2020年度のものづくり補助の一般型の公募開始は3月10日から開始になりました。
今回は新しいサービスを作りたい、新規事業を成功させたいという中小企業が活用できる本公募の内容についてご紹介したいと思います。
「ものづくり補助⾦」とは?
中⼩企業が経営⾰新のために使える設備投資等に使える100~1,000万円・補助率1/2(⼩規模なら2/3)の補助⾦です。収益を上げるための新商品(試作品)開発、新サービスの開発、生産性や社内の効率化を目指したサービスやシステムの導入に対して補助されます。
2020年ものづくり補助金の特徴
今回のものづくり補助金では新しい点がいくつかあります。
⼿続きが100%電⼦化
経産省が開発した「補助金申請システム(Jグランツ)」での申請になります。パソコンやネットに慣れていればスムーズに申請できます。
中古品も一部対象に
今までは中古品は原則NGでしたが、今回の公募から認められる中古品の基準が明確になりました。詳しくは公募要領を参照ください。
通年で公募
5次締切(令和3年2月予定)までの交付申請を受付けており、従来、補助金申請には期限があるため、なかなか申請資料を作る時間がなかったという事業者にとっては活用できる可能性が広がります。
ものづくり補助金の概要
対象事業者
中小企業・小規模事業者
補助対象
革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行うための設備投資等
補助上限額
一般型 1,000万円
グローバル展開型 3,000万円
ビジネスモデル構築型 1億円
※50万円(税抜き)以上の設備投資が必要、(下限100万円)
補助率
中小企業者 1/2、小規模企業者・小規模事業者 2/3
公募締切
令和2年3月31日(火) 17:00
2次締切 令和2年5⽉頃
3次締切 令和2年8⽉頃
4次締切 令和2年11⽉頃
5次締切 令和3年2⽉頃
スケジュール(1次締切)
何に使えるの?
外注費
新製品・サービスの開発に必要なデザインや開発、検証を外注(請負、委託等)する場合の経費が対象になります。
機械装置・システム構築費
補助事業のための機器や装置、ソフトウェア、システムの導入、制作、構築、リースなど費用が対象となります。
専⾨家経費
1⽇5万円を上限として事業遂⾏のために依頼した専⾨家に⽀払われる経費が対象となります。
クラウドサービス利⽤費
補助事業のために利用するクラウドサービスやWEBプラットフォームの利⽤に関する経費が補助されます。
運搬費
運搬料、宅配・郵送料等に要する経費に対して補助されます。
技術導入費
知的財産権等の導⼊に要する経費に対して補助されます。
知的財産権等関連経費
特許権等の知的財産権等の取得に要する弁理⼠の⼿続代⾏費⽤等が対象となります。
原材料費
使い切ることを原則とした試作品の開発に必要な原材料及び副資材の購入に要する経費が対象になります。
申請の条件は?
ものづくり補助金においては以下の要件をすべて満たす3~5年の事業計画を策定し、且つ従業員に表明していることが必要です。
- 事業者全体の付加価値額(営業利益、⼈件費、減価償却費を⾜したもの)を年率平均3%以上増加
- 給与⽀給総額(福利厚⽣費や退職⾦は除く)を年率平均1.5%以上増加
- 事業場内最低賃⾦(事業場内で最も低い賃⾦)を地域別最低賃⾦+30円以上の⽔準にする
これは事業計画によっては結構きつい条件になります。5年間で7.5%以上の人件費アップが発生することになりますので、事業計画をしっかりつめておく必要があります。もともと今後の事業計画において賃金アップなどを盛り込んでいた企業にとっては非常に取り組みやすい補助金と言えます。
審査項目は?
取組内容が新しいか、課題や⽬標の明確で実現可能か、市場ニーズの有無、費⽤対効果などが審査項目にあります。加えて成長性加点、政策加点、災害等加点、賃上げ加点等が加点対象になるようです。
必要な書類は?
1.事業計画書
具体的取組内容、将来の展望、数値⽬標等 ※様式⾃由、A4で10ページ程度
2.賃⾦引上げ計画の表明書
直近の最低賃⾦と給与⽀給総額を明記し、 それを引き上げる計画に従業員が合意している ことがわかる書⾯ ※本公募指定の様式1
3.直近2年分の決算書
直近2年間の貸借対照表・損益計算書等
4.その他加点に必要な資料
成⻑性加点:経営⾰新計画承認書
政策加点 :開業届 ⼜は 履歴事項全部証明書
災害等加点:(連携)事業継続⼒強化計画認定書
⾃然災害及び感染症による被害状況等証明書(様式2)
賃上げ加点:特定適⽤事業所該当通知書
採択率はどのくらい?
過去の傾向を見ると、「ものづくり補助金」の採択率はおよそ4割前後ですが、2020年実施「ものづくり補助金」より制度が大きく変わるため、採択率がどの程度になるか予測するのは難しいようです。
ものづくり補助金において注意すべきこと
補助金は後払いなのでキャッシュに注意!
設備投資は、補助金交付より前に支払が必要なため、資金準備や資金繰りを考慮する必要があります。支払い確認が取れないものに対しては補助対象外となりますので、事前のキャッシュフロー計画は中小企業にとってとても大事です。
返納が求められるケースがある
公募要領に反した虚偽の申請や改ざん等はもちろん、補助事業により収益が発生した場合、また賃上げの未実施が確認されたり、最低賃金の増加目標が達成できていないなどの場合も補助金額の一部を返還することが求められるようです。
補助事業のスケジュールを把握
補助事業期間内に、全ての発注、納品、支払い及び報告を完了させなければなりません。スケジュールを見誤ると最悪補助対象と見做されない可能性があります。計画のなかで全てのフローが補助事業期間内に完了できるようリソースを準備しましょう。
煩雑な事務
補助金事業の大変なところは申請から採択後も発生する事務業務です。「ものづくり補助金」の場合、事業完了後も5年間にわたり事務作業が発生しますので、ある程度の体制やバッファが必要です。
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ものづくり補助金を上手に活用しましょう
VUCA時代と呼ばれる中で中小企業において社内のIT化やDX(デジタルトランスフォーメーション)、Webやコマースの活用はより優先度が高まっています。
当社では新規事業開発のためのWebアプリ開発やシステム開発、eコマース(オンラインショッピング)などの導入及びプロモーションのご支援をしております。ものづくり補助金の申請支援などをパートナー企業とサポートさせていただきますので、お気軽にお問い合わせください。
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