ)
- スピードを上げるには、やらないことをはっきり決める必要があります。
- 効果が低いと分かったプロジェクトは、たとえ途中まで開発していても即座に中止します。
- より大きなインパクトが期待できるものにリソースを集中させるのです。
Shipping the Org(組織構造を出荷してしまう問題)
- 組織が大きくなると、アプリの構造も「組織図」が反映された形になりがち(これを「shipping the org」と呼ぶ)。
- 例えば、リーダーボード機能とプロフィール機能を別のチームが管理すると、ユーザーから見るとデザインや方針が不整合になる可能性が高まります。
- これを防ぐには、ユーザー視点でプロダクトを俯瞰し、チーム構造に縛られないデザインと開発を心がける必要があります。
99 Bad Ideas(99のダメアイデア)
- Duolingoには「99 Bad Ideas」というリーダーシップ合宿の恒例行事があります。
- 文字通り、「とんでもないアイデア」を100近く挙げてみることで、常識にとらわれない発想を探るのです。
- 実際に、そこから一見バカらしいアイデアが成功事例につながったことも多いのです。
Navigating Trade-offs (Raise the Bar vs. Ship It)(トレードオフを乗り越える)
- 「完成度を高める(Raise the Bar)」と「素早く出す(Ship It)」は往々にして衝突します。
- その際、「この決断は教育を良くし、より多くの人に届けることにつながるか?」というミッションを判断基準にします。
- 例:生成AIの導入初期は質が完璧でなくても、先にリリースし、学習データをもとに素早く改良を加えます。
Principle #4: Show, Don’t Tell(結果で示す)
We use clear, concise communication that is grounded in data and real impact.(私たちは、明確かつ簡潔なコミュニケーションを行う)
物事を説明するより、結果を見せる方が圧倒的に説得力がある、という姿勢を示しています。
Culture of Experimentation / The Right Amount of Process
「Ship It(素早く出す)」は単にスピードを追求するだけでなく、学習や改善の機会を最大化する考え方です。自由に遊び、少し破天荒になることも厭わず、ときには失敗もします。しかしそれによって得られる学びが、次につながる重要なステップとなります。
一方で、Duolingo が大きくなるにつれて、組織が混乱に陥らないように、ある程度のプロセスやガードレールが必要になります。しかし、過度な官僚主義に陥るのは避けたいところ。そこで私たちが取り入れたのが Product Review (PR) という仕組みです。
- 初期の頃: Luis(CEO)がインフォーマルに決定を下すことが多く、誰が関わるべきか不明瞭だったり、どこまでが本決定かが曖昧になることがありました。
- Product Review (PR): エンジニアリングの「コードレビュー」をヒントに、正式な構造を持つ会議を設けることで、必要なステークホルダーの参加や意思決定の透明性を確保。
- この手法により、誰が何を承認し、どのようなフィードバックがあったかが明確になり、プロジェクトの進行がスムーズになりました。
- PR が他のチーム(例: マーケティングレビュー)にも広がり、同じように迅速かつクオリティを保った意思決定が可能になっています。
99 Bad Ideas
Duolingo では、「99 Bad Ideas」という伝統的なブレインストーミングがあります。リーダー合宿などで、あえてとんでもなく突拍子もないアイデアを大量に出すことで、意外な突破口を見つけるのです。
- 例えば、「Duoを使った超無茶な企画」「株式ティッカーを“LILY”に変更したら?」など、普通なら一笑に付されるようなアイデアも遠慮なく出します。
- こうした場を設けることで、大企業病に陥らず、常に新しい発想を試みる文化を保ちます。
Navigating Trade-offs:Raise the Bar vs. Ship It
- “Raise the Bar(完成度を追求)” と “Ship It(素早く出す)” は、しばしば相反するものです。
- そこで、「この決定は教育を良くし、より多くの人に提供するという使命にどう役立つか?」を判断基準にします。
- 例:生成系AIの活用では、初期段階で完璧を求めるより、まずはリリースしてユーザーのフィードバックを得て、そこから急速に改善する、という方針を取りました。結果的に大勢の学習者に価値を届けつつ、品質を上げ続けています。
Principle #4: Show, Don’t Tell
「私たちは、結果やデータに基づいた明確で簡潔なコミュニケーションを行う」
ここでいう「Show, Don’t Tell」とは、自己アピールやストーリーづくりより、実際の成果を示すことに重きを置くという意味です。
Numbers Are the Story
Duolingo では、可能な限り数字とデータを中心に据え、抽象的な議論よりも実測値に基づいて意思決定を行います。
- 例えば、「新機能が日次の売上(bookings)やDAUをどう動かしたか」を見れば、その機能が本当に効果的かどうか一目瞭然です。
- ただし、数値に固執しすぎると大局を見失う場合もあるため、学習効果の測定など、数値化しにくい要素にも注意を払います。
TL;DR(要点まとめ)

- Duolingo では、レポートや重要ドキュメントの冒頭にTL;DR(要旨)を置くことで、限られた時間の中でも必要情報を素早く把握できるようにしています。
- 「要約を書く」という行為そのものが、筆者にとっても論点をクリアに整理する助けとなるのです。
Say Less / Ideas Before Egos / Prototypes, Not Pitch Decks
- 言葉でアピールするよりも、実際にプロトタイプを作って見せた方が早いと考えています。
- 長々としたピッチデックよりも、一目で見て試せるプロトタイプの方が説得力があります。
- 同様に、学習者にも「説明を読む」より「実際に触れて理解する」方が学習効果が高いとの研究もあるため、Duolingoのレッスンもなるべく直感的なUIを追求しています。
Great Products Don’t Need Instructions
- Duolingo の目標は、「アプリの使い方を説明しなくても、誰でもすぐに使いこなせる」こと。
- たとえば、ポップアップやチュートリアルを最小限に抑え、デザインやアニメーションで自然に操作をガイドするよう工夫しています。
- その結果、ユーザーはアプリの使い方で悩む暇なく学習に没頭できるのです。
Disagree and Commit / The Trust Battery
- Duolingo では、意見が対立した場合、「データで検証するので、とりあえずやってみよう」という結論に至ることが多いです。
- 実際、CEOのLuisが懐疑的なアイデアでも「いいよ、試してみよう」とゴーサインを出し、結果として大成功した例(例:リーダーボード機能)が多数あります。
- 信頼関係(Trust Battery)は成果を出すごとに充電され、実験や新アイデアに対する裁量が大きくなる好循環を生みます。
Principle #5: Make It Fun(楽しさを追求する)
「学習は退屈である必要はないし、仕事だってそうである必要はない。」
Duolingo では、楽しさをプロダクトや社内文化の中心に据えています。
- スーツ姿で肩肘張った雰囲気ではなく、ぬいぐるみの大フクロウがオフィスを歩いているような世界観。
- アプリでも、突飛な文例(「あなたのクマはビールを飲んでいます」など)で笑いを誘い、学習意欲を維持させる工夫を凝らしています。
A Product Built on Play / You Can Be More Than One Thing(遊びを核としたプロダクト)
- 語学学習は一般に「地味で退屈」というイメージがありましたが、それを覆すために、私たちはゲーム的要素を重視してきました。
- 同時に、「学習ツール」だけでなく「ゲームアプリ」にも近い存在になろうと模索しており、この曖昧さこそがDuolingoの強みだと考えています。
- ユーザーは、TikTokやYouTubeなど娯楽アプリと同じ感覚で、毎日短時間ずつアプリを開き学習するようになるのです。
Quirky Culture / Open Doors / Joy by Design(風変わりな文化/門戸を開く/デザインで喜びを生む)
- 社内もまた「遊び心」を大切にしています。
- 大事な意思決定が隠し部屋で行われるのではなく、CEOの好む会議室はガラス張りの「見せる部屋」。誰でも参加や傍聴が可能。
- 上層部にもSlackやDMで直接声をかけやすい雰囲気を作っています。
- 年に一度、会社全体でリゾートへ行く「Getaway」を実施し、フォーマルな会議など一切せず、リラックスや相互理解を深める。
- 社内には100を超える部活動があり、クロスワード好きからカキ(牡蠣)好きクラブまで存在。
- 10月には「Pittsburgh Puppy Parade」があり、犬たちがオフィスを行進するというユニークなイベントも。
- こうした「意図的な楽しさの演出」が、社員同士の結束を高め、プロダクトの雰囲気にも良い影響を与えています。
Wholesome and Unhinged / Committing to the Bit / April Fools / Duality of Duo(健全さとハチャメチャさ/ネタを徹底する/エイプリルフール/Duoの二面性)
- 時に「常軌を逸している(unhinged)」とも言われるユーモア感覚を大切にしており、それがSNSやメディアでバズを起こす原動力になっています。
- 早い段階では多くの人に好かれようとしすぎて、特徴が薄くなる失敗も経験しました。しかし今は、一部の人に狂おしいほど愛される方向を目指しています。
- エイプリルフールでは、Duolingo PillowやDuolingo on Iceなど毎年突飛なキャンペーンを繰り広げ、バイラルヒットを重ねています。
- マスコットのDuoも、元々は「学習を継続させる」ための存在でしたが、インターネット文化によって「脅迫めいたリマインドをするフクロウ」というネタが確立し、今では公式SNSでもその“二面性”をネタにしています。
Five Seconds with Duo (Super Bowl Ad)(5秒間のDuo)
- スーパーボウル LVIII(2024年)で、わずか5秒のCM枠を購入し、緑色のフクロウ(Duo)がもう一羽のフクロウをおしりから発射するというシュールな映像を流し、「Duolingoやれよ(Do your Duolingo)」と一言。
- 30秒枠のCMと比べて大幅に安い費用で済ませながら、大きな話題をさらいました。
- 短い時間だからこそ、強いインパクトを与えるというマーケティング勝利の象徴として語り継がれています。
Our Process(私たちのプロセス)
ここまで「Duolingoの原則(5つのPrinciples)」について詳しく解説してきましたが、それらを実際にどう機能させるかを示すのが “The Green Machine” というフレームワークです。
- 初期のスタートアップ時代に自然発生し、毎年ブラッシュアップされてきた方法論。
- ここまでの間に、私たちの最も価値あるイノベーションや大きな成功を生み出してきました。
- 小さな変更を継続的に行い、その一つ一つをA/Bテストなどで検証し、うまくいったらさらにその方向で改良を続けるという循環を回し続けるのです。
「もしあなたが何かに行き詰まっているなら、この6つのステップに照らし合わせてみてほしい。チーム構成が不十分なのか? フィードバックループがないのか? Green Machineの考え方を取り入れるだけで解決する場合も多い。」
The Green Machine: Six Steps(6つのステップ)
1. Staff It with Great People(6つのステップ)
- 優秀な人材がいないと、質の高い実験を高速で回すことは難しい。
- そのためにDuolingoでは採用基準を厳格にし、「少数精鋭」で動く文化を重視している。
2. Define Success(成功を定義する)
- 明確なゴールを設定する。DAUやBookings、ソーシャルメディアのインプレッションなど、何を成功指標にするかを定義しておく。
- 早期段階のプロジェクトでは、まだ定量的な指標が用意できないこともあるため、可能な範囲の定性的ゴールを設定し、徐々に指標を整えていく。
3. Set Guardrails and Think Long-Term(ガードレールを設定し、長期的に考える)
- 「Take the Long View」 の原則と合致したガードレール(指針や枠組み)を設ける。
- 長期的に見てDuolingoや学習者に価値をもたらすプロジェクトであるかどうかを常に確認する。
4. Build the Thing and Set Up Feedback Loops(まず作り、フィードバックループを整える)
- 抽象的な議論を続けるよりも、まずは実際に作り始め、継続的なフィードバックを得るのが大切。
- フィードバックは定量的(A/Bテストや各種KPI)と定性的(チーム内ドッグフーディングやユーザーの声)を組み合わせる。
- アイデア段階のプロジェクトは、まず質的フィードバックを主軸に進め、手応えが出てきたらより大規模なA/Bテストに展開する。
5. Execute with Urgency and Excellence(緊急性と完成度を両立して実行する)
- 「時間をかけるほど改善できる」は一理あるが、小さな改善でも積み上がれば莫大な効果を生むため、スピード感を非常に重視。
- ただし、品質を犠牲にしてはならない。スピードと完成度の両立を常に追求する
6. Double Down on What Works, Stop What Doesn’t(うまくいくものを倍プッシュし、ダメなものはすぐやめる)
- 成果が出た実験や機能にはリソースをさらに投入し、数年がかりで拡大していくケースもある。
- 一方で、うまくいかない機能やプロジェクトは、躊躇なく撤退する必要がある。
- 新しいアイデアを続々試しつつ、「効くものだけを残す」ことでプロダクトを最適化する。
Part of the Plan(計画の一部として)
The Green Machineは計画全般の代替ではありません。
- 四半期ごとのOKRや年間目標、長期的な財務計画などは依然として存在します。
- ただ、「1年以上先のロードマップを詳細に固めてしまう」といった硬直化は避け、成否が分かり次第プロジェクトを柔軟に組み替えていきます。
Glossary(用語集)
最後に、本書でたびたび出てきた用語の簡単な解説が載っています。以下はその要旨です。
- Bookings: サブスクリプション、アプリ内購入、広告などから得られるDuolingoの収益全体を表す指標。
- DAUs (Daily Active Users): 1日当たりのユニークユーザー数。Duolingoの成長とエンゲージメントを測る主要KPI。
- Juicy: Duolingoのビジュアルデザインシステム。明るく、丸みがあり、フレンドリーなルック&フィール。
- MAUs (Monthly Active Users): 月ごとのユニークユーザー数。
- Nuo: Duolingoに入社してまだ間もないフレッシュな社員を指す通称。
- OKRs (Objectives and Key Results): 目標管理手法。四半期単位や年単位でチームや会社全体の方針を定める。
- Parliament: 毎週月曜日に行われる全社会議(All-Hands Meeting)の呼称。
- Pittsburgh: Duolingoが本拠を置く街でもあり、Duo誕生の地とされる“伝説の土地”と説明されることも。
- PR (Product Review): アプリの変更を承認する会議。エンジニアリングのコードレビューになぞらえて、各ステークホルダーが変更案を議論する。
- SLT (Senior Leadership Team): 副社長(VP)以上の幹部層と、「いくらかのフクロウ(owls)」が含まれるらしい。
- Subscribers: Duolingoの有料課金プランを利用しているユーザー。
- Duoversary: Duolingoが一般に公開された6月19日(2012年)を祝う年1回の記念日。
- Experiments: A/Bテストなど実験を指し、常に多数の実験を並行実施して最適解を追求している。
- Go, Go, Go!: Luisが「それいいね!」と思ったときに叫ぶ合図。
- DET (Duolingo English Test): Duolingoが提供する英語検定テスト。多くの大学や機関で公式認定されている。
- Dogfooding: 自社製品を自分たちで日常的に使い、問題点を洗い出すこと。
- Duo: みんな大好き、Duolingoのマスコットである緑のフクロウ。
- 5つの原則 (Principles)
- The Green Machine という実践フレームワーク
- ユニークな社風とマーケティング戦略
- ブランド・キャラクターを活用した長期的な差別化
- 膨大なA/Bテストでデータ駆動型の意思決定
- いつでも「教育を良くし、より多くの人へ届ける」という使命が中心にある
Duolingoは、世界トップレベルの語学学習サービスを目指しつつ、楽しさとビジネス成功を両立させている。長期的な視野・遊び心・チームワーク・実験文化こそが、その成長エンジンと言えるでしょう。
- 5つの原則 (Principles)
- The Green Machine という実践フレームワーク
- ユニークな社風とマーケティング戦略
- ブランド・キャラクターを活用した長期的な差別化
- 膨大なA/Bテストでデータ駆動型の意思決定
- いつでも「教育を良くし、より多くの人へ届ける」という使命が中心にある
Duolingoは、世界トップレベルの語学学習サービスを目指しつつ、楽しさとビジネス成功を両立させている。長期的な視野・遊び心・チームワーク・実験文化こそが、その成長エンジンと言えるでしょう。
参考
外国語学習アプリ Duolingoはどうやってユニコーンに成長した?クラウドソーシングの醍醐味
A masterclass in crowdsourcing
reCAPTCHA and Duolingo: Luis von Ahn
※本記事では一部で生成AIを活用して作成しています
Feature
