シンギュラリティ(技術的特異点)とは何か?
技術的特異点(ぎじゅつてきとくいてん、英語:Technological Singularity)、またはシンギュラリティ(Singularity)とは、人工知能が人間の能力を超えることで起こる出来事[1][2]。人類が人工知能と融合し、人類の進化が特異点(成長曲線が無限大になる点)に到達すること
– Wikipedia
「人工知能(AI)が人間の知能を超える」その地点をシンギュラリティといいます。
人間とAIの立場が逆転するときが2020~2045年の間に訪れるとされています。最近のニュースを見るとそれが強ち先ではない、ということを感じます。
シンギュラリティはどのように起こるのか?
私たちはどのように受け止めれば良いか、少し考えてみました。
AIとの共生を目指す動き
先日FacebookのDeveloper Conference、F8 2017が開催されたレポートのなかで「F8:Facebookは頭脳直結テキスト入力開発中―「埋込み手術の必要なし」と元DARPA局長がプレゼン」- Techcrunchなんていう記事がでていて、そんな遠くない将来にそんなことが実現するのかという衝撃を受けました。
画像引用:http://news.shintavr.com
※F8 2017のレポートはこちらの「F8 2017 注目すべき発表のまとめ」でまとめられていますので、ご覧ください。
Facebookの10年のロードマップを見ると、やはり着実に人間とAI、VR/ARとの融合みたいな話があり、そこのステップを着々と進めているわけです。
AIと脳の融合の実現へ
参考記事:「テスラCEOが新会社、脳とコンピューター融合へ」
イーロンマスクも同様に「ニューラルリンク」というスタートアップを立ち上げて「脳に微小な脳電極を移植し、思考をアップロードしたり、ダウンロードしたりできるようにする」ことができるよう技術開発を本格化するということです。
そもそもイーロンマスクは「人工知能にプログラムされた合理性と、習得した経験と概念が人間を殺す可能性がある」として、AIの規制のないままの進歩に警鐘を鳴らしている人物です。
参考記事:シンギュラリティを危惧するイーロン・マスク、人工知能NPO「Open AI」を創設
「AIの発達はこれからも急速に進み、あっという間に人間はAIにとってペットと変わらない存在になってしまう」
だから「AIが人間の脳を超えた知能を持つ」その時、人間とAIがうまく共生するためには「インターフェース」が必要である、つまり人間とAIを合体させれば人間はAIのペットにならずに済むのではないか?という大胆すぎる発想から、本プロジェクトは始まっています。
イーロンマスクは既に「ニューラルレース」という電磁的に脳から思考を伝達する研究を積極的に行っており、それを実用的にする段階に入っています。そして脳みそをデジタル化し、ロボットなどにもインストールすることも理論的には可能です。
SFの話ではないか、と思ってしまいますが、確実にそのような未来がくるということを改めて意識させられたニュースでした。
まさに攻殻機動隊やMATRIX、ターミネーターの世界。
「シンギュラリティ」提示者、レイ・カーツワイル氏
「20年以内には、人間の脳の全てを理解できるようになる」と語るのは、シンギュラリティという概念を提示した発明者でフューチャリストのレイ・カーツワイルです。
1970年代から発明家として活躍して、2005年に「特異点(シンギュラリティ)は近い」と本書を展開しました。当時はまだiPhoneも発売される前で、なかなかその概念を理解できる人は少なかったようですが、この数年で多くのメディアで「シンギュラリティ」という概念が話題となり、研究されるようになってきました。ちなみにカーツワイルは2012年からGoogleでAI開発の指揮をとっています。
そんなレイ・カーツワイルの破壊的な理論のエッセンスをTEDなどで見ることができます。
「シンギュラリティは今後、30年で必ず到来する。だから急いでいる。」
AIを持ったスマートロボットの人口が、今後30年で人類の人口を超え、「靴にもチップが入り、AIが我々の脳よりも賢くなる」と、ソフトバンクの孫さんは語っています。2016年にARMというイギリスの会社を3.3兆円という破格で買収していますが、これもシンギュラリティを意識したソフトバンクの長期戦略の新たな方向性を示していると思います。
シンギュラリティは私たちにどう関係があるのか?
一般人の私たちにとってシンギュラリティは単なるSFの話しかもしれません。しかし、AIの進歩は近年加速しているのは確かであり、この10年、iPhoneの登場によりあらゆる業界において変化が起きてきましたが、この先10年に起こるあらゆるテクノロジーの革新はそれより遥かなるインパクトがあります。
ブロックチェーン、バーチャルリアリティ、ロボット、AI、、、全てが毎日アップデートされており、この10年の私たちの生活や未来を変えていくと思います。その革新は止められないですし、社会に属する限りその影響を私たちは確実に受けます。地方は特に経済面や雇用面においてその影響を受けると思います。
ですから完全に未来を予測することは難しいですが、確実に来る変化の種をしっかり頭に入れながら、どのような未来を作りたいか、どのような課題に今取り組んでいく必要があるか、考えていくことが大事だと思います。