「一流」を知ることの意味

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こんにちは。ディレクターのはるかです。

長野県に移住して丸2年がたったのですが、移住するまで私は東京の人材広告企業で営業をしながら、夜は銀座のクラブでホステスをしていました。

お酒が好きな私にとって、飲めば飲むほど売り上げが増えるというホステスの仕事はただでさえ得るものの大きいお仕事だったのですが、それ以外にも学んだこと、今に生きているなと思うことがあります。

今日は銀座のホステス経験から学んだことなどを書いてみようと思います。

銀座のクラブとはどんなところなのか

基本的にはどのお店も会員制なので、お客様の紹介がないと入店することができません。お店の規模はアットホームないわゆるスナック的な小さなお店から、何十人ものホステスを擁する大箱までさまざまあり、その数は1,000にも上ると言われます。

いろんなお店がありますが、基本的にいらっしゃるお客様というのは企業の管理職や重役、経営者の方が多く、著名な方もいらっしゃいます。私もこの仕事の関係で、誰もがその名を知っているような政界の方とお食事をご一緒させていただいたり、社交界のような場にお供させていただいたこともありました。

私が銀座のクラブで働き始めた動機は、世界一周を旅するための資金稼ぎでした。確かに給料は非常に良いのですが、入りと同時になんだかんだ出も多い(ヘアセットや衣装代など)ですし、ノルマのようなものもあるので、トータルで考えると手放しで「儲かる」という訳ではないように思います。

ただ、美酒と美食に目がない私にとって、お店にいて自分ではとても飲めないような高級なお酒をお客様のご相伴にあずかっていただけることはとても大きかったです。そうしてお酒の味のちがいを、舌が覚えていきました。

ご贔屓にしてくださったお客様でワインに目がない方には、行きつけの(いわゆる「高級」という冠のつく)フレンチのお店で、ブルゴーニュの大変美味しいワインを教えていただきました。自分の中のワインの良し悪しの基準はここで形成されたと思います。

ホステスの経験が今に繋がっていると感じること

ホステスをしていた当時、私は20代後半でしたが、およそその年齢では経験できないような体験をたくさんさせてもらいました。元来ブランド品には全く興味がなかったのですが、いただいたものを身につけたりするうちにその良さを実感して、高級ブランドが高級たる理由がわかると、これは俄然わくわくしてきます。

いま、世の中には無料で使えるサービスがたくさんあるし、そこそこの値段でそこそこの品質のものが手に入ります。その傾向は特にこの数年で加速したように思います。

だからこそ、物事の「良し悪しがわかること」「真贋が見極められること」というのはすごく大事で、ディレクションをする上でも「どうしてそれが良いと言えるのか?」という視点を持っているかどうかで、制作の質が大きく変わってくるように思います。なんとなくそれっぽいものは、結構誰にでも作れちゃうからです。

もっと言えば、ディレクションに限らず、仕事全般、というか自分に与えられた「生」を生きる上でも、ものの良し悪しがわかるというのは、人生の楽しみを左右する要素の一つであろうと思います。

もしかしたらこれからの時代、自分の人生を自分らしく生きられるかどうかは、一種のスキルのようなものになって行くのかもしれません。

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